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不登校への親の対応 :回復段階別・年代別のポイント
不登校は今では珍しくなくなって、クラスに3人はいると言われています。
ただ残念ながら「実際に子どもが不登校になった時の親の対応」についての情報は圧倒的に不足しています。
その情報不足が親の不安を増大させてしまって、不登校をこじらせてしまう事例も珍しくはありません 😐
でも、なぜ不登校になるのかや、もし実際に自分の子がそうなったら、親の対応はどうしたら良いのかわからないので不安です 😐
なんとなく「責めないで休ませる」というイメージは有るのですが・・
はい、国が「不登校は問題行動ではない。休ませることが必要なケースが有る」と示したことで、以前よりも「不登校はなんとしても登校させるべき問題」「恥ずかしいこと」だと捉える風潮は少なくなってきています。
しかし一方では、では実際に子どもが不登校になったら親の対応はどうすればいいのか・・についてはしっかりした情報も指導もないままです。
「休ませることが必要なケースが有る」と言われても、子どもが休みたいと言ったらただ学校を休ませるだけでいいのか、いつまで休ませればいいのか、休ませている間はどう過ごせばいいのか・・などが全くわかりません。
実際にママ友のお子さんが不登校になんですが、学校は休ませても、その他にどう対応したら良いのか色々試行錯誤されているようです。
他にも不登校が長引いているお子さんもいらっしゃいますし・・
親の対応の仕方がわからない分、私も不登校になったら大変!と思ってしまうので不安です 😐
そうですよね。
どういう道筋をめざせばいいのかや、何を大切にすればいいかという指針がわからないと、「どう対応したらいいのかわからない」「なったら大変」「なったらどうしよう」と不安も膨らんでしまいます。
そうなると、子どもが「学校に行きたくない」といい出した途端に、親の不安も急激に膨らんでしまって、落ち着いて対応ができなくなることもあるんです 😐
不登校でも身体の不調でも、特に始めの対応がその後の展開に大きく影響します。
一人ひとりで詳しい状況は異なりますが、不登校への親の対応のポイントを知っていると、「もしかして不登校?」と思った時にも落ち着いて対応できます。
また、すでに不登校になっていても、現状をそのポイントごとに確認して、今必要な対応をとることもできます。
そうですね 🙂
では、不登校への親の対応の指針を、子どもの回復段階別と年代別に見てきましょう。
目次
不登校には親の対応がより重要になってきている
不登校の親の対応でよく言われるのは「なんとか学校に行かせようとする」と「親はひたすら子どもの言うとおりにやらせる」の2つのどちらがいいか・・という話です。
かつては「不登校は甘えなので、許してはいけない」「学校にはどんな事があっても登校させるのが親の役目」という考え方が主流だったので、子どもが不登校になったら親はなんとか登校させようとしたり、家にいる子どもを「なんで行かないの」「いつから行くの」「恥ずかしい」と責める・・ということも多くありました。
しかし、そうやって親がプレッシャーで登校させようとしても、子どもが再び元気に登校する・・ということはほとんどない。
むしろ、そうやって無理に登校させてもすぐにまた不登校状態になることが多かったり、場合によっては子どもが追い詰められてよりまずい精神状態になってしまう・・という事例が多発してました。
その結果「不登校では無理にでも登校させることが最善の策ではない。休ませることが必要な場合がある」という国からの指導方針になりました。
今では学校もとにかく登校させるようにと指導するところは少なくなりました。
進級や進路選択で登校日数や単位による制限があることはありますが、子どもが実施に登校するかどうかは各家庭に任されることがほとんどです。
そういう経緯があったことから、今度は「不登校は休ませると回復する」から「不登校はひたすら子どもの好きなようにさせるのが回復するための早道」と言われるようにもなりました。
”見守る”というのは”見て+守る”ので、「子どもにすべてを任せてただ見ている」のは違うことです。
子どもの変化を日々見ていて、今その子の生きる力が育つのにサポートが必要な時には親が対応する・・かどうかが「見守る」が「見てるだけ」との違いです。
”守る”のは、子どもの生きる力が萎れそうになったり、違う方向に向いている時などには。親が何らかのサポートをするという意味です。
ただ、この「見守る」が「ただ見ているだけ」と混同されているケースはよくあります。
ただ見ているだけを見守ると間違えてしまうと、子どもが激しく迷走したり、自分だけでは何をしたら良いのかわからないままずっと行き詰まっていたり、進路選択のチャンスをみすみす逃すのも、親はただ何もせずに見ているだけになってしまいます 😐
身体の病気からの回復や植物を育てる時と同じように、あれこれ手を加えすぎるのは好ましくないですが、子どもの状態によっては親からのサポートがないと、病気が回復しない・こじらせる・植物が枯れてしまうのと同じことが起こります。
参考:「見守る」とは?「見張る」「見てるだけ」との違いをご存知ですか?
