たった1年で、ずっと求めら続けるコーチになる!「思春期コーチ™養成講座」も募集中です!
中学生の不登校:学年別の状況と必要な対応、NGな対応
不登校は中学生が一番多くなる時期です。
小学校からの継続しての不登校も増えていますが、中学生から始まる不登校もさらに年々増加しています。
でも、その理由を踏まえて必要な対策をとれば、元気な状態にちゃんと復帰できるのでご安心くださいね。
理由を聞いてもはっきりわからなくて・・
不登校になった理由は子どもに聞いてもはっきりしないこともよくあります。
中学生の場合には、いくつかの要因が重なって不登校になることがほとんどです。
特定の「きっかけ」で不登校が始まることもありますが、特に「きっかけ」もなく学校に行けなくなることも少なくはありません。
そんな時には子どもに「理由」や「何を考えているのか」「どうするつもりなのか」を聞き続けることが、特に中学生では、不登校をこじらせて長期化させる要因になってしまうこともあるのでご注意です。
原因がはっきりわからないと解決しようがないんだと思ってました 😯
まだまだ不登校については、効果的な親の対応の仕方も具体的に広くられていないので、残念ながらせっかく親が「良かれ」との思いからやっていることが、逆効果になっている事例も多く見られます 😐
では、ご一緒に、中学生の不登校の状況と親の効果的な対応とNGな対応について見ていきましょう!
せっかくの元気になってほしいという気持ちがちゃんと伝わって、子どもにも良い結果につながってもらいたいですもんね
(^^)
また、中学は3年間で、次の高校進学(受験や内部進学)の準備をするという特別な時期でもあります。
それは不登校の中学生にはとても気になるポイントです。
学年による対応も知っておくと安心ですね。
目次
中学生の不登校の現状
始めに、中学生の不登校の現状について見ていきましょう!
文部科学省の不登校の定義は「病気や経済的な理由による場合を除いた年間30日以上の欠席者」となっています。
その定義で「令和2年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果 (PDF:4,994KB) ]では、以下のように発表されています。
中学生の不登校者数 132,777人
全小学生での不登校者の割合 4.1%
こちらは平成3年度からの推移です
(クリックすると拡大します)
そして最近は増え方が激しいですね!
はい、10年前から50%増、3年前からは26%増になっています 😐
しかも、この数字は先程の定義によるものなので、出席にカウントされるカウンセラー室・保健室登校や外部の居場所やオンラインを活用しているなどで、年間30日以内に欠席数は抑えられているけれど、遅刻や早退などが多くて、通常パターンでクラスには登校できてない子は含まれていません。
このような「不登校」や「それに準じるお悩み」を抱えていらっしゃる子を含めると、もっと大きな数字だと考えられます。
実際、2010年から当カレッジに寄せられるご相談も、中学生の不登校についてはとても増えていますし、長期化・複雑化している事例も多くなっています。
確かに周りでも不登校は珍しくなくなっています。
回復についてはどうなっていますか?
先程の定義内だけでも、前年度も不登校だった子は、中学1年生で10,909人、2年生で 27,376人、3年生で 34,014人です。
前年度も不登校だった子が、各学年での不登校数に占める割合は、中学1年生で30.3%、2年生で 56.2%、3年生で 70.8%となっています。
ただ時間が立てば回復するわけでもないんですね 😐
はい、当カレッジでも2010年頃には、まだしばらく家で休んでいれば自然に回復するケースが一定数以上いました。
ところがそれだけでは回復が難しく、ただ家で好きなようにさせているだけでは回復に至らないケースがどんどん増えているのは当カレッジでも実感としてあります。
社会環境の変化によって、子どもにかかるストレスが増加していることと、子ども自身のストレス耐性が低下しているという2つの要因があると、当カレッジでは考えています。
それで子どもが心身のエネルギー切れになりやすく、不登校にまでなってしまう子が増えているんです。
回復にも、ただ家に居て好きなように過ごすだけでなく、より積極的に子どものストレス耐性を上げたり、ストレスを減らすことが必要なケースが増えてます。
はい、良くも悪くも社会の変化が早くて大きいので、そんな状況になってます。
ではそのあたりも含めて、より積極的な親の対応が必要なポイントをもう少し詳しく知りたいです
はい、中学生ではどうしても次の高校進学が大きな課題になります。
1年生~3年生の各学年では、高校進学に向けての時間と準備が異なります。
次は中学生の各学年ごとの不登校の状況と親の対応のコツについて見ていきましょう!
