いじめの構造(2)

読書感想文はよく出る宿題ですね。
その詳細な書き方マニュアルが
学校で配布されたことが
色々話題になっているようです。

 

さて、思春期のいじめについてのお話しです。

思春期にはなぜ深刻ないじめが起こるのか?
そしてそれが大きな問題になってしまうのでしょうか

いじめを生み出してしまう構造の一つに
思春期が生理学的・心理学的に
不安定な時期なのに
それに対するケアが適切に行われていない
ということがあると私は考えています。

 

この時期には身体も大きく変化します。
変化の時期は不安定になりますよね。

そしてこの時期は
ホルモンバランスの関係から
感情も激しく上下するようになります。
先ほど笑っていたのに
あっという間に涙ぐんでいるということが起こります。

 

本人としては「理由もなく」
イライラ・不安感をどこかで感じています。

脳の成長メカニズムによって
思春期には
大人より柔軟性と成長性があるのですが
自分のことを客観的に見たり
ストレスへの耐性が低いという特性もあります。

 

そして自我の芽生えとともに
「自分」が気になり始めると
同年代の子どもと「自分」を比較し始めます。

常に周りの子どもと自分の
違いと類似性に敏感になります。

「どちらが上か」競争が
受験も絡めて激しくなりがちです。

 

自分へのプライド(理想像)と
「そうでない自分」という現実の狭間で
常に揺れ動いているので
心理学的にも不安定で
不安感をいだきやすくなります。

 

そしてその不安感を
時に自分とは異質な子や
自分には無いものを持っている子への
「自分が上である」証明のために

攻撃として表す・・ということがあります。

また、自分の不安感を
他人でなく自分に向ける子は

リスカなどの自傷行為などで
解消しようとすることもあります。

 

自分が自分や誰かに対して
どんな感情を持っているのか
それは本当は何を望んでいることから
生まれてきているのか
それを建設的に満たすにはどうしたらいいのか
など、自分の内側を知っていく
自分とのコミュニケーション力が未熟だと
自分が抱いているイライラ、不安感を
他人や自分を「攻撃する」という方法に
執着してしまいがちです。

 

今はネットやゲームなどで暴力攻撃場面や
リスカについてなどの情報が
沢山ありますので
そういうものばかり見ていると
それ以外の選択肢はないような錯覚が起きてきます。

 

ストレスを感じた時には
攻撃する・逃げる・あきらめる
という対処法の他に
「他人と繋がる」という方法があることを
大人が是非伝えたいところです。

 

イライラ・不安感を感じてもOK
それはある意味自然なことだよ。

そして、それから目をそらそうとしたり
それらを解消するための「攻撃」や
「あきらめ」という反応以外にも
方法があるんだよ。

もう少し一緒にその感情と向き合ってみよう。

 

そういうことが
安心安全な場で
信頼できる人とできるような機会を
大人が是非作っていく必要があると
私は考えています。

 

誰しも「攻撃すること」が
最終目標ではありません。

そこには自分でも気づいていない
様々な「理由」があるのです。

 

信頼できる人からのサポートで
それらができるようになってくると
やがて自分一人でも
自分とのコミュニケーションをとることが
できるようになってきます。

そして自分とのコミュニケーション力と
他人の力を上手く借りるという体験は
その子の一生の財産になっていきます。

 

追伸:
読書感想文を書く時の第一歩は
自分が何を感じたのか、が
自分でわかることです。
そしてそれを言葉にすることが
次のステップです。
それがきちんと踏めるようになってから
次が「型」のお話しです。

 

FINEコミュニケーション体験講座

 

今週のテーマのブログです
思春期といじめ
いじめの構造(1)

いじめられた子のケア
いじめの構造(3)
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