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睡眠不足の影響は? 子どもの発達のために親が知っておきたいこと
睡眠不足の影響について、なんとなく知っている方は多くても、詳しく知る機会はあまりないですね。
日本は世界でも有数の?「大人も子どもも睡眠不足状態」なので、ちょっと睡眠不足が気になってても「周り同じくらいだから大丈夫」と捉えがちです。
でも実は、睡眠不足は子どもの発達にとても重大な影響を与えているのです。
その実態について知っておけば、日常の中で良い影響を得れるように工夫できます 😉
「早く寝なさい」と声はかけるのですが、宿題や部活でやることもたくさんあるし、気晴らしのゲームも取り上げるのもかわいそうだし・・と毎日夜遅いのが気になりながらもそのまま過ごしています。
睡眠不足の影響って、実際にはどんなことがあるのでしょう?
大人も子どもも忙しいと、ついつい睡眠を削ることになりがちですね
ただ、そんな睡眠不足が続くと、その影響はかなり広範囲に及びます。
特に思春期には脳の「司令塔」となる前頭葉が発達する時期なので、睡眠不足の影響は、大人よりも大きなものがあります 😯
そのダメージ影響は「ただちに問題だとわかるくらい」ではないので、日々の中では見過ごされてしまうことも多いために、「いつのまにか」とか「え、それが睡眠不足の影響だったの⁉」となってしまうことも意外とあるのです。
特に近年は他の社会環境の変化とあいまって、そのダメージが大きくなってきています。
それはもっと詳しく知りたいです
ではご一緒に睡眠不足の子どもの発達への影響と気をつけるポイントについて見てみましょう 🙂
目次
日本人は睡眠不足が加速中!
実は日本は、子どもも大人も世界で最も睡眠時間が短いのです。
下記は2006年の総務省統計局労働力人口統計室による就労者の睡眠時間の国際比較に基づいたデータです。
女性の方が男性よりも20分も短いのも日本の特徴です。
身近な人だけみていると、自分が短いとは思わないですよね。
また、この数字は「平均」なので、実際は厚労省のデータに依ると大人の約4割は6時間未満の睡眠になっていると言われています。
そうなんです。
そして子どもの睡眠も、医師の研究グループによる小学生・中学生を対象とした調査では小学1~4年生で8.7~9.2時間、小学5~6年生で8.3~8.5時間、中学生で7.2~7.6時間と報告されています。
脳の前頭葉は、10代に思春期になってから25~30歳までかけて発達します。
発達には十分な睡眠が必要なので、本当は大人よりもたくさん睡眠が必要な時期なのです
下記は米国国立睡眠財団による推奨睡眠時間です。
かろうじて「一部の人には適切」な範囲に入ってるくらいです。
・・ということは、ほとんどの子は睡眠不足なんですね 😯
そうなんです。
しかも、日本では大人も子供も睡眠時間は年々少なくなっています。
文科省の『データから見る日本の教育』によると、1970年代には小学生の平均睡眠が9時間23分だったのが、徐々に下がって、2000年には8時間43分と減っています。
小学生の子どもにとって40分睡眠が短くなることは成長・発達に大きな影響があります。
睡眠不足は「直ちに問題だとわかる」状態になりにくいのですが、日々不足が追加され続ければ、さまざまな影響が表面化してきます。
それでもそれが睡眠不足によるものだと気づきにくいこともあるのです。
睡眠不足の分かりやすいサイン
■朝スッキリ起きられない
■朝食欲がない
■日中(授業中や就業中)に眠くなる
■疲れやすい
■落ち込みやすい
■イライラしやすい
■集中力が続かない(ぼんやり、人や物にぶつかる、物を落とす、怪我しやすいなど)
■休日に、平日よりも3時間以上長く寝てしまう
■甘いものが欲しくなる
■衝動的な行動を抑えられない
いつもあるから、返ってそんなもんだとなってるのかも
そうですね。
こういうサインが強くなっても「自分または子どもの睡眠不足が影響している」とは思わないこともよくあります。