不登校の対応がこのような「無理に行かせる」か「何もせずに待つ」の両極端になりがちになってしまうのは、「不登校は心が疲れている状態」だと捉えられることが多いからです。
もちろん「心が疲れている」ことが一番の原因であることもありますが、不登校は心だけでなく、身体・心・頭のエネルギーの不足から起きるということがあまり知られていないんです。
当カレッジで2010年から多くのお子さんとご家族をサポートしてきた実感からも、以前は親が無理に登校させたり子どもを責めることがなければ、自然に回復する子どもは一定数以上居ました。
見守っていても、親が手を出す必要があまりないケースが多くあったんです。
子どもたちの自然回復力がある程度しっかりしていたと言えます。
もちろん今でもそのようなケースもあるのですが、年々その割合はとても減ってきています。
子どもの回復力を十分に発揮させるためには、親の対応が必要なケースが急激に増えているんです。
親が子どもの様子に合わせて対応することが必要なことも多いんですね。
その対応って、具体的にはどうすることですか?
声がけとか、カウンセリングを受けることでしょうか
子どもの心と頭を整えるには、声がけやカウンセリングがもちろん有効です。
親の声がけは子どもの自己肯定感ややる気を上げたり、親との信頼関係を強くするのにも役立ちます 🙂
カウンセリングでは不適切な思い込みやものの見方をリフォームしたり、辛い過去を経験に変えることもできます。
ただ、最近は声がけや通常のカウンセリングだけ=頭や心を整えるだけでは回復が難しくなっているケースも増えています。
社会環境が大きく変わっていることから、不登校からの回復には身体への働きかけが欠かせないケースが増加しているんです。
当カレッジでは、心と頭への働きかけだけでは長い間回復しなかったケースでも、身体への働きかけを併用することで、すっと回復に転じたという実例がたくさんあります
(^^)
最近は身体のエネルギー不足が不登校の原因の一つになっているケースが増えているんです。
子どもにも学校に行けない理由がわからないのに身体が動かない、だるい、頭痛・腹痛・吐き気などの身体症状が邪魔したり、朝起きられない、夜眠れないなどから始まる不登校も多いんです。
匂いや音に敏感すぎて学校が辛い・・というのも身体のエネルギー不足の一つの現われです。
身体エネルギー不足から起きる症状
・疲れやすい、頭痛、腹痛、吐き気、夜眠れない、朝起きられない
・食欲がない、過食
・集中できない、やる気が出ない
・イライラ、落ち着かない、不安が強い
・落ち込み、怖がり
・登校しようとすると身体が動かなくなる
などなど。
心や考え方だけの問題だと思ってました!
そうなんです。
セロトニンやドーパミンなどのホルモンも身体で作り出しているものなので、それらの材料不足があれば、やる気や前向きに考える力も発揮できない状態になります。
身体のエネルギー不足は、そもそも成長期である思春期には起きやすいのですが、最近は発達の抜けや食事・睡眠の質的不足、ゲームやYoutube、スマホなどからの生活リズムの乱れが成長期に重なることで深刻化するケースが増えてます。
その身体のエネルギー不足って家で補えるんでしょうか?
