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高校生の不登校:全日制と通信制、それぞれで必要な親の対応、NG対応
不登校は近年増えるばかりですが、高校生での不登校は義務教育期間ではないので、小中学生の不登校とは大きく状況が異なります。
また、同じ高校生でも、全日制と通信制では不登校への必要な対応も異なるので、気をつけたいところです。
登校しても遅刻が多いので、このままでは進級できるか心配です。
はい、小中学生までの義務教育とは違って、高校生になると進級や在籍の条件が厳しくなります。
子どもの回復に必要な時間とそれらの現実的な環境条件との折り合いをつけることが、高校生の不登校においては一つの大きなテーマです。
どうしたらいいのか頭が痛いです
そうですね 😐
現実的な選択肢として、全日制から通信制に移るのが効果的なこともあります。
ただ、通信制高校に移りさえすれば子どもが元気になる・・と捉えてしまうと、期待はずれになることも多いです。
通信制を選ぶ場合でも、大事なポイントもNGなポイントもありますので、それを押えておくのがおすすめです 🙂
では、ご一緒に高校生の不登校について見ていきましょう
かなり詳しい内容なので、ピンときたところからをお役立て下さい 🙂
目次
高校生の不登校の現状
まず、高校生の不登校の現状から見ていきましょう
文部科学省の不登校の定義は「病気や経済的な理由による場合を除いた年間30日以上の欠席者」となっています。
その定義で「令和2年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果 (PDF:4,994KB) ]では、以下のように発表されています。
高校生の不登校者数 43,051人
全高校生での不登校者の割合 1.4%
はい、確かに数字上ではそうなんですが。。
実際には高校は義務教育ではないので、「全日制の学校で不登校として在籍し続けることが難しい」という状況があります。
どこかで「中途退学」や「通信制への転入・編入」を選ばざるを得ないことも多いんです。
通信制高校では、登校日数がかなり少ないコースもあります。
そうなると「出席すべき日数」が少ないので、例えば心身のエネルギー不足が続いていてずっと不登校状態だとしても、先の文科相の定義(年間30日以上の欠席)にあてはまらないために「不登校者数」にカウントされなくなります。
また、中学生から不登校の子が、高校進学のタイミングで出席すべき日数が少ない通信制高校に進んでいる場合には、その子が不登校状態(心身のエネルギー不足)から回復していてもしていなくても、この数字には含まれません。
そうなんです 😐
高校生の不登校では、小中学生の義務教育期間との不登校とはかなり異なる環境だということをしっかり理解しておくことが重要です。
高校生の不登校の原因と親の対応
(1)不登校の回復へのステップ
不登校はそもそも、その子が受けたストレスの総和が、その子のストレス耐性を超えてしまって、心身のエネルギー不足状態になって起こります。
もうこれ以上動いてストレスを受けてしまったら、心身が持たなくなる・・・無意識で自律神経がそう判断したために、その子という「個体の生存=命」を守るために動けなくなっている状態です。
なので、不登校というギリギリの状態からの回復には、①心身のエネルギーを溜め直すことと、ストレスに関する2つの要因(②ストレスの総和と③ストレス耐性)を整えなおせばOKです。
子どもの年齢や学齢によって、受けるストレスの種類や質は変わってきますが、どの学齢だとしても、この3つで不登校からは回復します
(^^)/
①②③が揃えば、不登校になる前よりも遥かに柔軟な生きる力がつきますが、どれかが大きく損なわれたままで学校に戻ったり転校しても、どこかでまた不登校になる可能性が高くなるのでご注意です。
不登校からの回復のステップ
1)ショック期
親子ともにショックを受けていることを受け入れて、まずは落ち着くことを第一にします。
そのためには不登校は心身のエネルギー切れで、子どもを守るための状態だと言うことを知り、慌てないことが第一。