後ほど見ていきますが、睡眠不足は他にもとても多くの影響をその人に及ぼします。
実は子どもが発達グレーゾーンだと診断されるような場合でも、睡眠を改善すると「症状」がなくなることもあるんです。
日本人がどんどん睡眠不足になっている要因
■睡眠についての情報不足
日本では自分の身体を大切に育てる方法について、詳しく知る機会があまりないものです。
学校や仕事の場では「自分で健康を保っている」ことが前提になっていて、その基盤になっている成長や発達に必要な栄養や睡眠・生活リズムについての最新情報を、改めて詳しく習う機会はほとんどありません。
■”使った時間の長さが大事”という考え方
勉強でも部活でも仕事でも、短い時間で楽しく効率よくできれば、本当はベストです。
他の時間でリラックスしたり、他のことも楽しめるので、余裕を持って日々が過ごせます。
ところがなぜか日本では「使った時間が長いほどよい」という考え方がまだまだ残っています。
「頑張っている」「丁寧」「親切」「やる気がある」と「かけた時間が長い」が混同されたままになっているのです。
■周りに合わせる・気にする
まわりがいつまでも帰らない、長く何かをしている中で、自分が早く帰ろうとするのは「和を乱して目立つ」んじゃないかと恐れます。
また、「他の人からなんと思われるか」を気にするので、自分の人生の土台の健康・睡眠をついないがしろにしてしまいます
逆に回りの多くが睡眠不足だと、周りと一緒なのでこれくらいOKだと捉えてしまいます。
■やるべきことが多すぎる
科学技術の発達で、色々なことに簡単に手がつけられるようになりました。
しかしその反面、「これくらいならできるはず」という量が様々な分野で増えるので、仕事量も勉強量も相対的にはキャパオーバーになりがちです。
子どもで言えば、中学以降は各教科ごとに出される宿題の合計量が多すぎたり、部活や習い事で時間が圧迫されたりしがちです。
人はキャパオーバーになると前頭葉が上手く使えなくなるので、そういう時ほどゲームやSNSいじりがやめられなくなります。
そうなると、最終的に削られるのは睡眠です。
■頑張ってる・我慢している自分が好き
真面目で一生懸命に、何事も取り組めるのはとても大事なことです。
ただ、体調不良を感じているのに「自分はそれでも頑張ってる感」に置き換えて続けてしまうのは、百害あって一利なしです。
■ゲームなどのデジタル機器の使用のリスクが広く知られていない
デジタル機器を使用すると、強い光を目が受けることになります。
睡眠をコントロールするホルモンは、本来は日の光の量でリズムを調整しています。
デジタルの強い光を夜に浴びると、特にまだ脳が発達途中の子どもほど、自然な生体リズムが乱れやすくなります。
きっと子どもにもありそうです
はい、もちろん私にも根強くあるので、自分で気づいた時には思い返しながらです
(^^)
ちょっとでも意識するようにして睡眠不足を減らす工夫をしていけば、やがて良い効果も感じられるようになるので、自然に自分と自分の睡眠を大切にできるようになります。
次はそもそもの「睡眠はなぜ必要?」というところを見てみましょう
睡眠はなぜ必要なの?
子どもに「早く寝なさい」と言うと、「早く寝たら時間がもったいない」と返事が返ってくることがあります。
寝ている間に何が起きているのか、なぜ睡眠が必要なのかを知らないと、「何もしていない、ただの時間の無駄」だと思ってしまうのでしょう。
実は睡眠は生物には必ず必要です。
寝ている間、自分の「意識」はお休み中ですが、自分の9割以上を占める「無意識」が、生体として生きるために必要な様々な働きをしてくれているのです。
2つの睡眠:ノンレム睡眠とレム睡眠
人の眠りには、レム睡眠とノンレム睡眠の2種類あります。
黒線は、時間の経過による理想の眠りの深さを表します。
眠りにつくと、まず深いノンレム睡眠が始まります。
大脳を休ませる睡眠で、この間に成長ホルモンを分泌させます。
成長ホルモンは身体の成長・発達と修復、免疫や代謝の強化を促します。