はい、身体のエネルギーは薬などではなく、日々の生活の中でこそ漏れを防いで、溜めることができます。
私達は身体・心・頭がお互いに連携して影響しあって日々の生活を送っています。
どれかが乱れると、他の2つにも大きく影響しますし、その子にとって重要なところから整えると回復も早まります。
3つを整えていくことで、その子の生きる力がすくすくと回復するんです。
それはなんとなくわかる気がします 🙂
では、実際にはどうやって回復への対応を進めていけば良いんでしょう
はい、不登校には回復への段階があります。
その子が今いる段階によって、効果的な親の対応は違いますので、それを間違えないことも大事です 😉
細かく見ると一人ひとりで起きていることは違いますが、ここでは大筋の段階と親の対応のポイントをご一緒に見てきましょう!
不登校の回復段階別の親の対応のポイント
不登校には回復段階がある
不登校といっても、なり始めから少し動きだす時期など、エネルギーの不足度合いによって回復段階があります。
それぞれの段階と次に進むために必要な親の対応は異なります。
不登校ではなくても、「学校に行きたくない」「行くのが辛い」状態は「隠れ不登校」と呼ばれる状態です。
この状態のお子さんの対応はこちらのブログもご参照ください
増えている隠れ不登校:親が気づくのが大事なワケと接し方のコツ
①不登校のショック期の親の対応
不登校になった時期が「ショック期」です。
この時期の親の対応で一番大事になのは「子どもも親も今ショック状態だ」ということを受けれ入れて、親子で落ち着くことに務めることです。
不登校は特別なことではない、と常々聞いていたとしても、いざ自分の子どもが不登校になれば、それは望ましはないショックです。
そして同じように子どもにとっても「みんなと同じように学校に行けない」のは「行きたくない」気持ちがどんなに強くてもやはりもショックです。
つまり不登校が始まった時は子どもも親もショック状態だと言えます。
どちらも混乱している状態なんです。
だからこそ親の対応としては、「子どもも自分も今ショック状態」だと自覚して受け止めることが一番大事です。
ショックを受けた時には、気持ちが不安定で上滑りになったり、思考がまとまらなくなったりするので、余計なことをしたりやったりしがちです。
そうなると、親が解決を焦って今ショック状態の子どもに「行かない・行けないい理由」を執拗に聞こうとしたり、やたら”解決”しようと色々アドバイスをしてしまうこともあります。
その時に、本当は子どもを思ってのことなのに言葉の選び方を間違って「親は自分の悩みや状態よりも登校させることを優先している」と子どもに受け取られて、親子の関係性を損なってしまうことも残念ながら起きがちです 🙄
このタイミングで子どもが親は自分の味方ではないと思ってしまうと、その後の回復への対応も順調にいかなくなってしまいます。
そうなるとかなり遠回りをすることになってしまいますので、もったいないですね
(><)
学校に行けない・行きたくない理由は、分かってもわからなくても不登校からは回復します。
「不登校」という現象では、友達関係や勉強のストレスなど、エネルギー不足を決定的にした要因がある場合もない場合もありますが、「不登校という状態になる根本原因は心身のエネルギー不足」だからです。
「不登校」という状態から回復するには、
①その子のエネルギーが不足しているところを身体・心・頭の3つから見つける
②漏れを防ぐ
③ため直していく
というのがどのケースでも共通している回復への道になります。
このステップを着実に進めるためにも、まず親が自分のショックから落ち着くこと、そして子どもを落ち着かせることが第一歩になります。
親が落ち着くためには、「不登校はエネルギー不足。回復のために家でできることがある」と知っておくことがとても役立ちます。
当カレッジの関連ブログもたくさんありますので、読み返していただいたり、回復事例を見ていただくのも効果的です。
また、この時点で回復事例をたくさん持っている専門家につながるのもオススメです。
専門家ならば具体的な情報をその段階に応じてくれたり、細かな質問にも具体的に答えてくれるはずです。
一人でぐるぐる考えて不安になったり迷走するよりもずっと家族中に良い影響がありますし、最短で回復します。