中学1年生の不登校
中学1年生の不登校の状況と対策
小学生からの不登校の継続で中学1年生でも不登校であるケースは30%ですが、中学1年生から不登校になった中1生は70%です。
中学1年で不登校になる子がとても多いことが分かります。
最近の中学1年生の不登校の理由には大きく2つの要因があります
中学校と小学校では、かなり大きく環境が変わります。
それを「中1ギャップ」と呼びますが、子どもにとっては多方面での環境の変化は、それが子どもにとって嬉しいことであっても一種のストレスになります。
イマドキでは、中1ギャップからのストレスが、以前よりも大きくなっています。
①勉強の変化
科目毎の教師になり、各教科の授業の進みも早く、大量になります。
イマドキは宿題もかなり多いです。
また、定期テストは小学校時代とは違って、勉強の計画が必要になります。
その時々の勉強の理解は得意でも、計画的に勉強することが苦手な子はここで点が取れなくなります。
最近は「計画を建てるのが苦手」な子が増えています。
そうなると成績低下でその結果、「自分は勉強ができない」「勉強が嫌い」となってしまい、意欲や自己肯定感の低下につながります。
それが不登校の要因の一つや「きっかけ」になっていることはよくあります。
また、情報処理に特徴のある子(例えば耳からの情報はよく受け取れるが、眼からの情報は受け取りにくい。またはその逆など)は、中学生になって勉強の量や難易度が上がると、小学生までのやり方ではうまく行かないことがあります。
そのような場合は、本人が自分で「自分にはこういう特徴があるから、こんなサポートがほしい」などと言えることは殆どないものです。
何かおかしい、と思ったら、その子の特徴を早めに見つけて、しっかり必要なサポートをするのがおすすめです。
本来の学習能力は高いのに、そんな特徴があるために「自分は勉強ができない」と思い込んだり、自己肯定感が下がるのはもったいないです。
親はつい、自分の中学時代のイメージや、自分の情報処理の仕方を我が子には「同じでしょ」とそのまま当てはめてしまいがちです。
でも以前よりも、中学生の学校や塾から要求される勉強量や宿題の量はかなり多くなっています。
そしてテスト対策も複雑になっています。
そして個体として情報処理の特徴も一人ひとり違います。
親は簡単に『それくらい』とか『みんなやっている』と片付けてしまわずに、子どもが元気のない様子に気づいたら、早めに苦手を具体的にサポートするのがおすすめです。
とにかくコツコツ丁寧なので、全体を見てない感じです。
取り組みは、早ければ早いほどよいでしょう
②部活
案外部活からのストレスが不登校の引き金になる子は多いです。
楽しみにしていた部活でも、活動量が多すぎる、部内の雰囲気が威圧的、指導者の言動が一方的すぎる、不合理な先輩ルールがある、メンバー間のレギュラー争い。。。
そのスポーツや楽器の演奏など、部活でやること自体が好きであるほど、環境ストレスとの葛藤が辛くなってしまいます。
やはり子どもの元気がない、笑顔が減ったと気づいたら、早めに声をかけるのがおすすめです。
参考:『部活がつらい』と言われたときに、親が気をつけたいこと
③評価される
中学生になると、成績や部活のパフォーマンスで評価付けられて、同級生と比べられることが一気に増えます。
容姿や異性にモテるか、人気度も気になります。
また、勉強でも部活でも常に成長することを求められます。
もちろん、子どもにも成長したい意欲があるのが中学生ですが、ちょっとした自分なりの成長を認められたり、一緒に喜ばれる機会も同時にないと辛くなってしまうので、これは家庭で注意したいポイントです。
④友達関係
6年間の小学生時代とは別のメンバーとの新しい友達関係を新しい環境で作るのは、楽しめる子もいれば、ストレスになる子もいます。
また、学生は友達関係が「チャムグループ」と呼ばれる段階です。
「自分たちは同じ」という思いを強めることでグループのつながりを作ろうとします。
でも、どんな人でも全く「同じ」はいないので、近づけば近づくほど違いに気づくようになって、そこから人付き合いの基本「人はみな違いがある。その違いを認めあう」を学んでいく・・という段階です。
その学びの途中では、子ども同士で距離感のとり方で試行錯誤することも多いので、時には大きく傷ついてしまうことも起きがちです。
特にイマドキではSNSやゲームがあるので、家に居ても友達関係から距離を置けないのもストレスになることがあります。
マイペースな子にはしんどいですね。
参考:仲良しグループがしんどい!思春期の友達関係と親のできること
子どもが悩んでいるような時には、子どもが人間関係の学びを経て成長できるようにサポートしてあげられるといいですね
⑤支えがない感
中学生になると担任が全教科を受け持つのではないので、学校でのちょっとしたことを誰に相談したら良いのかと子どもは頼りなく感じます。
また、学校からも「自主性」を強調されることも多いので、なかなか小学生の頃のようにシンプルに教師に相談することも難しくなります。
家でも親から「もう中学生になったから」と、急に距離を離されることもあったりします。
そうなると子どもも「少し大人な自分」を意識する分、ちょっとした悩みや弱音を言い出しにくくなることもあります。
