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不登校だけど家では元気⁉長引かせないための対応とNG対応
不登校になってある程度時間が立つと、「ゲームしたり家族と会話したりで家では元気」なのに、学校の話なると無口になったり不機嫌になったり、適当にかわしたり・・
「元気なのになぜ登校しないのでしょう?」
お母さん・お父さんからがそのようなご相談をよくいただきます。
そしてこのような状態は、対応によっては不登校が長期化してしまうこともあるので、実は気をつけたい時期なのです。
始めは暗くてぐったりしていたのですが、最近は家では元気になってきています。
好きなことを楽しそうにやったり、家族とも会話が以前のようにできるようになりました。
でも学校の話になると、とたんに暗い顔で黙ってしまうんです。
不登校になった時には、お子さんも暗い顔だったり、混乱してたり、ぐったりしてたりするので、「まず休ませよう!」と思いやすいですね。
最近は学校側からも「無理せずに休ませて、また元気になったら来てください」と言われることが増えてます。
今までなんとかムリムリ登校していた状態から、家でゆっくり休めるようになれば、心身のエネルギーの漏れがすくなります。
登校していた時よりも身体も心のエネルギーを使う量も減るので、その分は、学校に行けなくなった時よりもエネルギーが溜まりやすくもなります。
しかし、ある程度家で休んでいると、「家では元気」にまでは回復しても
「なかなか登校を始めない」
「学校についての話題を嫌がる」
「行こうかな、と言うこともあるのに、実際には行かない」・・
という状態が続くことがあります。
そうなるとそれまで見守っていたお母さん・お父さんも「あれ?元気そうなのに行かない」とだんだん不安になることもあるものです。
そんな子どもを見ていると、私も日替わりで
「元気なんだからそろそろ・・」と思ったり、「まだ待つべきか」とか、「ここは背中を押すタイミングなの?」などと
どうしたらいいのか分からなくて困ってます
そうですよね。
お母さんが不安や迷いを持ったままだと、子どもへの対応がブレることもありそうです。
そして、そのブレから不登校が長引いてしまっているケースも実は多いのです。
はい、ではご一緒に「不登校なのに家では元気」という状態と、必要な対応・NG対応について見てみましょう
目次
家では元気なのに、不登校が続く状態とは
不登校の回復のステップ
始めに、不登校からの回復のステップの概要を見ておきましょう。
不登校は大きく分けて4つのステップがあります。
不登校の4ステップ
ショック期:不登校になったことに親子でショックを受ける
安静期:ショックを認めて、休む。ある程度落ち着く。
回復期:安静期に休めたことで、エネルギーを失う分が減ったために、回復に向かい始める。
しかし、まだ実際に登校しなかったり、行ってもかなり不安定である
再活動期:再登校に向けての行動が継続的に始まる
(詳しくは:不登校への親の対応:回復段階別・年代別のポイント)
このステップを順調に踏めれば、不登校からは完全に回復できますし、不登校だったことをその後も「恥ずかしい」とは捉えずに、「そういう事もあったね」と思い出しても胸が痛むことがなくなります。
はい、途中からでもステップごとに必要なことを順番に踏まえていけば、大丈夫です!
実際に私も数多くのそんな事例を見ていますので、ご安心くださいね
「家では元気なのに不登校」だと、今どの時期なの?