複数の専門家の話を聞いて、ご自分が一番信頼できると思う人を選ぶのがオススメです。
まだそう思えなくて、イライラや不安が強くてしょうがない場合には、まだショック期です。
まずは親御さんが、ご自分が落ち着くためには何があればいいのか・・とゆっくり探ってみてくださいね
②不登校の安静期の親の対応
親が落ち着いたら、次は安静期です。
この時期は「子どもに病者の役割を与えて、子どもを安心させることと、回復への行動を取らせること」が親の対応の要になります。
不登校になったということは、「子どもに心身のエネルギー不足があるので、登校したり自分の課題に取り組めるだけのエネルギーがない」ということです。
なので、通常のエネルギー十分にある状態とは異なる「病者の役割」を与えます。
「あなたは今病人だから、元気な時には背負っている「学校に行く」という義務は免除される。
しかし病気を治すために努力するという義務を負う」
ということを、子どもに伝えて理解させることです。
親が子どもに「学校に行く」義務を果たさなくていいと明言することで、子どもは安心して休むことができます。
しかし、それだけだと「じゃあ好きなだけ夜中までゲームをして良いのか」と受け取ってしまうこともありますので、「リラックスは大事だけど、心身のエネルギーをため直せるように自ら務める」という役目も同時に伝えることが重要です。
この時期は心身のエネルギーを溜め直すために、家を居心地良くすることは大事ですが、親が子どものご機嫌をとったり他の兄弟にばかり我慢させるのでは、家族の幸せには繋がらなくなってしまいます。
不登校という状態は「病者」ですが、不登校だから家族全員の我慢の上で好き放題をしていい・・といいうことにはなりません。
むしろ「病者」だけどちゃんと家族の一員としてその子を扱うことで、その子の自己肯定感も上がります。
この時期に取り組みやすくて、とても大事なのは身体のエネルギーを上げることです。
身体のエネルギーを上げるには、睡眠と食事・生活リズムがとても大事です。
ただ、子どもの状態によっては、この安静期にはひたすら寝ていることもあります。
そのような場合には、夜定時に眠れるようであれば、しばらく好きなだけ朝は眠らせるほうが回復には効果的です。
夜の寝付きに響くようになってきたら、徐々に朝起きる時間を早めていきます。
ゲームやスマホの使用も、身体のエネルギーが溜まる生活が送れる範囲でルールを決めてもいいですし、自分でコントロールできているのならば、あえてルール化する必要もないでしょう。
食事は身体を整えるために、タンパク質などの必要な栄養素をしっかり摂ることを心がけます
また、この時期は「学校に戻れるように」と話しを進めるのではなく、「自由に動ける心身になること」をゴールにします。
やりたいことを自分で自由にやれる心身の状態になるのがゴールです。
まだこの段階では子どもが学校に行くことに強い恐怖や抵抗を持っていることもありますし、状況によっては今の学校以外の場所に行くことがよりより選択肢になることもあるからです。
子どもが頑張っても生活リズムがうまく行かないけれど、なんとかできることはやろうとしているのならば、少しずつ生活リズムを整えられるように工夫していけば大丈夫です。
難しい場合には専門家からアイデアをもらってください
子どもが生活リズムや食事・睡眠を整えようという意欲を持っていない場合には、まだ次のステップに進めません。
すでに子どもの好きなように夜ふかしやゲームを許しているような場合には、何を優先するのかを子どもに理解させるところから始めます。
進め方に悩む場合には、専門家に相談するのがおすすめです。
これまでの経緯や状況、子ども個性に合う方法がいくつも見つかるはずです。
③不登校の回復期の親の対応
安静期を経て、子どもが自分のエネルギーを溜め直そうとし始めると、回復期に入ります。
この時期の親の対応の要は「より子どもの心身のエネルギーが溜まるように関わる」ことです。
身体のエネルギーが溜まる方向に子どもが進んでいるかをチェックしながら、心や頭の状態も見てきます。
そのためには「会話」が増えていくことが大事です。
ここまでのショック期で、親が落ち着くことで親子の信頼関係を保ったままになっていて、次の安静期の対応によって子どもが安心して休みつつ回復に努めるようになると、子どもの身体のエネルギーが順調に溜まっていきます。