中学生になったら、親は子どもと意識して距離を取ることも大事ですが、一方では子どもに「見てるよサイン」を勇気づけで送り続けることもとても大事です。
日頃からちょっとした頑張りや成長にさらっと声をかけておくと、何かあった時に子どもも声をかけやすくなります。
⑥休める時間が足りない
中学生になって、通学時間が増えたり、学校での授業時間も長く、部活や塾や習い事で、一日がいっぱいいっぱいになる子も多いです。
マイペースな子、のんびりする時間が必要な子にはしんどいです。
また、思春期の子は自分の身体の調子に気づきにくい傾向もありますので、ある日体力・気力が尽きてしまうこともあります。
中1ギャップについて詳しくはこちらもご参照下さい
中1ギャップへの対策:「これから」と「すでに」で親のできること
もちろん、以前から中1ギャップはありましたが、今は勉強や友達関係などのハードさが親世代の頃よりもはるかに強くなっています。
一方子どものストレス耐性も以前より落ちています。
親は「自分のころは・・」とか「他の〇〇さんは・・」と比べずに、その子自身をよく見るのがポイントです。
いくつかのストレス要因が重なると、全体量としては大きくなります。
一つ一つ「これくらい」と軽んぜずに全体を見ていきましょう
次の「イマドキの思春期のストレス耐性の低下」も参考にしてくださいね
イマドキでは、思春期の子どもたちのストレス耐性が低下しています。
そう言うと皆さん驚かれるのですが、主な要因は「身体のエネルギー不足」と「身体のストレス耐性の低下」です。
私達の身体を動かすエネルギー(生命活動や歩くなどの行動全部に使われるエネルギー)は全部、私達が口から食べたものから体内で作っています。
そのエネルギーの材料をとれていないと、たとえお腹が一杯になっていても、活動量に見合うエネルギーが作れなくなります。
中学生1年生は環境の変化に対応したり、思春期の成長期の変化に対応するために大量のエネルギーが必要な時期です。
そのエネルギーが不足すると、「なんだかだるい」「やる気が出ない」と無気力になったり、頭痛や腹痛になったり、朝起きれなくなったり、あるいはある日突然動けなくなることがあるんです。
また、同時に小さい頃からなんとなくあった感覚過敏(匂いや音などに敏感。人混みが苦手など)やこだわりの強さがお困りとして表出しやすいこともあります。
今は手軽で安価な食べ物が増えましたが、それが子どもの身体に必要な材料で十分かどうかは別の話です。
時にはそれらを活用しながらも、必要な材料は量と種類をしっかり取るのがおすすめです。
そしてもう一つ、私達の身体は日々新陳代謝で新しい細胞を作っては入れ替えていますが、思春期には成長期なので、特に大量に身体の材料が必要になります。
身体を作る材料が不足しがちだと、リサイクルして無理に身体を作るので、その無理がたまると体調不良ややる気が出なくなり、無気力になったりします。
やる気ホルモンや心を安定させるホルモンも、同じように自分の身体で作っているので、なんだかイライラしやすい、落ち込みやすい、やたらと不安が強くなることもあるんです。
そうですよね。
通常は「バランス良く食べましょう!」と言われますが、思春期には特に必要な材料があります。
実際に当カレッジでは、身体のエネルギーとストレス耐性を上げて、イキイキと見違えるようになった事例、不登校前よりも元気でハツラツになった事例が今まで100名以上あります。
詳しくは講座や個人セッションで詳しくお伝えしていますので、ピンときた方はそちらもチェックしてみて下さい。
食べるものでイライラややる気のなさが変わるなんてびっくりです
そうなんです。
実際に、文部科学省からこのようなデータが出ています。
「令和2年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果 」 の不登校の要因トップ3
1位 無気力・不安
2位 いじめを除く友達関係
3位 生活リズムの乱れ・遊び・非行
朝起きられない、夜ふかしも3に入りますので、1位と3位は身体から来ているものだとわかりますね。
子どもは自分の身体やホルモンについてはわかりませんので、自分がやる気が出ない状態だとはわかっても「それがなぜそうなっているのか」という問いには答えられません。
でも親は「不登校の原因はメンタルや考え方にある」と思い込んでいると、ずっと子どもに「なぜ行けないのか」とか「いつになったら行くのか」「この先どうするつもりなのか」と聞き続けてしまうことも起こります。
親の方も悪気はまったくなく将来を心配してのことなんですが、それでは子どもは自分でも「なぜ」も「いつ」もわからないのに追い詰められるように感じてしまいます。
そんなことの繰り返しから、せっかくの親子の信頼関係が損なわれるのが一番残念です
(T_T)
朝起きられないのが食べるもので改善するなんて聞き慣れないかもしれませんが、実際の改善事例も女子にも男子にも当カレッジにはたくさんあります。
残念なのは「無気力・不安」や「生活リズムの乱れ」を本人のやる気や意思、またはスマホやゲームこそがたった一つの原因だと思いこんでしまうことです。
子どもの身体からくるストレス耐性に目を向けるのがおすすめです!
