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中1ギャップへの対策:「これから」と「すでに」で親のできること
中1ギャップと、その対策についてご存知ですか?
中1ギャップが思春期の子どもたちに及ぼしている影響が、どんどん大きくなっていると言われています。
新しい環境だ!と子どもも張り切っていますし、私もちょっと期待しています 🙂
おめでとうございます 😀
でも最近「中1ギャップ」という言葉をあちこちで聞くので、ちょっと気になってもいるんです。
「中1ギャップ」がどういうものなのかや、親としてできる対応があるのなら知っておきたいです。
もちろんもしそのギャップに落ちてしまっても、適切なサポートでちゃんと抜け出せますから、過剰に身構えなくていいんですが 😉
前もって中1ギャップと対応を知っておけば、そのギャップに落ちないように気をつけられますね。
では、中1ギャップとその対策についてご一緒に見ていきましょう (^_-)
目次
中1ギャップとは
まずは、中1ギャップについてです。
中1ギャップとは、小学校から中学校になる時に、広い意味での環境がとても大きく変わるので、その環境の変化に子どもがうまく対応できなくなる状況のことです。
その結果、子どもが自己肯定感や自信や心身のエネルギーを失ってしまって、ネガティブ思考に囚われたり不登校になることも少なくないのです。
そしてそれによる子どもの日々の生活リズムも変わります。
また親子の距離感が、この時期にはお互いにうまくとりずらくなります。
様々な要因が積み重なって、子どものストレスが過剰になリやすい時期なんです 🙁
それぞれの要因を見てきましょう。
そこで対策も見えてきます 😉
中1ギャップの要因
(1)勉強の変化
(2)部活
(3)評価される
(4)友達関係
(5)支えがない感
(6)休める時間が足りない
(7)思春期ゆえの要因
(1)勉強の変化
中学生になると、勉強面ではいろいろな変化があります。
中1ギャップ:勉強面
勉強が高度化してスピードが早くなる
自主性を求められる
定期テスト対策が必要
評価される自分
中学になると勉強することも、幅広く大量になってきます。
1回の授業で進む速さも量も変わりますし、教科ごとに出される宿題の量も小学校の時とは違います。
小学校よりも気合を入れて?授業を受けたり、家でも勉強することが求められます。
小学校まではどちらかというと、クラス全員がわかるように丁寧でゆっくりとしたスピードで授業が行われていることが多いです。
小学校では担任の先生がほとんどの授業を受け持っていたので、そのクラスの一人ひとりの子の特徴を、先生がよく把握している傾向が高かったというのも、その丁寧さに影響しています。
子どもも「よく知っている先生」なので、安心して授業を受けることもできました。
勉強以外のことでも「担任の先生」に相談すればいいという安心感もありました。
ところが中学になると教科ごとに先生が変わります。
進むスピードも早いですし、それぞれの先生からすれば、小学校の担任の先生ほど一人ひとりのことはわかりません。
「わからないこと」があったら、自分から勉強するなり、質問することが求められます。
また、中学生になるとその先の進路のこともあるので、学校からも「子どもが自主性を発揮すること」が期待されます。
小学校時代ほど、先生の方から声をかけて『大丈夫?』と聞かれることも減ってくるんです。
それで遠慮がちで質問しづらい子や時間をかけて納得してから進みたい子は、自分がわからないことを積み残してしまうことがあるんです。
でも、その子を丁寧に見てサポートしてくれる人がいれば改善できます❣
ゆっくりペースの子でも、丁寧に勉強する時間を確保したり、その子にあった効率の良い勉強方法をみつけると改善します
さらに定期テストという新しい成績評価も始まります。
小学校時代と違って、決まった日時に一定量の内容についてテストされるのですから、予め計画的にテスト勉強をすることが大事です。
ところがこのテスト勉強計画を立てるのが苦手な子がいます。
「少し先のことを考える力」は6~10歳で向上するのですが、なんと10~14歳ではほとんど進捗が見られないというデータさえあるんです (・o・)!