では、「家では元気なのに不登校」という状態について、より詳しく見てみましょう。
「家では元気なのに不登校」は上記の「回復期」にあたります。
「回復期」は「安静期:ぐったり休むだけの状態」と「再活動期:安定して登校を始める」の間の時期です。
不登校は心身のエネルギー切れから、本人が受けているストレスの総和に対応できなくなって起きる状態です。
なので、回復期は
「安静期でひとまずエネルギー切れを減らす」状態から
「再び登校を安定的にできるようになるまでに(再活動期に入れるように)十分に心身のエネルギーを溜める」ステップと言えます。
「家では元気」は始めの「ぐったりしている」「イライラがすごい」の状態よりは、回復期に入るとエネルギーが溜まってきているのですが、まだ実際に登校するために必要なエネルギーまでは十分に溜まっていない、「ぐったりと登校できる状態の間」なのです。
そして、各ステップをうまく過ごすためのポイントはありますが、各ステップの中でも、一番その子の個性を踏まえての対応が必要になるのが「回復期」です。
*その子がエネルギー切れになった、身体・心・頭、それぞれの要因があれば整える
*本来誰にでもある「~~したい」「自分も~~できるかも」という希望と自信を取り戻す
これらをその子の個性や個別の状況に沿って進めていくのが「回復期」となります。
兄弟姉妹でも必要な対応が違うこともありますので、この時期には信頼できる専門家と一緒に進めていくのがおすすめです
不登校の回復期への対応が、とても重要なポイントになっている
安静期で休んでストレスを減らすだけじゃなくて、もっと積極的に心身のエネルギーを溜めることが必要になんですね。
そうなんです。
10年前には「安静期」がしっかりあれば、「回復期」でそれほど積極的に心身のエネルギーを溜めなくても、そのまま「再活動期」になっていったお子さんたちもそれなりに多かったんです。
しかし、今はで社会環境が急激に変わったので、子どものストレス耐性が減って、さらに受けるストレスが増えています。
なので、不登校では、もともと耐性が弱い子どもが以前よりも増えているストレスを乗り越えるられるようになるまでにエネルギーを溜めることが必要になってきているのです。
はい、10年前くらいまでは「待ちましょう」「見守りましょう」で、数ヶ月で再活動期に移行できたお子さんが多かったのです。
しかし今はそれでは「ずっと回復期」にとどまってしまうお子さんが増えているのです。
もちろん、今でも家で休めば回復できるお子さんもいないわけではありませんが、3ヶ月待っても回復しなければすぐに「待つだけ」以外の対応に切り替えるタイミングです。
思春期の子どもにとっての3ヶ月は「かなり長い時間」なので、長期の不登校になればなるほど、戻ることへの心理的抵抗や勉強や友達関係のリカバリーへの労力も多く必要になります。
(もちろん、いつからでもどんな状態からでも回復はできます!)
うちの子も、以前よりもだいぶ元気だし、このまま待っていれば自分から登校しそうにも思えるけのに、実際には動かないが続いています。
私も「無理に登校させようとしてはいけない」とは聞いているので「そろそろ行ったら?」と言いたくなるのを毎日抑えてます。
でも「一体いつまで待てばいいの?」とイライラすることが増えてきてたんです。
お気持ちわかります 😐
そんな状態になってしまうと、お母さんのイライラや不安が募るので、どうしてもそれがお子さんにも伝わって、親子関係性が悪化してしまっているケースも数多く見られます。
さらに、長引くことでだんだんお母さんも子どもの可能性を諦めてしまう。。というケースもあります。
また子ども自身も、「他の多くの子達のように登校できない自分」に自己肯定感を落としたりイライラしたり、そして長引くと「自分はどうせダメ」というセルフイメージを持ってしまうこともあるのです。
どちらも、とてももったいないのです
(><)
そうなんです!
回復期に必要なこと・NGなこと
そして子どもの身体・心・頭へのエネルギーをさらに溜めるには、身体へのアプローチ(食・睡眠・生活リズム)から整えるのが最も効果的で早く回復します。
身体がある程度整ってくると、子どもが過剰にイライラしたり無理な要求を言うことも減ってきます。
そして思春期は本来、家だけでじっとしていることができない時期なので、徐々に子どもも動きたくなってきます。
「退屈」「暇」などと言うようになったり、自分の好きなことなら手がつけられるようにもなってきます。
そうなれば、子どもの状況と個性に合わせて、希望や自信を取り戻せるように関われりやすくなります。
身体が整っていないままで、子どもの心や頭に働きかけようとしても、なかなか受け取ってもらえないので、先に身体を整えることがとても大事なポイントになるのです 🙂
ただし、身体がだんだん元気になってきても
1️⃣ぐるぐる思考でマイナスなことばかり考え続けている
2️⃣特定のストレス課題がそのままになっている
(友達関係、先生や顧問との関係、勉強の遅れ、”怖い”など)
3️⃣自由過ぎる・好きなように暮らせる環境なので、今更登校しようとは思えなくなっている
場合には、「希望と自信を取り戻す」のが難しくなります。