子どもが食べるものは、家庭でこそ整えられます。
神経質になる必要はないですが、とても大事なポイントです
他にも、思春期には一時期、自分の思いや気持ちが複雑になる一方で、それを言葉にして表現する力が低下する時期でもあります。
これは発達段階の一つのステップで、特に男子に多いですが、口達者ではない女子にも起こります。
そうなると自分の中でぐるぐるいろんな感情がうずまき続けたり、または「〇〇のせいだ」「自分が悪い」などとぐるぐる思考にハマってしまうこともあります。
無口な子ほど要注意!
これもかなりストレスフルな状態なので、自分のストレス耐性も下がります 😐
このようなパターンに嵌っている時には、周りの大人が「思春期の発達特徴」について知るところからが第一歩です
そうすれば、慌てずに子どもの話をしっかり「聞く」ことでサポートしたり、引き出すコミュニケーションなど、とても有効なサポートができます
(^^)
このように、本人も自分の意志ではどうしようもない、思春期特有の身体の不調や心の不安定さがベースになって、思春期のストレス耐性が低下していることは実はよくあります。
そしてその傾向は年々強くなっています。
本人のストレス耐性が低下していると、耐えられるストレスの総和量も下がります。
私達も疲れているときやイライラしている時に、難しい課題に取り組むのはなかなかしんどいですよね。
それでも、ご安心くださいね。
すでに身体のエネルギー不足や耐性がかなり落ちている時でも、適切なサポートで、数年来の不登校ややる気の無さも改善していきます。
身体は1日2日で別人のようにはなりませんが、必要なサポートと時間で本来の生きる力が発揮できるようになります。
不登校の決定的な要因を見つけようと、いつまでも子どもに「なぜ不登校なのか」などと、聞くのは百害あって一利なしです。
子どもにも答えきれないので、それがまたストレスの重なりになってしまいます 😯
まずはストレスの総和と子どものストレス耐性の両方をチェックしてみるのがおすすめです。
特に中学1年生は、中1ギャップによるストレスの総和と思春期の成長期ゆえのストレス耐性の低下の両方が一気にくる時期です。
身長が伸びたり、生理が始まった頃から、なんだか元気がなくなった。。そんなことがあったら、ぜひ子どものストレス耐性にも目を向けてみるのがおすすめです。
中学1年生の不登校と高校進学
中学1年生の不登校で、高校進学に向けての対応のポイントは2つです。
①できるだけ早く専門家につながって、完全回復(ストレスの総和を下げ、ストレス耐性を上げる)に具体的に着手する
①中学1年で不登校や不調に気づいた場合は、とにかく早くに専門家につながって、完全回復を目指すのがおすすめです。
登校させることばかりに目を向けて無理に刺激を与えたり、または「まだ1年生だから様子見で。。」としているうちに、こじらせてしまうのが一番もったいないです。
ストレスの総和を減らしたり、ストレス耐性をある程度までは上げておかないと、せっかく登校を始めてもまたエネルギー不足になってしまったり、別のストレスが掛かった時に再度不登校になる可能性もあるので気をつけたいところです。
「好きなようにさせておけばそのうち回復する」という対応では、長期化するリスクがあります。
(長期化が増えているのは先程の文部科学省のデータのとおりです)
中学1年生の不登校で、高校受験や内部の高校進学に影響するのは
・勉強の遅れ
・欠席日数の増加
・本人のやる気や自己肯定感の低下です。
さらに不登校の長期化には、親子関係の悪化や後々の勉強を取り戻すための投資の増加や通院や薬の費用と時間や学校とのやり取りの時間や手間の継続、進学先の選択肢が少なくなる、転校などの大きなリスクも発生します。
どれも要らないものですね。
すでに不登校がこじれてしまっていたり、実は身体のエネルギー不足がだいぶ前からあったような場合には、回復まである程度の時間が必要なこともあります。
できるだけ早くに専門家と相談を始めて、回復の状態に合わせて対応を変えていくのがおすすめです。
(回復の段階に合わせて対応を変えるのは、病気や怪我からの復帰で状態に合わせてリハビリを変えるのと同じです)
殆どの場合には、勉強の遅れや欠席日数によって今の中学を卒業できなくなることはありません。
ただ、一部の私立中学の場合には欠席日数や成績低下によって、他校への転校を勧められることがあります。
そのような場合でも、「勧められたから」とか「今は普通に登校できないから」と、簡単に転校してしまうのはおすすめできません。
子どもは、今は学校に行きたくなくても転校を嫌がることもありますし、必要なサポートしていけば状態は変わっていきます。