「成長ホルモン」という名前なので、子どもの話だけかと思われがちですが、大人になっても睡眠中にでるこのホルモンが、これらの役割を担います。
生物としての人間は、夜23時~2時の間にノンレム睡眠ができると、最も大量に成長ホルモンが分泌できるようになっています。
この時間外でも成長ホルモンの分泌はされますが、量はかなり減ると言われています。
できる限り、この時間帯に熟睡したいですね。
次にレム睡眠のサイクルになります。
こちらは身体を休ませるための睡眠で、脳は動いています。
夢を見ているのもこの時間です。
ここではその日の学習内容や記憶の整理や固定、様々な情報の処理を行っています。
かつでは夜寝ないで勉強することを奨励されていましたが、今ではレム睡眠で脳の情報整理と学習の固定が進むことが、勉強したことが身につくために重要であると判明されています。
すでに世界中の優秀な学校では「夜は早く寝て、勉強するなら朝型で」という指導になっています。
この、深いノンレム睡眠から始まり、レム睡眠と交互に繰り返しながら、やがて身体と脳が整えられて、朝スッキリと起きられるのが、生物として最も健康な状態です。
この、睡眠中の身体と脳の修復と整理が終了するプロセスには、どのような民族でも少なくとも7時間以上はかかると言われています。
なので、大人でも最低7時間半、成長期の子どもは中学生以上でも8時間以上をめやすに睡眠をとりたいものです。
朝起きるのがすっきりしてないし、授業中に眠くなるようなので、ちょっとずつ足りてなさそうです
たまに足りないのはしょうがないのですが、少しずつでもいつも足りてない状態ばかりだと、その睡眠不足が睡眠負債になって溜まってしまいますので、日々意識して少しずつでも増やせるといいですね。
次は睡眠不足の影響には、どのようなことがあるのかを、具体的に見てみましょう
睡眠不足の影響と対策を知っておこう!
「1」身体への影響
本来必要な身体の成長・発達・修復が十分にできないと、さまざまな不具合が起きやすくなります。
★成長ホルモンが十分に分泌されない
成長ホルモンは細胞の成長・発達と修復、免疫や代謝の強化を促します。
それが不足するということは、細胞とそれで構成されている臓器や神経など、身体の各パーツが十分に修復されずに古びたまま放置されたり、免疫力や代謝力が落ちるということです。
疲れやすくなり、老化が早まり、太りやすくなり、病気にかかりやすく、成長・発達できなくなってしまうのです。
(病気については、特に糖尿病のリスクが高まると言われています)
そして代謝が落ちるから太る・・
美容を気にするうちの子にこれは効きそうです 😉
★体内時計の乱れから、自律神経と体調が不調に
生物として自然な、夜早く寝て朝早く起きるという習慣が損なわれると、全ての細胞内にある「時計遺伝子」が乱れます。
それによって自律神経が乱れ、体内リズムによって分泌されている各種ホルモンの分泌が乱れてしまいます。
ストレス対応の副腎皮質刺激ホルモンや、朝自然に起きるためのコルチゾール、気持ちを安定させるセロトニン、行動するためのノルアドレナリンなどなど、私達の身体は多数のホルモンのバランスで動いています。
体を動かすだけでなく、「気分・気持ち」にもホルモンはとても大きく影響しますので、睡眠不足は身体だけではなく、心=メンタルにも大きく影響します。
また、女性ホルモンは睡眠の影響を受けやすいので、生理の乱れやPMSも出やすくなりますので、気をつけたいところです。
人の身体はなぜか25時間周期なのですが、朝日の光を浴びると24時間に合うようにリセットされます。
夜更かしによって朝しっかり起きられないと、このリセットが朝にされないので、体内リズムが崩れます。
すでに生活リズムが乱れてしまっている場合には、まず朝10時までにお日様の光を浴びるところからスタートすると、リズムが整いやすくなります 🙂
★朝の体調不良とさらなる夜更かしサイクルへ