これらについての対応は、次の「気をつけたいNG対応」で詳しくみてみましょう
「不登校だけど家では元気」が続く時のNG対応
「不登校だけど家では元気」が続く場合のNG対応
家で好きなことをやるようになったり、遊びに行きたくなったりするようになれば、親としては「もう元気だし、学校に行けるんじゃない?」と思うのも自然ですね。
ただ、家にいるだけならば「外に出る」よりもエネルギーが要りませんし、遊びは自分の「楽しい」という心のエネルギーが加わるので、子どもが動きやすくなっているだけなのです。
「遊び」などの楽しいこと以外にでも(お手伝いなど)自分か取り組めるほどのエネルギーがあるかどうか、がポイントです。
そして学校や勉強の話も自然にできるのであれば、回復に向けて順調に進んでいます。
ところが家では元気で楽しそうだったり、遊びに行きたがったり、または実際に遊びに行ってしまうのに、学校や勉強の話になると不機嫌になる・黙る・かわす・・という場合には、対応が必要な状態です。
そのような場合には、まず親御さんが子どもに優先順位を教えます。
身体を養う(食事・睡眠・生活リズム) > 登校・勉強 >遊び
義務教育ならば、上記が優先順位が高い順です。
命を健康につなぐため > 自立する力をつけるため >楽しく生きるため
不登校は心身のエネルギー切れなので、一時的に「登校・勉強」をお休みして、身体と心のエネルギーを貯め直すための時期です。
家で元気になっても、「もう十分」と思わずに、さらに十分に心身のエネルギーを溜めていきましょう。
そして、この時期に子どもが遊びを優先しようとする場合には、順番が違う・・ということを、子どもに伝えられるのはお母さん・お父さんです。
この順番をしっかり伝えておかないと、子どもが「いつまでも”遊び”を優先させててもいいんだ」と思っていることもありますので、ご注意です。
また、身体がある程度元気になっても
●特定のストレス課題がそのままになっている
(友達関係、先生や顧問との関係、勉強の遅れ、”怖い”など)
のでは、子どももまた戻ろうとする勇気を出しずらいですね。
その場合には
・具体的なコミュニケーションの仕方や人との距離のとり方を身に着ける方法
・勉強の遅れをリカバリーする方法を見つける方法
・そして時には溜まっている感情を開放する方法など
・過剰な”恐れ”を手放す方法を
子どもが手に入れられるようにサポートすることも必要になります。
●ぐるぐる思考でマイナスなことばかり考え続けていると
身体のエネルギーが上がってきても、登校に強い抵抗を持つこともあります。
「私はうまくやれない」
「もうどうせ間に合わない」
などと思いながら、再登校にチャレンジするのは難しいものです 😐
このような場合には、気持ちをリリースして、思い込みをバージョンアップすることも必要です。
お子さんが専門家と話せれば、それは難しくないのですが、お子さんが専門家に会えない場合には、お母さん・お父さんが日々のコミュニケーションで影響を与えていくこともできます。
ピンときた方は思春期最幸家族講座もご活用ください 🙂
つまり、回復期は「まだ登校できないその子の理由がある」時期なのです。
「家で元気だからも行けるはず」と、「甘え」「逃げ癖」と決めつけてしまったり、すぐに登校させようとするのはNGです。
✔ また十分にエネルギーが溜まってない
✔優先順位を間違えている
✔ 特定のストレス課題がそのままになっている
✔ ぐるぐる思考ばかりしている
それらをチェックして、必要な対応をしていけば、次の再活動期に進めます
(^^)
この時期は子どもにも
・「行かなくちゃ」「行きたい」と「でも行きたくない」「嫌だな」
・「親に心配かけたくない」と「甘えたい」
など、相反する気持ちが色々あるのが普通です。
子どもなりに葛藤のある不安定な状態なので、ある日には「そろそろ行かなくちゃ」と言ったのに、次の日の朝には「行きたくない」と言うようなことが頻繁に起こります。
親としては「行く」と言われれると「ついに!\(^o^)/」と嬉しくなるので、そのまま行くことを期待してしまうのですが、それが肩透かしに終わるとがっかりと怒りもわいてきます。
そうなると「なぜ行かないの」と考え始めてしまい、さらに怒りが盛り上がってしまうので、子どもにもつい余計なことを言ってしまいます。
『こんなに元気なんだから、そろそろ学校に行ってもいいんじゃない』
『いつになったら行くの?』
『いつまでも逃げてないで行きなさい』
『甘えるのもいい加減にして』etc.
日頃は「落ち着いて待とう」と思っているのに、期待が裏切られたことで、感情的に不要なことをつい言ってしまうかもしれません。
そうなると、子どもは「不登校を責められた」と受け取るので、親子関係がまずくなってしまうことも起こります。
ここまで子どものペースでの回復を待っていたのに、もったいないですね
(><)
子どもが家では元気になってても、すぐに登校を期待して子どもの言動に一喜一憂するのではなく、回復期は「まだエネルギーが十分ではない」と思い出して、1)の項目をチェックしてみてくださいね 😉
今必要なことがわかれば、先に進むための具体的な一歩がわかります!