当カレッジでも、かなり難しかったケースでも半年や1年前とは別人のようになることはよくあります。
もちろん学校を変えることがその子の数ヶ月、数年後の両方に良い影響を生み出すなら、転校もありです。
専門家と回復プランを建てるのがおすすめです。
また、「不登校になったから、定期テストを受けられなかったから、もう希望していた高校には行けない」と安易に決めつけることも必要ありません。
今は高校受験も色々なスタイルがありますし、不登校経験があっても問われずに、3年時の受験結果だけで決まることもあります。
公立高校でも内申がほとんど影響しない都道府県もありますので、一度詳しく調べておくと良いでしょう。
出席日数の確保は、中学生なら一日のどこかで学校の先生にお会いできたら出席扱いになるところがほとんどです。
またフリースクールや家庭教師やオンラインの授業が「出席」として認められる場合も多々ありますので、それらを活用するのも一つのアイデアです。
勉強も継続できていると、復帰の時に楽になります。
学校や専門家から詳しく情報を集めましょう。
塾や家庭教師などなら受けられる子は、続けるのがおすすめです。
内部進学の場合には、学校によって出席日数や成績による規定がある場合があります。
先生によっては厳し目の条件を言ってくる方もいらっしゃいますので、学年主任など複数人から確認しておくとより確実なことがわかります。
実際は、不登校でも出席日数が徐々に増えていくなどして「回復が見込まれる」と中学3年の秋ころまでに判断されれば、救済措置も適応されることが多いです。
専門家と作戦会議をしながら、担任やスクールカウンセラーなどと協力関係を作っていきましょう
(^^)
中学2年生の不登校
中学2年生の不登校の状況と対策
不登校は中学2年生から始まる子が最も多いと言われています。
1年生のところでご紹介した、中1ギャップによるストレスの総和の増大と、思春期のストレス耐性の低下が1年生からあったのに、なんとか頑張って2年生までやってきた子が、2年になってついに力尽きる・・というパターンがとても多いです。
中学2年生から不登校になるきっかけとしては、
*新しいクラスに馴染めない
*友達関係のこじれ
*部活での活動量が増大したり、ポジション争いに巻き込まれたり
というパターンが多いです。
その他に多いのは、部活の指導者が変わって威圧的になったり、以前からの威圧的な部活の指導者の態度についに耐えられなくなった。。というパターンです。
その他には、特に理由が見つからないのに朝起きられなくなった・・というのもあります。
これは子どものストレス耐性の低下がいつの間にか起きていたパターンです。
不登校が始まるタイミングは5月の連休明け以降と、夏休み明けの2学期で、コロナの時にはコロナ休み明けというのもかなりありました。
なんとか頑張ってきた子は長期休みでホッとできるのですが、ただ家にいるだけでは回復しないくらいのエネルギー不足になっていると、休み明けにまた頑張るのがとても辛くなってしまいます。
「休んでいて怠け癖がついた」と考える大人も居ますが、実はその前にストレス耐性が下がっていて、エネルギー不足状態になっていたというケースがほとんどです。
対応としては、やはり1年生の場合と同様に、ストレスの総和を減らし、エネルギーを補給してス耐性を上げることです。
不登校を「絶対になってはいけないこと」「甘え」「全部メンタルのせい」などと捉えずに、本当に必要な対応を着実にしていけば、必ず回復します。
中学2年生の不登校と高校進学
中学2年生になってくると、高校進学も気になってきます。
不登校だと学校からもやんわり話題にされることもあります。
しかし、対応で大事なのはこの2つです。
①できるだけ早く専門家につながって、完全回復(ストレスの総和を下げ、ストレス耐性を上げる)に具体的に着手する
②”今の状態”で高校受験を決めつけない
1年生の頃よりも更に早くに専門家につながることをおすすめします。
不登校になったのは最近でも、チェックしてみたらストレス耐性が低かったのは実は幼児の頃からだった・・なんてケースも少なくはないので、そのような場合には完全回復まで少し時間が必要だからです。
専門家と回復への見通しを立てながら、欠席日数と勉強の遅れを減らす工夫をしていきます。
志望校がいくつかある場合には、それぞれの出願条件などを調べておくのがおすすめです。
もし出席日数が問われないならば、親も子も余裕を持って回復に専念できますね 🙂
親が情報不足で「もし、こうなったらどうしよう!」と不安定になるのが一番避けたいところです。