朝の頭痛、腹痛、食欲がないなどは、睡眠不足が続いて身体のメンテナンスが完了してなかったり、自律神経が乱れたままになっているから起きることもあります。
健康ならば朝にはお腹が空いているのが「動物」としての自然です。
睡眠不足以外にも身体へのアプローチや心・頭へのアプローチが必要なこともありますが、まず睡眠が十分かどうかをチェックしてみるのもおすすめです
そして朝しっかり身体が目覚めてない場合でも、時間とともに徐々に身体が動くようになってきます。
そうなると本来寝るはずの夜になっても眠たくならなくなります。
睡眠不足の影響について知らないと、そのまま眠くなるまで起きていることになって、さらに睡眠サイクルが乱れやすくなりますのでご注意です
★自分の身体の変化に気づきにくくなるので、知らずに不健康になる
健康な身体は自然のリズムで、夜になれば眠くなり、朝になれば目がさめます。
しかし身体が眠くても用事が終わらないので就眠できなかったり、デジタルの使いすぎで脳が興奮したままになったり、強い光で生体リズムが狂ったりすることが続くと、自分の身体自然な欲求のサインに気づく力がどんどん落ちていってしまいます。
そうなると、本人はあまり自覚がなくても上記の成長ホルモン不足や自律神経の乱れなどで、ある日パタッと動けなくなったり、病気が見つかったりすることが起きます。
子どもも大人も日々は忙しくすぎるので、週末などに自分の一週間の睡眠時間や体調・気分を振り返る習慣をつけておくと良いですね
「2」心への影響
睡眠不足が続くとホルモンが乱れるので、心への影響もでてきます。
★セロトニン不足で落ち込みやすい、マイナス思考、怖がりに
脳の本能を司る部分で「危険⁉」「嫌だ」と感じた時に、セロトニンというホルモンがセロトニン神経の中に分泌されて、脳の前頭葉の方に情報をつなぎます。
そして前頭葉から「今の状況はこうすれば大丈夫」という情報をフィードバックすることで、脳の「危険⁉」「嫌だ」の部分が落ち着けるようになります。
危険や嫌なことに気づくのは大事なのですが、そのセロトニンの仲介が適切にないと、過剰な怖がり・マイナス思考・落ち込みやすく、ストレスに弱くなります。
睡眠不足でセロトニンの分泌が適切でないと、怖がり・マイナス思考・落ち込みがそのまま続くことにもなりますので、その場合には励ましたり、待っているだけでは回復が難しいのです。
身体へのアプローチが必要です。
睡眠不足によるセロトニン分泌の乱れがある場合には、朝10時までに陽の光を浴びたり、朝ごはんを食べて「噛む」ことが効果的です。
怖がり・マイナス思考・落ち込みには、他にも有効なアプローチがありますので、それらとともに、しっかりセロトニンを作れて分泌できる身体になることがとても大事です。
当カレッジではそれで「怖い」から回復した方がたくさんいらっしゃいます
(^^)
★睡眠不足で自己肯定感が育たない
ちょっと不思議なようですが、上記のマイナス思考にやりやすいことから、睡眠不足だと自己肯定感が育ちにくくなります。
思春期の始めには全世界的に、幼児の頃の「万能感」を卒業するので、一時的に自己肯定感が下がります。
ただ日本以外では、その後は緩やかに「自分らしさに自信を持つ」ようになるので、子どもの自己肯定感は上がっていきます。
日本の子どもたちの自己肯定感が上がらない他にも理由は色々ありますが、睡眠不足の影響もあるでしょう。
★イライラ・衝動が抑えにくい
上記のように、脳の本能の部分が「嫌だ」と思った時に、「待て待て」と落ち着かせるのが脳の前頭葉の本来のお仕事です。
でも睡眠不足でセロトニンがしっかり働けないと、「嫌だ」が暴走しがちになります。
また、思春期はただでさえ気分のアップダウンが起きがちですが、睡眠不足だとさらに気分変動が激しくなることもあります。
そのような場合でも叱ったり諭したりするだけでなく、睡眠不足もチェックしてみるのがおすすめです
「3」頭への影響
★学習効率が悪くなる
睡眠不足になると、その日の情報の整理と定着が十分にされないので、せっかく学んだことが自分の身になりにくくなります。
もったいないですね 🙄