子どもが家では元気に見えるようになった時に、「このまま待てばさらに元気になって、自分から登校しようとするはず。そうなって欲しい」と思うのも、ある意味自然の期待です。
もちろん子どもが一時的にエネルギー切れになっても、それが少しの休みで回復できる場合も無いわけではないのですが、残念ながらこの10年でそのケースはかなり少なくなっているのも事実です 🙁
誰にでも当てはまる法則はないのですが、概ね3ヶ月待っても登校や勉強への意欲が出てこない場合には、「信じて待つ」だけではなく、必要なサポートをするのがおすすめです。
その理由はいくつかありますが、子どもにとっての3ヶ月は結構長い時間なので、その間に
・周りから置いていかれた感じ
・ここまで休んだので、戻る時の周りの反応が気になる
・友達関係の変化
・勉強の遅れ
・部活での立ち位置の変化
・受験への影響
などを、思春期になれば子どもが気にするようになります。
不慮の怪我や病気で長期に休んだときと同じで、不登校も本人に休んだ責任があるわけではないのですが、実際に長く休めば上記のことに全く取り組まないわけにはいきません 😐
そして上記の気になることは、休む期間が長引けば長引くほど、子どもの中で「大変なこと」になっていきます 😯
大人からすれば、ちょっと頑張ってリカバリーすれば大丈夫だと思える状況でも、子どもの時間感覚は大人よりも早く、また、子どもの世界では学校の割合がとても大きいので、大人よりも「大問題」だと捉えることが多いのです。
そうなってくると子どもは「もう間に合わない」「いまさら」と考えだし、その考えで自分を苦しめてしまいます。
このようにして、子どもが希望と自信を失ってしまうのは最も避けたいことなのです。
またお母さん・お父さんの方も、不登校が長引けば長引くほど、
上記の項目が気になるのも当然ですし
「うちの子はもう戻れないのかしら」と不安になり、
子どもをなんとか動かそうと不適切な対応とをして
かえって不登校をこじらせてしまったという話も多いです。
また、長引くと、だんだん親としての自信もなくなってしまうことさえ起こります。
子どもが不登校になったからとしても、それは「子育て失敗」でも「道を外した」のでも無いのは、病気や怪我で長期休みになったのと同じです。
それなのになぜか不登校だと、その実情を理解されないことがまだまだ多いので、そのプレッシャーが子どもにも親にもかかってしまうのです。
そのような状態を長時間続けるのは辛いです。。。
(T_T)
そして特にお母さんは、色々なことを周りから言われます。
(善意からだとしても)
ただでさえ、子どもが不安定だと親も不安でグラグラしがちです。
人から言われることに揺れ動きやすくもなるものです。
そんな状態を長く続けることのメリットは、子どもにも親御さんにも見当たりません。
もし、『待ちましょう』ばかり言う人がいれば、「いつまで待てば良いのか」「待つことで完全回復をした事例をいくつ知っているのか」と尋ねてみてもいいでしょう。
そこで成功事例がある場合には、その事例の状況と今の状況を詳しく比べて、今何をするのか最も良いかを見つけることもできます 🙂
何をしたらいいのか分からない時には、信頼できる(できれば複数の)専門家に具体的に相談してみるのがおすすめです!