不登校はストレス過多とストレス耐性の低下によるエネルギー切れなので、しっかり落ち着いてその子に必要なことをしていけば回復します。
まず親がどっしりしていることはとても大事です。
不安に負けないためにも、具体的な情報と現実的な作戦を、専門家や学校と協力して立てることが一番確実な早道です。
中学3年生の不登校
中学3年生の不登校の状況と対策
中学2年生からの不登校の子がとても多いですが、中3から始まる不登校もあります。
中3から始まる不登校でも、ストレス耐性はその前から低下していたはずですが、直接のきっかけとしては、部活と受験へのストレスが多いです。
部活では責任ある立場からや、結果を出すことを求められることからのストレスが多く、受験ストレスは志望校に手がどどかないかも知れない、勉強しても成績が伸びないなどの不安ストレスがあります。
これらはある意味時間との勝負というところもありますので、早めの対応が必要になります。
そして不登校でつい親が期待してしまうのは、子どもが時々登校できる日が続いたりするパターンです。
親としては『今度は登校が続くんじゃないか』と期待してしまうので、そのまま様子を見よう・・と繰り返していくうちに、3年生になってしまった、受験が迫ってしまったとなりがちです。
エネルギーが枯渇していて、ストレス耐性が下がっている子どもの回復には、状態によっては少し時間も必要です。
でも、受験まで時間がない!となると、人は焦って不安になりがちです。
子どもも親も不安になれば、お互いにいい影響を与え合うことが難しくなってしまいます。
とにかく中学3年生になれば、不登校の兆しが見えたら、すぐに専門家に繋がるのがおすすめです。
しっかりサポートしてくれる専門家ならば、不登校という状態から早く回復するのをサポートしてくれるだけでなく、その子のストレス耐性を上げたり、特性を長所に変えるようなサポートもしてくれるはずです。
それらは、長期的に人生の質をかなり上げることになります。
ストレスの総和を減らし、エネルギーを補給してス耐性を上げることに、できるだけ早く具体的に取り掛かりましょう
中学3年生の不登校と高校進学
中学3年生の不登校の場合には、時間との勝負という側面が強くなります。
できるだけ早く専門家とつながって、子どもの回復へのサポートをしながら、受験に向けても具体的に動いていきましょう。
志望校と、受験可能性のある高校についての受験情報も、できるだけ早く具体的に正確に集めるのがおすすめです。
焦ってくると誰でも、「きっとこうだろう」「こうだったら嫌だな」と自分が想像したことや、ママ友から聞いた「こうかもしれない」「こんな事があったらしい」という話がうまく整理できなくなってしまうこともあります。
受験情報については、中学の先生か直接該当高校からもらうのが大事です。
不登校の子どもに「自分のことだから自分で調べなさい」と言いっぱなしでは、なかなか調べないことも多いです。
子どもも不安と恐怖で一人では向き合えないこともあるものです。
親か信頼できる人と一緒にHPを見るチャンスを少しずつでも作るのもおすすめです。
中3になると、その時の子どもの状態と、そこから見通せる回復の進度は、受験までどれくらい日数があるかで大きく違ってきます。
その前の不登校だった期間や勉強ができなかった期間の長さも考慮しながら、復帰と受験計画を立てていきます。
イマドキは公立高校でも不登校を気にしない(内申書をほとんど考慮しない)学校もありますし、逆に不登校枠があって学科試験ではなく面接などで受け入れる学校もあります。
私立で偏差値高い学校でもそのような枠があるところもありますので、中学校の先生から情報集めをしっかり細かく、具体的にすることはとても大事です。
さらに、期日と状況によっては、今は全日制や公立普通高にこだわらずに、選択肢をより広げてみるのもおすすめです。
例えば通信制でもイマドキでは、かなり特色のある学校も見つかります。
部活を充実させている学校もあれば、語学に力を入れて留学制度があり、高卒認定をとりながら語学という一芸を身につけることで、有名大学への推薦を得られるところもあります。
入学時の偏差値が低くても、その先が拓けているかどうかは大事なチェックポイントです。
他の専門職への知識を身につけられるところや、回復次第でコースをこまめに変えられる学校もあれば、寮生活のところもあります。
「通信」と名乗っているならみな似たような感じでしょ・・と決めてつけないで、広い範囲で探してみるのもおすすめです。
無理して「全日制」にこだわっていやいや通うよりも、「完全回復したあとの進路」も考慮に入れて、最適な作戦を立てましょう!