夜遅く勉強すれば静かなのではかどる・・と、子どもは勘違いしやすいのですが、「寝るはずの時間に寝てないなんて、緊急事態に違いない!」と身体が、本来翌日に使うためのエネルギーを緊急放出しているだけなんです。
その後しっかり寝なければ、その間の学習も定着しませんので、実に効率が悪いのです。
実際に、全国学力テストの正解率が最も高いグループは8時間以上寝ている子が多く、それは平均グループより30分、下位グループよりも1時間長いのだそうです。
また、同じ睡眠時間だとしても、23時~2時に熟睡している方が、ずっと成長ホルモンが出るのでお得です。
睡眠の質を上げるために早起きにシフトするのもおすすめです。
★集中力が落ちて、パフォーマンスが下がる
しっかりノンレムとレムのサイクルが完了してないままで朝起きようとしても、脳も含めた身体はまだ良いスタートが切れる状態になっていません。
頭がぼんやり・・という状態ですね。
そうなると、本来は一番パフォーマンスが上がるはずの午前にエンジンが掛かりません。
身体の準備ができてないので「意欲」もわきません。
ノロノロしているうちに遅刻・・なんてことも起こります。
高偏差値の学校では、受験時間の午前9時から頭がしっかり冴えている状態にするように、受験生には夜は早く、しっかり寝るように指導するのはそのような理由です。
頭がぼんやりしていると、忘れ物や怪我もしやすくなりますので、気をつけたいところです。
軽く考えてました
そうなんです。
睡眠不足の悪影響は「直ちに問題だと気づく」ものではなく、徐々に溜まっていくものなので、なかなか気づきにくですね。
そして今は社会環境の変化によって、更に複合的に睡眠不足による子どもへのダメージが大きくなっているところがあります
次は今の子どもへの睡眠不足が発達に与える影響を見てみましょう
睡眠不足が子どもの発達に与える影響と必要な対応
睡眠不足が子供の発達に与える影響
睡眠不足が人に与える悪影響については、ここまでで色々見てきましたが、特に子どもの場合には大人と違って「発達の途中」だというところがとても大事なポイントです。
成長ホルモンや自律神経や各種ホルモンの乱れは、子どもの健やかな発達を阻害します。
睡眠不足が続くと、体調だけでなく、メンタルや学力や思い込みなどの考え方にも影響します。
そして思春期に一番発達する脳の前頭葉の発達が本来のように進まなくなってしまうは、とてももったいないですね。
前頭葉は計画性や客観性、冷静さ、人とつながる力など、社会に出て自立するためにとても大事な能力を司っています。
脳には600億個もの細胞があるので、それらが本来のすこやかさで育つかどうかは、将来にも大きく影響します。
そうなんです。
そして近年は、デジタルの普及や勉強量の増加や塾などの深夜化などで、子どもの睡眠不足はどうしても加速しがちです。
意識して、できるだけ睡眠を長く、または質を上げるように心がけると良いですね
また、他にも食生活の変化や運動の機会の減少など、この10年で子どもの発達には好ましくない環境変化も、かなり早いスピードで進んでいます。
ゲームの前頭葉の発達についての影響についてはこちらもどうぞ
(ゲームが与える影響には要注意!思春期に成長する脳・身体・心へ)
眠も食も運動も、日々の生活の中のことですが、「便利」「安い」「簡単」「みんなやっている」だけでなんとなく「アタリマエ」だと積み重ねてしまうと、後にドカンと思わぬ出来事が「自然の身体」に起きてしまうことも増えています。
睡眠も食も運動も、「すぐにお困りとして現れない」ので、「別にこれくらい・・」が積もりやすいのです。
特に子どもは自分の睡眠不足から「イライラ」「気分のアップダウン」が起きているとは気づきにくいものです。
大人はつい「心」や「頭」にすぐに働きかけてしまいますが、その前に「身体」の状態のチェックができるといいですね。
わざわざとても「不便」で「高い」「難しい」ことをしなくても、それぞれの気をつけるポイントを踏まえていけば、結果はうんと違ってきます!