4)子どもの望みを叶えてあげれば元気になる、自己肯定感が上がると期待する
家では元気になってきた時に、もっと元気になれば自分から登校するのでは?と期待したくなります。
ただ、子どもを「もっと元気に」しようと、子どもの要求に何でも答えようとするのでは、望む結果には繋がらなくなってしまいます。
●子どもが「欲しい」「欲しいだろう」ものを親が用意する
●子どもが「嫌」「やりたくない」ことはやらせない、やめる
そのように腫れ物に触るように子どもに対応することで、子どもの本当の希望や自信が戻ってくることはないのです。
時に甘えさせることや元気な時より親の要求レベルを下げることは有効でも、それが多すぎたりそれだけでは、子どもの自信(自己肯定感)を上げることにはなりません。
本当の自己肯定感は「自分でもやれる」という希望と自信から育ちます。
誰かに肩代わりばかりしてもらっていると、一時的な物欲や他人を動かせるちょっとした喜びは得られても、不登校になったことで小さくなった自己肯定感を蘇られることにはならないのです。
むしろ、そのような状態が続くと自分の感情を自分で満たす練習が不足しますので、家の外でちょっとしたストレスに出会うと感情が揺れた時に自分で整えられなくなります。
「不登校になるのは心身のエネルギー不足から」からブレずに、本人の身体と心がエネルギーを生み出せる状態に進めていきましょう。
どうやるの?一人だと難しいなと思ったら、思春期最幸家族講座もチェックしてみてくださいね 😉
5)自由に遊ばせたり、好きなことをやらせ切れば自分で元気になるはずだと期待する
この方法も、15年前にはある程度有効でした。
しかし、今の社会環境では、気をつけたいポイントが2つあります。
「デジタル使用」と「遊び優先」です。
まず、デジタル使用については、ゲーム・動画・SNS・ネット等のデジタルが、15年前にはまだ今のように日常のアタリマエになっていませんでした。
「子どもの好きなようにやる」は具体的には、家の中で絵を描いたり・本や漫画を読んだり、工作したり、ぼ~っとしたりが主流でした。
しかし、この15年でデジタルでできることが急速に拡大したために、子どもたちへの長期的な影響についての考察がまだ追いついてない、というのが現状です。
特に思春期には脳が最も成長する時期なのですが、この時期にデジタルを長時間使うことの影響については、今徐々に世界で研究成果が発表され始めています。
(参照:ゲームが与える影響には要注意!思春期に成長する脳・身体・心へ)
デジタルは学校でも推奨されることもあり、全く使わないわけにも行きませんし、使うメリットも大いにあります。
なので、子どものデジタル使用については、大事なポイントを押さえて、最終的には自己管理ができるようになることがとても重要になります。
その大事なポイントはこちらです
①脳の成長期の子どもへの影響と、大人への影響は全く違う
②兄弟姉妹でもデジタル使用の影響の受け方は全く違う
①脳の成長期の子どもへの影響と、大人への影響は全く違う
たまに、大人の自分が長時間使っているけれどなんとも無い・・と言う方がいらっしゃいますが、子どもの成長期には脳が前頭葉に十分に血流が回ることが必須です。
ところがデジタルを使用している時には血が集まるのは、脳の前頭葉ではない部分がメインです。
また、長時間デジタルを使用すると、終了後に前頭葉に血が回るまでに時間がかかります
それゆえに、1時間以上のデジタル使用では、使用時間が伸びるに連れて、勉強や成長効率が下がるのです。
(詳しくはこちら;ゲームが与える影響には要注意!)
ゲーム・スマホを4時間いじっていると、その後数時間勉強しても、ゲーム・スマホを全くせずに30分しか勉強してない子よりも学習効率が下がるという研究結果が日本で出ているのにはびっくりです
(・o・)
②兄弟姉妹でもデジタル使用の影響の受け方は全く違う
人の脳の状態は、特に成長途中ではかなり違います。
兄弟姉妹でもとても違うことがあるのです。
上の子が何時間もゲームをやってても大丈夫だったからと、下の子も大丈夫だと思ってしまうと、想像さえしてなかったダメージを下の子が受けてしまったと言う事例も実際にあります。
そしてダメージの受け方にも個人差があります。
もともと発達の抜けがあったり、今脳が不安定な状態だと、そのダメージは予想を超えるものになることがあります。
不登校になっている時は、脳も不安定な状態です。
ずっとゲームをやり続けたことで、だんだんゲームを中断できなくなってしまったり、スマホがないとイライラしてしょうがない、という依存・中毒状態になりやすいのでご注意です!