中間一貫校で内部進学ができるかどうかという課題がある場合には、できるだけ早くに内部進学の条件を具体的に確認しましょう。
担当の先生は厳し目に言うことがありますので、一度聞いたことを「絶対」だと決めつけてしまわずに、何度か状況に合わせて確認するのがおすすめです。
また、子どもの回復情報を担任の先生ともこまめに共有しておくのも役立ちます。
基本的には、子どもに回復傾向が2学期の中旬までにしっかりと見られれば、殆どの子が内部進学する学校では「それでも外にどうぞ」と言われることは少ないです。
それでも子どもの回復が間に合わないようだったり、子どもにとって他の環境のほうがいい場合もあります。
そのような場合には、長い目で見て、その子にとって最適な環境を探すことも大事です。
この場合でも大事なのは、具体的にエネルギーの低下状態を回復させながら、「回復する前提で進路選択をすること」です。
中学生の不登校:苦しさを笑顔に変える親の対応のコツ
ここまでは中学生の不登校の特徴と、高校進学についてフォーカスしてきました。
ここでは「不登校対応」の基本を中学生の不登校についてもまとめておきましょう。
①休むことや不登校であることを否定しない
まずは「今はエネルギー切れであることを親子で受け止める」ところからがスタートです。
子どもには病者の役割を与えるのがおすすめです。
病者の役割を与えるというのは、『今はエネルギー切れという病人だから、通常の「学校に行くという義務」は免除されて、代わりに「休んで回復に努める義務」を背負うのが役割だと教えること』です。
この話が子どもに伝わると
・学校を休むことの罪悪感が手放せるので、自分を責めることが減ります。
自分責めは不登校をこじらせて長期化させる最も大きな要因です。
・安心して休めるので、身体と心の回復が早くなります
親が今の自分を受け入れてくれていることもわかるので、親子の信頼関係も強くなります。
・自分は回復に努めるのが義務なのだと了解すれば、食事や生活リズムの乱れにハマることがなくなります
ゲームやYoutube、SNS楽しむことは悪いことではないですが、ただ好きなように休んでいいよとなると、ゲームもYoutubeもSNSも底なしなので、生活リズムが崩れてしまう可能性が高くなります。
そうなると睡眠や食生活も乱れてきますし、いざ登校したいとなった時に朝起きに身体がついてこれなくなることも起こります。
始めから「登校」ではなく「回復」を前提にしておくと、「登校したい時や他の場所に行きたい時に、思い通りに動ける身体」整えやすくなります。
・病者の役割ならば、病気の状態の回復によって、役割(エネルギーを増やすことや、チャレンジすること、リハビリなど)の変化にも対応しやすくなります。
ただ「好きなように休んでいいよ」だと、心身が回復しても家が囲碁心地が良すぎるので、何もチャレンジをしなくなってしまうこともあります。
そのパターンで長期化してしまっている不登校は意外と多いので、とても大事なポイントです。
②子どものエネルギーをためる
子どもの身体・心・頭に働きかけて、子どものエネルギーをためて、同時にストレス耐性も高めていきましょう。
身体への働きかけは食事やマッサージや運動などがあります。
心への働きかけは、子どもの話に興味を持って耳を傾けたり、勇気づけが効果的です。
頭への働きかけは、「私は頭が悪い」「努力はしても報われない」「学校は怖い」などの思い込みを見つけたら、優しく解きほぐしていくことで進みます。
より詳しくは各ブログにもありますし、思春期最幸家族講座やセッションでもお伝えしています。
③専門家につながる
日本の中学生は、みんな一律に進むので、どうしても高校進学という時間制限つきで向かう事が必要になります。
子どもはいつからでもどんな状態からでも回復はできるのですが、それでも不登校を長引かせるメリットは一つもありません。
できるだけ早く完全回復を目指して、むしろせっかく不登校になったのであれば、前よりも本来の生きる力が輝けるようになるチャンスに変えてしまいましょう!
④学校ともつながる
勉強や進路選択に関しても、中学校と連携しながら進めるのがおすすめです。
不登校のきっかけが学校でのことだとしても、感情的に学校と敵対関係になるのは望ましくありません。
場合によってはその学校を離れるという選択もありですが、その場合も良いコミュニケーションがとれるといいですね。
⑤受験について幅広く、具体的な情報を集める
今は毎年、いろんなカラーや制度の学校ができています。
「前はこうだった」という先入観にとらわれずに、現時点での情報を具体的に集めるのがおすすめです。
大事なのは、これから回復する子どもの幸せな未来です。
それが叶う場所を探しましょう!