なるべく早く専門家につながることも早期回復のために役立ちます。
2)安静期
子どもに「病者の役割」を与えて休ませて、心身のエネルギーを溜めていきます。
安全基地があることを感じさせるような関わりが必要な時期です。
身体のエネルギーは、以前はただ家で安心して過ごせれば溜め直せる事が多かったのですが、今はそれだけではなかなか溜まらないケースが増えています。
より積極的な身体へのアプローチが必須なケースが多いのが2010年からずっとみていて感じる一番の変化です。
これが不登校の早いうちにできれば、子どもは安心して休めますし、回復に向けての協力関係ができます。
そして回復に従って徐々に義務を負いなおすというイメージも共有できます。
この前提がなく、ただ「不登校だから好きなようになんでもやってよい。親は一切何も言わない」と扱うのでは、状態の悪い子どもに、回復への舵取りを丸投げするのと同じです。
睡眠や食事におかまいなくゲームやスマホ三昧になれば、そこから抜け出すチャンスを掴むのが心身両面から難しくなります 😐
さらに不登校が長引けば、小学生でも中学生でも高校生でも、勉強の遅れは確実に増える一方です。
その遅れを取り戻そうとする時には、またそれなりに時間とお金の投資も必要になってしまうので、気をつけたいところです。
特に高校生の不登校では、あとから詳しく触れていきますが、「回復にかかる時間」と「進級や在籍条件」との兼ね合いが大きな課題になるので、早めに必要なサポートをすることがより大事です。
3)回復期
子どもの心身のエネルギーが増えてきて、活動量が増えてくる時期です。
この時期には、身体と心のエネルギーバランスを十分に整えることがポイントです。
心には「やる気」が出ても、身体がまだついていかないという状態もありますし、逆パターンもありますので、焦らずに二つをしっかり溜めていきます。
そしてやれることや義務を少しずつ子どもの手に返していきます。
勇気づけも忘れずに
(^^)
じっとしていられないタイプの子は、この段階で一気に完全登校を目指して、思い描いたようにうまくやれない自分に凹むこともあります。
慎重なタイプの子は、もうやれることにもぐるぐる考え過ぎて行動できずにとどまってしまうこともあります。
その子のタイプに応じての接し方にコツのいる時期です。
4)再活動期
実際に復帰に向けての現実的な行動計画を立てて実行していきます。
その子の気持ち・思い・身体を育ててながら、現実を行動で変えていきます。
これらのステップがうまく進めば、不登校になる以前よりもずっとしなやかな生きる力が育ちます
そうなんです。
それを間違えてしまうと、こじらせにつながって、不登校が長期化することにもなりやすいのでご注意です。
ただ、もうすでに長期化していても、これらのポイントを丁寧に進め直せば必ず回復しますので、ご安心くださいね
次は、より詳しく、高校生の不登校の原因とその対応について見ていきましょう
(2)高校生の不登校の原因と回復のために必要なこと
不登校の原因は
①ストレスの総和が多すぎる
②ストレス耐性がそれを下回っている
です。
それぞれを整えていきましょう
高校生の不登校の原因と回復のために必要なこと
①ストレスの総和を下げる
高校になると科目ごとにより専門的になります。
公立の大学を目指す場合には特に受験科目が多いので、そのなかで苦手な科目も出てきます。
中学からの苦手の持ち越しもあるので、早めに「どこの何かがわからないのか」を見つけて具体的に取り組むのがおすすめです。(時に発達の抜けが隠れていることもあります)
とりあえずで集団塾に入れたり、今の授業のところだけやっていてもなかなか改善しないので気をつけたいポイントです。
また、高校受験を経て、全体的に能力の高い集団に入った場合には、今までの「よくできる生徒」というポジションから「普通の生徒」「できない生徒」へと自分の立ち位置が変わってしまうことがあります。
「よくできる生徒」が自分のアイデンティティーとして重要だった場合には、そこから自信をなくしてしまうこともあります。