この、テスト日から逆算して勉強することができないために、定期テストで点が取れずに「自分はアタマが悪いんだ」と思い込んでしまう子も居ます。
そうなんです 🙁
定期テストでつまづくのには、他にも色々なパターンがあります。
最初の中間テストでは地頭でなんとか乗り切れたことで、中学の勉強を甘く見てしまい、いつの間にか授業についていけなくなってしまう子。
中学受験で燃え尽きてしまった子
周りのできる子に圧倒されて自信をなくしてしまう子
中学入学に緊張しすぎてテスト対策までできずにショックを受ける子などなど。。
その子の課題を見つけて、その子が乗り越えられるように具体的にサポートしてあげることが大事です。
また、中学からは成績で評価・順位が付けられます。
これは子どもにとっては結構ショックな事です。
まだ「成績はやり方しだいで伸びる」「世の中には色々な価値がある」ということをわかっていない思春期の子どもは、今の成績の評価を自分という存在の絶対評価のように受け止めてしまうこともあります。
(2)部活
中学から始まる「部活」でイキイキする子も多いのですが、残念ながら反対に、エネルギーを失ってしまう子も、大人が思っている以上に多いんです。
「部活」はどれくらい練習量があるのか、どんな雰囲気で独自ルールが有るのかなどは、実際に入ってからでないとわからないこともあります。
自分がとても好きな種目の部活でも、練習量や雰囲気が自分に合わないこともあります。
でも、そもそも学校の部活には選択肢があまりないですし、「部活」初体験の子どもには、自分に本当にあっているのかを入る前に見極めるというのはハードルが高いです。
よくあるお悩みは
・練習や試合量が多すぎて、もっとゆっくりやりたい自分にはつらい
・ダメ出しばかりで楽しめない
・指導者が威圧的
・先輩との付き合い方が分からない
・先輩が不合理な要求をする(大人の私が聞いてもあきれる先輩ルールがあったりします!)
そんな時に子どもは辛くなります
(T_T)
なんとか好きな種目をやりたいけれど、練習量・試合数が多すぎたり雰囲気が厳しすぎる場合には、子どもは頑張ろうとするのですが、どうしても体力・気力の折り合いがつかない場合もあるものです。
私設のクラブチームならば、いくつか体験して見て、自分にあうものを選ぶこともできますが、学校の部活は一つの種目に対して一つです。
どんなにその種目をやりたくても、ペースや雰囲気の調整ができなければ断念するしかなくなります。
子どもはそれだけでも辛いのに「普通にやれている子」がいるなかで、「できなかった自分」を責めてしまうことが多いんです。
そして思春期の子どもは「同年代の目」をとても気にします。
他の子に「頑張っても自分はできなかった」と知られるだけでも辛いのに、もしここで「普通にやれている子」ができない自分を責めたりすれば、大人が思っている以上にとても深く傷つきます。
学校に交渉してみたり、その種目がやれる他の場所を探したり、そして何より大事なのはその子の心のケアですね。
「ただの一つの場所が自分に合わなかっただけ」「世の中にはいろいろな場がある」ことをしっかり伝えていきましょう。
部活が自分をはじいたのではなく、自分も「その部活を選ばない」という選択をしたと思えることが大事です。
参考:『部活がつらい』と言われたときに、親が気をつけたいこと
(3)評価される
中学校になると、学校からは勉強や部活の成績で評価されます。
それを思春期の子どもが「自分の価値」と混同しやすいのは「勉強」のところでお話したとおりです 🙁
さらに、中学時代は子ども同士でも思春期の不安定さと自信のなさゆえに、マウントし合うことが多くなります。
「勉強・スポーツ・容姿」が3大基準で、「友達がたくさんいる、面白い」がその次に続く評価基準です。
中でも、中学時代は「容姿」がとても重要なことのように扱われます。
中学時代は「容姿」がいい子がモテますが、高校以降になってくるとモテの基準に「性格」「雰囲気」の比重がどんどん大きくなっていくし、容姿の好みが多様化するのは、大人の皆さんなら体験済みだと思います(^^)