気をつけたい!中学生の不登校での親のNG対応
①日々登校できないことにこだわる
不登校が続くと、だんだん「いつまで続くのかしら」と親は気になってきます。
そうなるとつい「今日は行くかな、行かないかな」とそこにばかり意識が行ってしまうこともあります。
その不安やイライラは子どもに伝わってしまうので、子どもは罪悪感と親にわかってもらえないしんどさを重ねてしまうので、親子の関係性も悪くなってしまいます。
親がまず、不登校や思春期についての知識や、具体的な対応のコツを手に入れられれば、無駄に不安や焦りを抱えることもなくなります。
②いつまでも原因探しをする
大人は「間違いを見つけて治す」ことが最幸未来への唯一の方法だと信じ込んでしまっていることもあります。
ただ、不登校はストレス過多とストレス耐性の低さの総合で起こるエネルギー切れです。
「間違い」をあれこれ探すよりも、子どもの心身のエネルギーをため直せば回復します。
絶対的な一つの原因があるはずだと思いこんでしまうと、原因ばかり探しつつけて、未来のために今できることを見失ったり、様々な選択肢に眼が行かなくなってしまいます。
子どもと家族の最幸未来という目的からは目をそらさずに行きましょう!
③「不登校の子」として扱う
不登校を特別な惨事だと捉えていると、我が子を「不登校の子」としか見られなくなってしまいます。
特別扱いして、なんでも自由に好きなようにさせ続けたり、腫れ物に触るようにするのは、中学生にもなれば逆効果になることがほとんどです。
病者の役割を与えて、安心・安全な環境を作ることは大切ですが、どんなに混乱していたとしても、も状況に合わせてリハビリをしていくことも同じくらい大事です。
④いつまでも親だけでなんとかしようとする
不登校になれば、子どもが家にいる時間が長くなりますので、親の対応の影響も大きくなります。
親も自分なりに工夫することも大事ですが、不登校になるというのは子どもにとって「それなりに必要がある」ことです。
エネルギー切れなので十分に休んだり、再度エネルギーをため直すことも必要です。
また、ストレスが多すぎる場合には減らす工夫や、ストレス耐性を上げることが必要な場合もあります。
それらを適切に行なっていけば、不登校はちゃんと解決します
長期化させたり、こじらせてしまうことで、家族にメリットになることは何一つありません。
時間も手間も、費用も、精神的ストレスも家族の合計を合わせたらかなりになります。
大事なポイントを抑えて対応しているはずなのに、なかなか回復しない場合には、サクッと専門家につながるのがおすすめです。
親が他者と上手につながっている姿を見せることは、子どもの良い学びにも繋がります。
中学生の不登校:おわりに
高校受験も気になるので、いつまで続くのかと不安でいっぱいでした。
親として、今やることが具体的にわかったので、気持ちが楽になりました!
不登校と言っても、色んなパターンがありますが、基本は心身のエネルギー切れです。
その原因であるストレス過多とストレス耐性の低下がイマドキでは起きやすいというのがとても大事なポイントです。
それを踏まえて対応すれば、きっと笑顔が増えていきます
♡♡あとがき♡♡
私が不登校の親になった時には、不登校についての情報がほとんどありませんでした。
とにかく「今何が起きているのか」と「親としてどうしたら良いのか」を知りたくて探したのですが、それを実際に手にするまでに私はずいぶん長い時間がかかってしまいました。
今では不登校はもう珍しくなくなったのですが、「不登校がなぜ起きるのか」や「親としてどんな対応が回復につながるのか」についての情報はまだまだ不足しています。
10年前にはまだ有効なこともあった「子どもの好きなようにやらせて、絶対に親はNOと言ってはいけません」というアドバイスを実行した結果、家中大混乱になっていた状態をなんとか回復まで持っていったという事例も、当カレッジではいくつもあります。。。
不登校になる直接のきっかけは一人ひとり違いますし、それに対する子どもの反応も捉え方も違います。
大事なのは一つの出来事に原因としてこだわるよりも、その子の最幸未来への回復の道筋を具体的に進めていくことです。
子どもと家族全員の笑顔が増えることがアタリマエになるように、このブログが多くの方のお役立てたら嬉しいです
(^o^)/
合わせて読みたい記事:
このブログの動画バージョンはこちらです。
音声だけお聞きいただくこともできます。