そうなると、徐々に子どもにも元気が出てくるので、親と会話する機会も増えてきます。
始めは自分の趣味や好きなことについてなどから会話をしたがるようになるケースもよくあります。
それを上手に聞いてもえると、不登校になった直接の引き金「友達関係や勉強のこと」がある場合には、やがてそれについても少しずつ自分から話をするようになってきたり、徐々に自分の気持ちや考えを親とやり取りするようにもなっていきます。
子どもとの会話が増えてくると、子どもの気持ちや考えていることも分かってきます。
子どもの気持ちや考えていることは、親が想像しているのとは違っていることがとても多いものです。
直ぐに「わかった!]と思い込んであれこれアドバイスをするのではなく、とにかく子どもの言葉を引き出すように関わるのがポイントです。
子どもが本当に気にしていることや困っていることが分かれば、「それがどうだったらいいか」と話を未来に広げることもできます。
そして「その欲しい未来のために、今あなたができることは?」と子どもを優しく勇気づけることもできるようになっていきます。
子どもによっては自分から大事な話を出しづらい ”待ち” の姿勢が強い子も居ます。
そんな時には親の方から、子どものエネルギー状態を見ながら、声をかけることが必要な場合もあります。
本来は、子どもにエネルギーが十分に溜まって、自分から動きが出るのを待つのがベストなのですが、思春期には進級や受験など、「時間制限」がある場合があります。
そのような場合には、子どもの状態に合わせて話を出してみて、子どもの返事が返ってこない場合には「〇〇日までに考えておいてね」と時間を与えるのがオススメです。
そして約束の日には向き合って話をして進めます。
難しい場合には、専門家に相談してくださいね
親が自分の欲しい未来を押し付けたり、無理に引っ張らずに子どもの力を引き出すための関わりができれば、バッチリです
子どもが少し元気になったようなのに、肝心の会話がなかなか進まないとか、いつまでも回復している感覚が持てない場合には、前の段階に戻って親子の信頼関係が崩れてないか、子どもが病者の役割を理解して、自分も身体のエネルギーを溜める方向に工夫しているかをチェックしてみるのがオススメです。
子どもが主導権を握って好きなように生活時間やや食事内容を決めていたり、身体のエネルギーが溜まるような工夫をしてない場合には、少し元気になっては停滞して、なかなか本格的な回復に進めないこともよくあります。
それでも、どんな状態からでも段階を踏み直すことはできますので、ご安心くださいね。
親子の関係性や生活の乱れが強い場合には、専門家にご相談ください。
状況とその子の個性に合う、役立つ情報が手に入ります
(^^)
回復期の終わり頃には次の再活動期に備えて、学校から進級・進学のために必要な情報をもらったり、サポートしてもら得る範囲を聞いておくのもオススメです。
子どものペースを尊重しながら進めていきましょう!
④不登校の再活動期の親の対応
子どもが自分から登校について話をしたり、意欲を見せることが増えてきたら、再活動期になります。
この時期の親の対応の要は「実際に子どもが行動しやすいように環境を具体的に整える」ことです。
不登校から再登校する時には
・一人で登校するのが難しい
→ 学校まで送ってもらえば登校できる
・教室に入りづらい
→ とりあえず学校まで行く練習をしたり、出席扱いになる条件を担任と相談する
・勉強の遅れが気になる
→ 具体的な回復の計画を一緒に建てる、先生や塾と相談する
・部活の指導者との関係が気になる
→ 学校を通して相談する
・苦手な子がいる
→ 子どもの要望を聞いて学校と相談する
など、いろいろな課題が出てくるのがある意味自然です。
ただ、ここまでに子どもにそれなりにエネルギーが溜まっていれば、親が少しサポートするだけで、環境や条件が変わって行きやすくなっています。
子どものニーズに合わせてサポートしていきましょう。
この時期に「子どもが自分でやるように、親が手を出さない方が良いのか悩みます」というご相談もいただきます。
確かに、親が先回りし過ぎてしまって、子どもの生きる力や自己肯定感も育たなくなってしまうのでは、もったいないですね。
ポイントは子どもの希望を聞きながら進めることと、子どもが自分で少し頑張れる部分があるところまでのサポートにすることです。