それに中学時代にモテ容姿でも、後年同窓会で会ったらびっくり!ということだってありますよね。
逆だってありますし (^o^)
しかしまだ中学時代は、狭い人間関係の中で、テレビや動画のマネをして、本人が今すぐどうしようもない容姿をネタにしてイジるふりをして、同性同士でもマウントしようする子も居ます。
この時期は「倫理観」や「共感する力」に、とても個人差がある時期です。
大人だったらとても言えないような決めつけを、平気でみんなの前で大声で言ったり、SNSで拡散する子もいれば、それに言い返せずに耐えるばかりの子も居ます。
具体的な体験なども伝えながら、大人は「深刻」にならずに「真剣」に子どもの気持ちに寄り添うのがオススメです。
子どもが色々な”先輩”の話を聞くのもいいですね
(4)友達関係
子どもは、思春期前まではあまり条件をつけずに、たまたま近所だったなどの理由ですぐに仲良くなったりします。
しかし、思春期が始まると「趣味が同じ」「何かの共通点がある」ことで仲間意識を強くして群れたがるようになります。
思春期の始まりの中学時代には「自分たちは一緒」だという思いを確認し合う事が多く、お互いの違いを認め合うのが難しかったりします。
実際は地球上に「全く同じで違いがない」人は居ないのですから、この設定自体に無理がありますよね 🙁
ここで「仲間だと思っていたのに違う」などと、友達関係がこじれることも多いんです。
また同時に「仲間以外」を排除しようとするのもこの時期です。
自分たちの仲間意識を高めるために、「違いのある子」をはじこうとして、いじめなども起きやすいんです 🙁
それでも成長とともにその「同じであることへの固執」はゆるくなり、やがてお互いには違うところがあるのを認めながらも繋がれるようになっていきます。
このようなつながりが、オープンで自由に移動できる場で行われるならばまだいいのですが、日本の中学時代は「狭い学校の友達関係」の中だけに居ることが多いのがお困りのタネです。
クラスや部活も、時には塾まで同じメンバーで行動していて、他のコミュニティがない状態だと、その友達関係がこじれた時に「自分の世界の全部」が辛い場所になってしまいますね (><)
またイマドキではSNSで、朝から晩まで繋がり続けてしまうので、さらにその友達関係の有り様が、子どもの日々に与える影響が大きくなっています。
しかし、子供の友達を親が「いい子・悪い子」と裁くのではなく、ひとつひとつの”行動”としてみてきましょう。
またSNSは大人でも気をつけてコミュニケーションをしないと、すれ違いの起こりやすいツールです。
子どもにスマホなどを与える前に、それもしっかり教えておきたいですね。
参考:仲良しグループがしんどい!思春期の友達関係と親のできること
(5)支えがない感
中学生になると、子どもも親も「ずいぶん大人になった気分」になります。
子どもも「自分のことは自分でしよう」という意欲もわきますし、親も「これでもうずいぶん手が離れた」と思い、目を話したくなることうこともあるかもしれません。
もちろんそれは自然な思いなんですが、これまで見てきたように、中学生の環境の変化は色々あって、そのストレスも様々にあります。
子どもに細かく手をかけることは減らしても、まだまだ目は離さないのがオススメです 😉
一つが決定的なダメージにならなくても、「自分では何が起きているのかわからないけど、うまく行っていない感じがすること」があれこれ出てくるのが中1です。
子どもがそんな感じを持った時に、自分から気軽に相談できると良いのですが、中学生の子どもからすれば「誰に相談すればいいのか?」ということが多いんです。
勉強にしても、教科の先生に相談しづらい時に担任に他の教科のことを相談していいのか?
部活の事を担任に相談してもいいのか?
友達関係は誰に相談すればいいのか?
いつまでも親に相談していいんだろうか?
もう中学生なんだから自分でなんとかすべきでは?
でもどうやって?