もし、ゲーム・スマホなどのデジタルの使用について話そうとすると目がつり上がって別人のようになる場合には、それが依存のアラームです。
できるだけ早くにサポートが必要です。
でもご安心くださいね。
必要な対応を個別にしっかり進めていくことで改善は可能です。
それでも、始めから「使い過ぎ」にしないことが子どもにも親にとってもベストです。
「みんなのように学校に行けなくて可愛そう」
「これだけが楽しみと言うので」
「暇でしょうがないから」
などと、簡単にデジタルの長時間使用を続けないことが大事です。
本を読む(マンガでも)、絵を描く、工作をする・・・それらで使う脳の部分と、デジタルで使う部分は全く違います。
大事な脳の成長期だからこそ、ここは気をつけたいポイントです。
デジタル使用以外に気をつけたいのは、子どもが家では元気になってくると
「学校や勉強の話は避けるけど、遊びには行きたがる」という状態になることです。
子どもの気質によって違いますが
ちょっとエネルギーが溜まるとじっとしていられないタイプの子は
すぐに遊びに行きたがります。
「遊びに行けば、元気になるのでは?」と親も期待したいところなのですが、たま~にならば良いのですが、
いつまでも学校や勉強・進路についての話は拒否しながら、遊びだけは出かけることを続けていると、登校に向かるようになるのは難しくなります。
遊びに頻繁に出かければ、エネルギーをその分使います。
そうなると、「楽しいこと以外にも目を向けてチャレンジする」だけのエネルギーが十分に溜まらなくなるのです。
そして「嫌なことを考えなければ、楽しいことがある毎日も悪くないんじゃない?」と子どもも思うようにもなってしまいます。
これも、とてももったいないですね 🙄
回復期はまだ十分にエネルギーが溜まりきってない状態だということを忘れずに、優先順位にそってエネルギーを使い溜められれば、順調に回復します。
そのステップからズレていかないように気をつけたいポイントです!
私も4)か5)をするのがいいのかと迷ってました!
そうですね。
どんなことにもメリットとデメリットがありますので、メリットを期待するだけでなく、デメリットについてもイメージしておくのがおすすめです 🙂
「家では元気だけど不登校」が続く時の対応のコツ
家では元気だけど不登校が続く時の対応のコツ
(1) エネルギーをさらに溜めて、具体的な課題があれば取り組む
(3) 回復期でもエネルギーを溜め続けられれば、子どもの回復度合いにあわせて、子どもが受け入れられることが増えていくので、大事なことはタイミングよく伝え続ける
(1) エネルギーをさらに溜めて、具体的な課題があれば取り組む
先程のNG対応の裏返しですね。
子どものエネルギーを失わせてしまう課題があれば、それに具体的に子どもが取り組めるようにサポートします。
「頑張って」
「ちゃんと勉強しなくちゃ」
などの抽象的な声がけでは子どもが行動できないので、子どもが気にしている課題に具体的に取り組めたり、乗り越えられるようなところまでの環境づくりや情報の取り方をサポートして上げることが必要な状況はとても多いものです。
子どもだけでは思いつくアイデアが十分でないので、そもそも不登校になるまでエネルギー切れになってしまったのですが、今度は自分で取り組めるようになるまでのサポートをすることで、子どもは「自分で乗り越えられた」という感覚を持てるようになります 🙂
不登校でも食事や睡眠・生活リズムを崩さないようにしよう・・と話しを始めると、子どもは嫌がることがほとんどです。
特に脳が不安定な時ほど、ちょっとしたことも「~~される」と感じてしまうからです。
それでも、「嫌がるから」と身体を整えることをおろそかにしてしまうと、身体のエネルギーも中途半端にしか溜まりませんし、脳がどんどん乱れてしまうこともあります。
身体を整えることは「登校以前の、健康に生きるために必須のこと」なので、不登校なら特別に乱れても良い。。のではなく、逆に不登校というバランスを崩している時こそ必要なことなのです。
大きな怪我や病気で入院する時も、生活リズムを整えることから始めますね。
それが身体だけでなく、脳や心・頭の状態を整えるのに最も有効だからです
(^^)
これは、子どもが嫌だと言っても、大事なこととして譲ってはならないポイントです。
伝え方としては、一回で今すぐ納得させよう、とはしないことも大事なコツになります。
お互い感情的になりそうだな、と思ったら
「この話はまた時間を置いてしましょう」
「明日また話そうね」とタイムを取るのもおすすめです。
子どもは大人よりも「今の嫌だ」だけに集中できるので(前頭葉がまだ成長途中なため)、将来のことを考慮せずに「今の嫌だ」を強く主張してくることがあるのも、ある意味しょうがないところがあります。
大人は「子どもはそういうもの」だと心得て、粘り強く「それならもういい、好きにしなさい 👿 」とならずに対応するのがおすすめです 😉