時には子どもが自分の言葉で「こういう手伝いをして欲しい」と言えるようになるのを待つことも大事です 🙂
不登校の再活動期は、子どもが安定的に段階を踏んで、自由に学校で活動できるようになったら卒業です。
それでも毎日安定的に登校するようになっても、実際にテスト前に勉強の遅れが気になるなどの課題も出てくることがあります。
そのような時にも焦らずに、半年~1年は子どもにサポートが必要かどうかをチェックしながら見守っていきましょう。
不登校から回復していく時には、焦らずに一つ一つ対応していくのがおすすめです。
身体の病気や怪我からの回復と同じで、甘やかしすぎずに適度なリハビリをしっかり重ねていくことで、前よりも丈夫な状態になります。
せっかく不登校になったのならば、子どもが自分の身体や心のエネルギーを溜める方法を覚えたり、自分の本当に進みたい未来を見つけるチャンスにしちゃいましょう
(^^)
子どもの年代別の不登校への親の対応のポイント
思春期は10歳くらいから始まりますが、その年代別に不登校への親の対応にも違いがあります。
次は子どもの年代別の不登校への親の対応のポイントを見てみましょう
①小学生の不登校への親の対応
小学生の不登校の場合には、子どもが自分の気持や感覚をうまく言葉で表現できないこともよくあります。
また、発達の抜けや感覚過敏などで「なんとなく学校が嫌」というケースも多いので、身体のエネルギーを満タンにするところから始めるのがおすすめです。
子どもにはあれこれ難しい事を言いすぎずに、シンプルに「親は味方であるという安心感」と「一緒にエネルギーを溜めていこう」ときっぱりと伝えるのがおすすめです。
小学生にとってはまだ家族が安心の一番の源です。
親の雰囲気や感情を敏感に読み取って反応しますので、親自身がどっしりと落ち着いていられるように、専門家とつながるなどして心の錨をおろせる場所を見つけたり、時には自分だけの時間を取れるように周りにも協力してもらうのがおすすめです。
子どもは小さいほど、必要なサポートで、びっくりするほど素早く回復します。
回復したあとはケロッとするので、半年後には親が「あの状態は何だったのかしら」とキョトンとしちゃう・・なんてことも多いです
(^o^)/
参考:小学生の不登校:知っておきたい学年別の原因と必要な対応、NGな対応
②中学生の不登校への親の対応
中学生は、身体も急激な成長期ですし、子どもの環境も大きく変わって勉強が難しくなったり、部活で活動量が増えたり、競争や評価にさらされることも急に増えます。
中学生は心身のエネルギーを失いがちな時期でもあります。
つい親は自分の中学生の頃と同じようなイメージで、子どもを見てしまうので「(自分は大丈夫だったのに)なんでこの子は学校に行けないんだろう」と納得がいかない・・という親御さんも結構いらっしゃいます。
そうなると、残念ながらそこから親子の関係性がこじれてしまって、親子でショック期から抜け出せずにいるというケースも多いです。
イマドキでは子どもの学校での環境も色々違いますし、友達関係もSNSなどでの付き合い方が特殊です。
社会環境の変化で、子どもの受けるストレスの量も増えていますし、逆に子どもの身体のストレス耐性は低下傾向でもあります。
親が自分と子どもを同一視したり、他の子どもと比べないことがとても大事です。
また、子どもの個性もはっきりしてくる時期ですし、子どもが自立しようと反抗的な態度を取ることもあります。
そんな時には、一昔前のように、上から目線で親の理想を押し付けるのでは、うまく行かないことも多いです。
中学生はまだまだ大人からすれば未熟なところばかり目に付きますが、「頑張っている一個人として扱う」ことを心がけるのも大事なポイントです。
本人の意見を聞いて、やらせてみて、その結果を自分で背負わせる。
不登校という体験を通しても、親に勇気づけてもらいながらそんな経験ができると、子どもは大人が思っている以上に成長します。
(^^)/
また、具体的なよくある課題としては、出席日数があります。
実際は、中学生までは出席日数不足で進級できないということは殆どありません
(私学だと成績不足で留年というケースもまれ~にありますが)
重要なのはその先の内部進学や受験に向けての条件なので、それは漠然とした話で済ませずに、具体的に数字で把握するのがおすすめです。