また、自分の複雑な感情をうまく言葉にできないとあきらめて、黙って一人で抱えてしまうタイプの子も居ます。
そうこう悩んでいるうちに、自分なりに頑張ってもうまくいかない状態が続いて、ある時ドスンとストレスの総和が限界を超えてしまうことが多いんです 😯
この中1ギャップの影響は、中1の1学期から出ることも、2学期になってから出ることもあります。
親御さんや保健室の先生、親戚や別のコミュニティなどに気軽に話せる子は、具体的に解決してもらわなくても、話を外にできただけでも楽になることが多いです。
でも頑張りやさんの子ほど、一人でなんとかしようとしてしまうことが多いんです。
私も今までたくさんの思春期のお子さん達とコーチングセッションをしてきましたが、お子さんが最初にセッションを受けようと思った動機が
「誰にも言えないことのあれこれを、安心して話せると思ったから。そして何かの正解を押し付けられるのではなく、自分で行動を選べることがわかったから」
というのがとても多かったです。
思春期の子どもは自分で頑張りたい気持ちと、ちょっとだけヒントが欲しい気持ちの両方が強いです。
そして”正解”を指示命令されるのには抵抗があります。
なかなか人に話しづらい、言葉にすることに抵抗があるお子さんには、「引き出すコミュニケーション」が有功です。
(参:なぜ今の思春期の子育てにはコーチング力が必要なのか:見守るだけで大丈夫?)
また家族だけでなく、お子さんに学校以外の信頼できるコミュニティや人に会うチャンスを作っておくのもいいですね
中学生になってもお子さんから目は離さずに、1週間以上心身の状態が不安定な状態が続いたら、ぜひお母さん・お父さんの方から「話を聞かせて」と切り出してみましょう。
それでも話が進まずに、お子さんの状態が悪くなっていくようでしたら、早めに専門家にご相談くださいね。
(6)休める時間が足りない
今の中学生はとても忙しいです。
部活と勉強と塾や習い事で、いっぱいいっぱいなことが多いです。
さらにSNSでひっきりなしに情報が追いかけてくる状況です。
そんな生活が自分のペースに合っていない時には、ストレスが知らないうちにたまり続けてしまいます。
もちろん、それが自分のペースに合っていて、楽しみながらやれている子も居ると思います。
それでも、思春期には身体・脳・心・頭の成長のためには、十分な睡眠も必要です。
(参考:思春期の睡眠不足には危険がいっぱい)
気持ちが満たされていても、身体の方がついていけずに起立性調節障害などになって、不登校になることも珍しくありません。
ここは子どもが自分で気づきにくいので要注意ですね。
また、思春期には学校以外のことや、今までやってみたことがないことを体験できるチャンスや、ぼ~っとできる時間も必要です。
この時期に様々な体験をすることで、自分の「好きのタネ」を見つけることもできて、可能性を広げることもできます。
イチローだって「野球」にたまたま出会えたから、一生打ち込めるものを手にすることができたんです
(^^)b
またぼ~っとしたり、好きな音楽を聞いたリ食べたりと五感を養うことも大事です。
どうしてもイマドキでは「頭」ばかりを使うことが多くて、身体や心に時間を使うことが少なくなりがちです。
身体も心も成長する思春期には、自分の身体・心にも気づいて世話をすることも大事です。
それがのちのち、自分の身体と心を大切に扱うベースにもなります。
イマドキではお母さん・お父さんも忙しいことが多いですよね。
まずお母さん・お父さんが呼吸をゆっくり目にして家で過ごしてみると、自然に子どもにもその落ちついたペースが伝わるようになります。
世界一忙しいグーグルでも、あえて瞑想が用いられているのは、その方がトータルでいいパフォーマンスになるからです
(^^)
(7)思春期ゆえの要因
ここまでのところでも、環境の要因と、それにマイナスに反応してしまう思春期ゆえの要因が色々出てきましたね。
・自分でなんとかしようとする気持ちが強くなるために、大人に気軽に相談しづらい
・逆算して計画する力が弱いことがある
・何かがうまくいかない時に、その理由を「自分がダメだから」とぐるぐる考えて自己肯定感を下げてしまう