ここはちょっと対応に手がかかるかもしれませんが、子どもが優先順位を受け入れると、その後の展開がうんとスムーズになって、回復が進みます
(^^)
(3) 回復期でもエネルギーを溜め続けられれば、子どもの回復度合いにあわせて、子どもが受け入れられることが増えていくので、大事なことはタイミングよく伝え続ける
先程の、始めは子どもが「嫌だ」と全く受け入れられない状態でも、回復期でも心身のエネルギーを少しずつでも増やし続ければ、必ず子どもの心身のエネルギー状態は良くなります。
そうなると、つい数日前までは「絶対に嫌だ」と言ってたことでも、徐々に反応が変わってくることが起き始めます。
大人は「この前も話してもダメだったから」と以前の対応を引きずりやすいのですが、子どもの方は回復が進むと、同じ話への対応も変わりやすいものなのです。
そのようなことがありますので、「子どもが嫌がるから」と優先順位が高いものに取り組むのを諦めてしまわずに、コツコツタイミングを見ながら、ブレずに話を続けるのがおすすめです 🙂
実際に、そうやって少しずつ会話が進むようになって、「うちはもう無理かも」とお母さんが言っていた状態から、完全回復どころか以前よりもいい状態になった子もたくさんいます
(^^)
家では元気になっていると、「暇」「退屈」と子どもが言うようになります。
その時に「ずっと家にいたら退屈よね」と、デジタルを好きなように使わせたり、あれこれ遊びに連れて行くのがNG対応になることは先程のとおりです。
「暇」「退屈」ならば、何をしたら自分が楽しいのかと自分で探す・工夫するチャンスにできます。
家でできることも色々ありますし、足りないものがあれば自分で買いにいくという選択もできます。
そうやって自分の「好き」「楽しい」を自分で探したり、工夫すことが、今後の日常や進路選択でも大きく役立ちます。
常日頃から手頃なゲーム・デジタルばかりで暇をつぶしたり、「これはどう?」と人に考えてもらってばかりだと、「さて、本当は自分は何が好きなんだろう?」がわからないままになります。
それではもったいないですね。
不登校だから特別扱い・・・ではなく、「今後幸せに自立する人」だということは、忘れないのがおすすめです。
不登校になると人を避けることも多いので、子どもが直接専門家に相談できないこともよくあります。
そのような場合には、お母さん・お父さんが「子どもの回復を促すための関わり方」を相談することができます。
それはお母さん・お父さんのこれまでの関わり方が不登校の原因になったから・・ということではなく、お母さん・お父さんがその子に最も影響を与えやすい人だからです。
特に不登校になれば、子どもは家にいる時間が増えるので、家族からの影響を大きく受けることになりますし、家族もその子の影響を今までよりも大きく受けることになります。
その時に、お互いに感情的になってばかりになったり、その時々で言うことがブレブレだと、回復のステップを順調に上がるのが難しくなってしまいます。
そして、多くのお母さん・お父さんには「不登校経験」もありませんし、経験があっても今とは社会環境も子どもの個性も違います。
「今不登校のこの子」にどう対応したら良いのかなんて、わからないのがアタリマエです。
だからこそ、良かれと言ったりやったりしたことで不登校や親子関係をこじらせてしまうよりも、信頼できる専門家にできるだけ早いうちに相談するのがおすすめです。
当カレッジでも、お子さんと話すこと無く完全回復している事例が半数くらいです。
「私が変わらないと」と難しく捉えすぎずに「私にもやれることがある」という思いで、信頼できる専門家に相談することをおすすめします
(^^)
「不登校だけど家では元気」おわりに
回復期が最も大事な時期だと分かったことと、その時期のNG対応と必要な対応がわかったので、とてもスッキリしました!
さっそくできることからやってみます!
回復期の過ごし方によって、不登校をこじらせずにできるだけ短くできますし、また、ある意味いい経験にすることもできるのです。
♡♡あとがき♡♡
不登校からの回復に必要なステップを順番に踏んでいくと、不登校になる前よりもいい状態(その子の可能性が開く)になります。
「あの時には辛かったけど、今は子どもが自分に自信を持つようになりました」という声はたくさん頂いています。
子どもからも「これからも色々あるだろうけど、なんとかなると思えるようになりました」と聞くこともよくあります。
そして実際に、その後の大学・そして大学院や就職したのちの嬉しい話を時々教えてくれたりします 🙂
そんな時には、お母さんと私は「あのときは大変だった」という会話をすることがありますが、子どもからはあまりそういう言葉は聞きません。
「あの時期がなかったら今みたいになってなかったかも」という子は時々います。
「不登校」をしっかり終わらせているんだな、と嬉しく思います
(^^)
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