ついつい「性格」「生まれつき」とか「頑固」「言うことを聞かない」「待ってても変わらない」で済まされがちですが、頭や心へのアプローチだけでなく、日常での身体へのアプローチがあれば変わります。
実際に「発達グレーゾーン」と言われていたお子さんも何人も食・睡眠・運動・生活リズムの改善で、「こんなにできる子だったんだ」と言われるくらいに本来の力を出せるようになった実例も、当カレッジではたくさんあります。
(^^)
睡眠不足への対応
☆まず「早く寝ること」よりも「決まった時間に起きること」を続けることからのスタートがおすすめです。
今かなり起きるのが遅い場合には、少しずつ起床時間を段階的に早めていきます。
☆朝起きたら、まず部屋に光を入れます
朝はスマホなどを見るのも併用してもOKです。
☆朝シャキッと起きられない場合には、熱いシャワーやお風呂も、自律神経を整えるのに効果的です
☆朝はタンパク質を摂ると脳が目覚めます
☆どうしても眠い時には昼寝は20分、昼前までにとどめます。
それだと難しくて続けられない場合には、個別対応がおすすめです
☆寝付きが悪い場合には、日中は運動をして身体を疲れさせたり、前頭葉を使って脳も疲れさせるのがおすすめです。
温めのお風呂に長く入ったり、寝る前のストレッチなど、就眠前にやることを決めておくと寝付きが良くなります。
好きな音楽やアロマ、ハーブティやアイマスクもおすすめです。
枕も結構寝やすさに関わります。
また、デジタルの本ではなく、リアル本を読むのは意外と眠気を誘います。
(我が夫はこれですぐに爆睡するのが特技です 😉 )
それらをやっても改善しない場合には、他の身体へのアプローチを併用すると良いので、講座などで個別にご相談下さい
☆ゲームは前頭葉を使わないので、楽しみのための1時間がベストです。
寝る前にはなるべく早めにデジタル機器は見ないようにすると眠りの質がぐんと上がります。
☆寝る直前に食事をたくさん摂ると、一度寝てから目がさめてしまうことがあります
できる範囲で早めに食事がとれると良いですね
☆寝付きが悪い、途中で起きる場合には、鼻炎やアトピー、いびきなどが影響していることがあります。
それらを改善すると、睡眠が大きく改善された事例も見られます。
ムズムズ足は栄養で改善できます。
☆心配事・不安が強い場合には、専門家に相談するのが一番です。
ぐるぐる思考を長引かせておくと睡眠不足の影響がさらに加わってしまいます。
子どもが相談できない時には、親御さんが相談するのでもOkです。
家庭でできる身体へのアプローチもいろいろあります。
☆休日の寝溜めは「ソーシャルジェットラグ」を起こしやすいのでご注意です。
平日と、就眠時間と起床時間の真ん中が2時間以上ずれると起きやすくなります。
平日とその差が大きいために、「時差ボケ」のような状態になるのです。
体内時計がずれるので、次の週の前半に眠気や疲労感が強くなります。
月曜日の朝しんどい場合には、このソーシャルジェットラグを起こしてないかチェックしてみて下さい
☆睡眠時間がどうしても増やせない場合には、睡眠の質を上げるのがおすすめです
上記のいくつかのアイデアで睡眠の質も上がりますが、部屋を真っ暗にすると(アイマスクでもOK)、生体としての身体が安心するので、睡眠の質がかなり上がります。
☆まず1週間やってみると、始めはつらいこともありますが、2週目くらいから身体・心・頭が楽になっていきます。
起立性調節障害
起立性調節障害と言われる状態になっている場合には、自律神経が乱れています。
改善には睡眠の改善の他に、栄養や運動、その他のチェックを併用すると効果的です
詳しくは個別に、講座などでご相談下さい
不登校
不登校になると、睡眠が乱れやすくなります。
心身のエネルギーが不足しているので、睡眠を長く摂る必要があるのですが、自分が不登校であることに罪悪感を感じていたり、他にも悩みがあったりすると、寝付きや眠りの質が悪くなりがちです。
また、登校時間に目を覚ましていたくないので、無意識で朝目をさまさないようにしてしまうこともあります。
そうなると夜遅くにようやく寝て、朝なかなか起きれなくなりやすいのです。
朝起きられないとどうしても生体リズムは乱れますので、個別の状況と回復度合いに合わせて、生活リズムは本来のものになるべく近づけていくのがおすすめです。
さらに不登校だと家にいる時間が増えるので、エネルギー不足でも手軽に現実逃避ができるゲームなどのデジタル機器に逃げ込みたくもなります。
「不登校になったら、子どもの好きなように過ごさせましょう」という説を、個別の状況にかかわらず適応してしまうと、ゲーム・動画・SNS漬けや昼夜逆転に簡単になるのでご注意です。