そのような場合には、ただ「頑張りなさい」「もっと勉強しなさい」だけでなく、気持ちに寄り添うことも必要になります。
アドラーいわく「全ての悩みは人間関係である」というように、どこに行っても人間関係の悩みは尽きないものです。
高校生だと、まだ友達関係が密接な「チャムグループ」状態の子もいれば、お互いの違いを認め合う「ピアグループ」の子もいます。
自分だけで悩まずに、誰かにサポートしてもらいながら「その子達とどのような関係になりたいのか」というところから考えていくのがおすすめです
(詳しくは:仲良しグループがしんどい!思春期の友達関係と親のできること)
高校になれば、全日制でも通信制でも、学校によってかなり雰囲気や大事にしている価値観、校則などが異なります。
入る前にしっかり調べたつもりでも、実際に入ったら感じていたのと違った・・ということは残念ながらあるものです。
部活でも、良い成績を出しているからとワクワクして入ったら、あまりにブラックで辛すぎた・・そこから不登校になってしまったという事例はたくさんあります 😐
今は子ども個人の感覚や体力・考え方も様々ですし、環境も実に様々です。
昔は「しょうがない、入ったんだから」で済ますことが多かったので、親世代は子どもが不満を感じた時に、つい「しょうがない」「我慢して頑張るしかない」と子どもを環境に合わせる方に引っ張ってしまいがちなので、ここは気をつけたいところです。
子どもの感じ方が甘いと感じても、それでも子どもの味方であることは前提として伝えるのがポイントです。
まずは子どもの思いを聞ききって、子どもからアドバイスを求められたら一緒に考えるのがおすすめです
参照:アドバイスはいらない:思春期の子どもの「相談」6つのパターン
必要な時には親も学校にリクエストを出すことができます。
(学校への相談の仕方などで迷ったら、専門家に相談するのもおすすめです)
ここまでは全日制でも通信制でも共通の話ですが、通信制高校では「登校すべき日数」が少なくなるので、さらに行動の自由度が高くなります。
通信制高校に中学を卒業してすぐ、または途中から転入・編入した場合に、本人の心身のエネルギーを整えるサポートをしていかないと、登校日数を減らすだけでは回復しないことも多いです。
そうなると、自由度が高い分だけ、ひたすら家で過ごすだけになることもあるので気をつけたいところです。
一人でずっと家に居ると、人との交流や刺激も少なくなるので、ぐるぐる思考を続けてしまがちです。
それで知らぬ間に、どんどん自己肯定感を下げてしまうのではもったいないですね
(><)
子どもの回復を促しながら、状態に応じて登校日数や勉強の仕方を変えられるコース変更をしていくのがおすすめです。(入学前にそれがどのように可能かどうかを詳しくチェックしておくのをお忘れなく)
高校になると自由度も高くなるので、時間の使い方の選択肢も増えます。
部活だけでなく、バイトや趣味、遊びにも自分で時間とお金を割り振れますし、行動範囲も広くなります。
特にイマドキではネットから様々な情報が入ってきます。
楽しみは大事なのですが、それらに惑わされて自分の将来にとって何が重要なのかの優先順位をつけずに、目の前の快楽だけに時間を費やしてしまうと、のちのち困ることも出てきますので、気をつけたいところです。
やりたいこと・やれることが多すぎてあれこれ楽しく夢中になっていたのに、ある日から突然エネルギー切れになって、朝起きられなくなってパニックになる・・ということも起こります 😯
子どもが健康や生活リズムの維持ができていなかったり、定期テストや行事などに自分をうまく合わせられていない様子が見られたら、「なんとかしなさい」「ちゃんとしなさい」という抽象的な声がけではなく、具体的に「何が起きているのか」について話をするところから始めるのがおすすめです。
中学時代までは、とりあえず高校(通信制も含めて)に進学するという、大まかな目標で良かったのですが、高校になればその先の選択肢の幅は何倍にもなります。
大学、専門学校、就職、留学も含めれば、今は本当に多種多様です。