・複雑な自分の感情をうまく言葉にしづらくて、人に相談するのを諦めてしまう
・学校だけが自分の世界になりがち
・中学時代には容姿で人間の順列をつけようとする風潮がある
・倫理観や共感性に大きな個人差があるので、それらが高い子の方が悩んでしまう
・共通項で友だちを作り、違いを悪い事のように扱う風潮がある
・SNSの使い方が適切でないことが多い
・指示命令されることに強い抵抗を持つ → アドバイスを受け入れ難くなる
・睡眠が不足しがち → 体調不良、ホルモンバランスの崩れ
・いつも忙しくて自分のペースを保てずストレスを溜めやすい。
・自分の身体や心の不調に気づきにくい
ちょうど中1は大きな環境変化と思春期の始まりという時期が重なるんです。
それでストレスの総和が一定以上になると、中1ギャップに落ちてしまう・・という事態が起こりやすくなります。
でもお母さん・お父さん、そしてお子さん自身も、中学での環境の変化と思春期の要因のどちらも知っておけば予防になります。
「もしかして・・」と思った時には早めに必要な対策を取れると防げますね。
中1の大きな環境の変化と、思春期の始めであることの不安定さがからみあうと、ストレスの総和が上がり「中1ギャップ」に落ちやすくなります。
思春期は身体・心・頭の成長期で、どれもが不安定でもあり、それぞれのつながりもまだしっかりとしてない状態です。
その子が耐えきれないストレスの総和を越えた時に、身体の不調になる子(頭痛、腹痛、起立性調節障害など)、心の不調になる子(イライラややる気の低下など)、頭でぐるぐる考えてしまい混乱してしまう子など、色々な状態になります。
思春期の子どもは基本的には柔軟なんですが、ストレスの総和が一定以上になると、ガクッと耐えきれなくなることが報告されています。
ニューヨーク州立大学が2007年にネイチャー・ニューロサイエンス誌に発表した研究によれば、ストレスを受けた時に脳内に出されるTHPというホルモンがありますが、これは大人では不安を抑える働きをします。
ところが驚いたことに、思春期の子どもの脳では逆に、THPは不安を抑えるどころか、むしろ増幅させていることがわかったと報告されているんです (・o・)!
つまり思春期の子どもの脳では、ストレスを感じると大人よりも不安が大きくなってしまうんですね。
自分で頑張りたい気持ちが強くても、中学生では、まだまだ心の安定・安心を得られる一番の場所は、お母さん・お父さんのところです。
”課題解決”よりも先に、その子をいつも大切に思っていることや必ず味方になるとしっかり伝えて、安心させることから始めていきましょう!
中学生になっても目だけは離さずに、子どもの様子を見ていきます。
でも、ここで一つ疑問に思われませんか?
中学生の環境変化と、思春期の不安定さはずっと以前からあったはずなのに、なぜ今中1ギャップが話題になっているんでしょう?
イマドキの中1ギャップが大きいわけ
イマドキの子どもたちは親世代よりも、中学になる前からテレビやYoutubeやネットで、既に実に多くの情報を得ています。
そのことが2つの要因となり、イマドキの中1ギャップを大きくしています。
1つ目は、中学生になる前に、子どもは既に色々な価値観や世界があることを知っていることです。
そうなると「先生だから」「学校で言われているから」だけでは丸呑みにして従うことができません。
学校の規則や部活のルールなどに強く違和感を持ったり”納得”できずに、それがストレスになることが多くなっています。
昔ながらの「黙って従いなさい」をストレスに感じる子が増えているんです。
もう一つは、自分の好き・嫌いや感覚がはっきりしている子が増えていることです。
イマドキの子どもたちは小さい頃から大量の情報と選択肢を与えられてきています。
今や小学生までに出会うお菓子やおもちゃの数や見る情報は、大人世代に何十倍にもなっています。
大量の選択肢のなかから常に自分が好きなこと・嫌いなことで選り分ける習慣がついているんです。
感情が過敏になる思春期の始めの中学生時代には、特にそれが強く働きがちになります。
(参考:脳科学で納得!)