デジタルにハマって長時間の使用を続けると、生活リズムが崩れやすくなりますし、デジタルに依る前頭葉の乱れや発達の遅れがさらに加わり、そこから整え直そうとすると、子どもからかなりの抵抗が起きることも珍しくはないものです。
ただ、すでにそんな状況になっていても、その子の状況に合わせた個別対応があれば回復できます。
ピンときた方は講座などでご相談下さい
ダラダラせずに早く寝るように気をつけたいと思いますが、それ以外にもできることって色々とわかってほっとしました
はい、リスクも対応も色々ありますが、「早く寝なくちゃ」「寝かせなくちゃ」と深刻になってしまうとそれが親子のどちらにもストレスになってしまいますので、どれが効果的かな~と楽しむ感じでOKです
(^^)/
親御さんの睡眠不足の子どもへの影響
今は親御さんも睡眠不足が加速しています。
特に日本の、思春期の子どもを持つお母さんの睡眠不足は、世界でもダントツです。
どうしても子どもの送り迎えやお弁当作りなどのサポートに時間をとられます。
また子どもにお悩みがあれば、それのサポートも大変ですし、お母さんも「心配」「不安」で眠りの質も下がりがちにもなってしまいます 😐
ついついご自分の睡眠を後回しにしてしまいがちですが、ここは意識してご自分が睡眠不足にはならないように、できることからやってみて下さいね。
子どもが夜長話をしたがることもありますが、「ちゃんと話を聞かなくちゃ」と親子で夜ふかしをするのは、おすすめしません。
短時間でもしっかり話を聞いたら、「後は朝か昼に聞くね」と伝えて、とにかく早く寝る、寝かせるほうが、お互いの心身に取ってプラスです。
本気で聞く気があると伝われば大丈夫です。
睡眠不足だとご自分の様々なパフォーマンスが落ちますし、疲れたり、マイナス思考にもなりがちです。
「夜に重大なことについて話したり決めてはいけない」という格言はまさにそのとおりです。
余裕が無いとイライラしたり、過干渉になったり、攻撃的なコミュニケーションにもなりがちです。
せっかくの子どもへの思いが実らないのでは、とてももったいないのです。
また、身体へのアプローチは、今日やったらすぐに大きな変化が手に入るものばかりではなく、「待つ」ことが必要なこともあります。
親御さんに余裕がないと、その変化の途中でイライラしたり不安になることもあるので、睡眠不足には気をつけて進めましょう!
そして、子どもに睡眠の大切さを分かるように伝えたり、一緒にその環境づくりをしていくためには、親子コミュニケーションの仕方がとても大事です。
同じことを伝えようとしても、ちょっとした言い方で受け取る方はうんと違うように反応します。
せっかくの愛情が伝わるようなコミュニケーションのコツを手に入れることと、それが使えるような状態になっておくことは家族全員の幸せに大きく役立ちます
(^^)
さらに、子どもも日頃憎まれ口をきいていても、「自分のため」に親が疲れていたりするのには、罪悪感を持ちますし、そんな親を置いて自分だけ幸せにはなれないと思うものです。
気の回しあいはやめて、どちらもさっさと幸せになるためには、お母さんもしっかり眠ることが大事です 🙂
そして悩み事は信頼できる専門家に相談して下さいね。
睡眠不足の影響は? 子どもの発達のために親が知っておきたいこと:おわりに
また、子どもの睡眠不足は特に、甘く見てはいけないと思いました!
身体の乱れが心や頭のお困りにつながっていることはあまり知られていませんが、そこから整えられれば、心や頭の課題も解決しやすくなりますよ:-)
基本を大事にやってみます!
♡♡あとがき♡♡
子どもが思春期にもなると、身体も大きくなるし、一端のことも言うようになるので、つい、もう大人と同じなんだと思ってしまいがちです。
我が子を「別の人格を持った人」として扱うことはとても大事なのですが、まだ思春期のうちは身体・心・頭はまだまだ発達中だということも心に留めておくのがおすすめです。
そして大人でも子どもでも、どこに不調が出ても、チェックする順番は身体→心→頭です。
土台がしっかりするほど、成長も回復もすんなり進みます。
子どもはまだ未完成なので、良くも悪くも環境の影響をうけやすいです。
今は色々な誘惑?や環境の変化が多いので、10年前よりも気をつけるポイントも増えています。
それでも必要な情報を元に、効果的な親子コミュニケーションがあれば、どんな状態からでもその子の本来の力が育つような影響を与えられるのが家族の強みの一つです。
たくさんの事例から、子どもの回復力と成長力・発達力の素晴らしさと、それを促せるお母さん・お父さんの力を見せてもらっています
(^^)/
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