また、担任の先生からだけでなく、時には学年主任などの他の先生からも情報をもらうと、情報が立体的に把握できるようになります。
③高校生の不登校の親の対応
高校生になると、義務教育ではない分、不登校への対応も学校ごとにかなり違います。
在校するために必要な出席日数や成績の条件も異なりますし、内部進学や推薦がある場合には、さらに条件が学校ごとに違います。
希望の進路がある場合でも特にない場合でも、早めに具体的な数字ベースで学校から情報をもらっておくのが望ましいです。
学校からの連絡を待っていると、いきなり「もうこの数字では・・」とギリギリになってから切り出されてしまうこともあるので気をつけたいところです。
一方、子どもの方のショックが強かったり、登校への不安や拒否感が強い場合には、「高等学校卒業程度認定試験」を受けて大学に行くからと、今の高校をとにかくやめたがる・・ということもあったりします 🙄
もちろん、その試験で大学に進むという選択肢だって悪くはないのですが、色んな可能性をしっかり検討した上で選択するのがおすすめです。
また、この時期は大人びて見えるので、親は「考えが決まったら教えて」などと、子どもが自分で回復段階を見極めて進めるかのように接してしまうことがあります。
しかし、高校生でも、不登校になったら自分でもショックですし、自分に何が起きているのきゃ、どう回復していったらいいのかはわからないのがまだまだ自然です。
やっぱり親が回復段階を見極めて、必要な段階を踏むのをリードしていくのがおおすすめです。
ただ、高校生では、具体的な進路などについては親以外の第三者に話しを聞いてもらったり、選択肢や情報を一緒にまとめてもらったりする方が、子どもの本音を引き出しやすかったり、理解が進むこともよくあります。
中学時代よりも将来の選択に影響が大きな時期ですので、その際に話す相手の第三者がしっかりした人であることが重要です。
年が近い大学生などから色んな話しを聞くのは、受け取りやすい刺激になりますが、その場合には一人の人だけからではなく、バリエーションをつけて複数の人から話を聞くのがおすすめです。
選択肢や考え方は多様だと知った上で選ぶことが重要です。
参考:高校生の不登校:全日制と通信制、それぞれでの必要な対応、NGな対応
不登校の親の対応:まとめ
不登校の回復過程には段階があることや、何をポイントに進めるのかが分かってよかったです 🙂
不登校への対応では、親が方針をぶらさずにどっしりしている・・というのがとても重要です。
子どもは不安定な時ほど、最後の砦?である親の言動を気にしますから 🙂
でも、方針が分かっていても、時には親だって心細くなったりすることもありますよね。
そんな時にはぜひ、ご自分の心を安定させる時間をとったり、信頼できる人とつながってくださいね
ひとりひとり違う子育てには、わからないことがあってアタリマエです!
みんなで知恵を出し合って行きましょう!
❤❤あとがき❤❤
不登校の時には、子どものケアも大事ですが、同じように親のケアもとても大事です。
親は子どものためにはうんと無理して頑張ってしまえることもありますが、「無理」には「我慢」「気持ちを押し殺す」などがもれなくついきます。
それに親が無理して我慢している姿は、他の兄弟にもいい影響は与えません。
「無理」「我慢」は全くオススメではありません。
不登校になった子どもだけでなく、兄弟姉妹や親も含めて、みんなの笑顔が増える方向に進んでいきましょう。
子どもの不登校からの回復には、エネルギーの欠乏状態によっては数ヶ月かかることもありますし、すでに長期に渡って状態がこじれている場合にも、軌道修正までに時間と手間がかなりかかることもあります。
それでも子どもは回復基調に一度しっかり乗ると、そこからの回復は早いので、そこまで行けば親も随分楽になります。
特に今回お伝えした「ショックからの抜け出し」と「病者の役割の設定」がうまくいくと、あとはすっと行くことが多いです。
今がどんな状態でも、いつからでも舵を切り直せるのが家族ならではの特権です。
いつからでも「進みたい方向」を決め直したら、軽やかに舵を切っていきましょう!
(^o^)/
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