自分の好き嫌いに合わないことがあるとストレスを感じる子が増えています。
困るのは「共感力」や「倫理観」の発達が遅い子が自分の感情に振り回されると、その子だけの話ではすまないで、それが他の子を攻撃することにもなったりすることです 🙁
SNSなどの、それが行われやすい環境もありますので、気をつけたいポイントです。
さらに、イマドキでは環境変化により、食べ物からとれる栄養が不足していることも話題になっています。
特にミネラル・ビタミン・タンパク質が不足しがちなので、それが成長期の身体や神経、ホルモンに大きな影響を与えているという報告もあります。
基礎的な体調が整ってないと、同じストレスにも対応できなくなることもあります。
起立性調節障害や発達グレーゾーンの子どもたちが増えているワケの一つではないかと言われてます。
親世代と同じような食事をとっていても、大成長期の中学生には足りないこともあるんです。
ここは気がつきにくいところなので、注意が必要です。
過剰に心配することはないですが、そんなリスクもあると知っていれば、もしかして⁉の時にもすぐに対策がとれますね。
身体・心・頭の3つの視点から見ていくと、今効果的なサポートも見つかります。
ピンときた方は個別に講座や個人セッションもご活用ください 😉
中1ギャップへの対策:まとめ
イマドキの中1の環境と、思春期の特徴を知っておきましょう。
そして子どもの日々の様子を見て、身体・心・頭のマイナスの変化が一週間以上続いて見られた時には、早めに対策をとりましょう。
一つだけの目立つ「課題」だけにとらわれずに、勉強や部活、友達関係など、いくつかのチェックポイントをみてみるのがオススメです。
それぞれの項目でご紹介した対策をやってみてください。
そしてもしお母さん・お父さんだけでは難しい時には、早めに専門家に相談してくださいね。
また、もし既に「中1ギャップにハマっている」と思われる場合でも、大丈夫です。
お子さん一人ひとりの状況を見ながら、どんなところで詰まっているのを紐解いていけばいいのです。
この場合でも、一つのきっかけと思われることだけでなく、チェックポイントをいくつも見てみるのがオススメです。
こちらも早めに専門家に相談してくださいね。
中1ギャップへの対策:「これから」と「すでに」で親のできることの終わりに
いかがでしたでしょうか
今週は中1ギャップと、その対策についてでした。
思っていた以上に中1ギャップが起こりやすい要因がたくさんあったののには驚きましたが、それぞれの対策もわかったので、できることは早めにやってみます 😀
環境が変われば誰でもグラグラするものです。
それが中1では、学校での勉強や部活などの変化と、思春期という変化が重なることで、拡大しやすくなるということです。
多少のグラグラは子どもが自分で乗り越えていきます。
でもそれが難しい時には、さっと必要なサポートができる用意をしておくのが「見守る」になります。
♡♡あとがき♡♡
どうしても人は、中学生の子どもを見る時は、自分の中学時代を重ねて見てしまうものですね。
でも、イマドキは本当に社会の変化が早くて激しいです。
私が今までお会いしてきた思春期のお子さん達も、この10年間でずいぶん変わってきていると感じています。
思春期のグラグラが、既に小学校の高学年ころから始まっていることも多くなっています。
しかし学校環境はそれに比べるとずいぶんゆっくりな変革になっているので、そこにリアルなイマドキの子どもとのギャップが広がっている理由もありそうです。
イマドキの中学生の子どもを見る時には、つい自分の中学時代を重ねてしまうのは自然なことですが、もう一方で「イマドキだからね」という視点も持っておくのがオススメです。
「イマドキの思春期」について知っておくことで、「どんな発想で世界を見ているのかな?」などと余裕を持って、思春期の子どもを見守っていけたらいいですね (^_-)
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