大学も昔ながらの「経済学」とか「政治学」という学部もありますが、より専門的な「情報映像学」のような学びを選択することもできます。
また、似たような名称の学部でも、よく調べると入ってからできることとできないことがかなり違ったりもします。
選択肢が多いので、自由に選べる幅は広がっているのですが、その分自分で何を基準に選ぶのかが難しくなっています。
昔のように「大学に入ってからその先を考えればいい」と思っていても、それでさえ、今どこに入るのかを選ぶのは簡単ではないほどです。
ここで「自分の好きなことがわからない」「やりたいことが見つからない」とぐるぐる思考にハマって立ち止まってしまう子も少なくはないものです。
他のストレスを抱えている場合には、その思考がネガティブになりがちなので、気をつけたいところです。
学校で細かく個別に相談に乗ってもらえるような環境ならばいいのですが、担当者との相性もありますし、スポンサーとしての条件もありますから、親も子どもの進路選びが今どうなっているのかの大枠は常に把握しておくのがおすすめです。
どうも考え方がネガティブだと感じたら、早めに親が話すか、信頼できる専門家と話せる機会を設けるのがおすすめです。
高校生になると、親よりも、第三者とのほうが客観的に落ち着いて話ができることもあります。
「自分の日常とは接点のない人に純粋になんでも話せて、具体的な解決ができるのがとても役立つ」という声はよくいただきます
高校になると進級や卒業が単位制になります。
高校を卒業するには授業で74単位以上、全日制の場合には各教科で1/3以上の出席などの条件があります。
その科目に出席していることが必要なので、別室登校では「出席」扱いにならないのが、中学までとの違います。
「今日は学校に行けたかどうか」ではなく、科目ごとに授業に出席してある程度の成績を取ることが年単位で必要なんです。
全日制では休みがちだったり、遅刻が多い場合には進級が難しくなります。
成績もある程度以上のものを学年でとらないと「赤点」になって単位がもらえなくなります。
もちろん、テストだけでなく、レポートなどで学校でも救済措置はあれこれありますが、それでもうまくやれないと、その学校での進級が難しくなったり、他の「もっと通いやすい学校への転校」をおすすめされるというのはよくある話です (T_T)
子どもにとっても、もちろん親にとっても留年やせっかく入った学校からの転校はそれなりに大きなストレスです。
特に思春期の子どもにとっては、同級生から置いていかれるように感じるのはかなり辛いことになります 😐
不登校でエネルギー不足だと、頑張ろうとしても、回復途中でも、まだ1限目や2限目の科目に出席できないこともよくあります。
全日制の高校では、不登校の回復ペースと留年や転校の条件のバランスを取ることがとても大事なポイントになります。
まずいのは、身体の回復が追いつかないのに「このままだと留年や転校だ」と子どもと親が焦ってしまい、それがストレスになってしまうことです。
子どもはぐるぐる思考になってエネルギーを落としてしまいますし、親は「もう少し頑張ればもう登校できるんじゃない?」とプレッシャーをつい掛けてしまうことも起こります。
実は不登校になったことよりも、不登校で焦ってストレスを減らせないことが、不登校を長引かてしまうことは多いんです (T_T)
参考:不登校が辛い時:マイナスループから抜け出そう!
特に高校生の不登校は、「時間をかけて見守る」よりも「なるべく早くに回復に向けて具体的な支援をする」ことがとても大事です!
日常の中ではどうしても、期待はずれなことも起きるので、ストレスには出会います。
できるだけ、取り除けるストレスは片付けてしまいたいんですが、それでも予想外のストレスを受けてしまうことがあります。
なので、ストレスの総和に負けてしまわないためには、子どものストレス耐性を上げておくことも大事です。
ストレス耐性はレジリエンスとも言われる、回復力のことです。
回復力を上げるには、3つの要因を整えれば大丈夫です。
回復力の3種類の要因
(1)本人の身体的要因
栄養やマッサージなどでしなやかに回復する神経系を作る
(2)後天的な習得要因
失敗の捉え方や自分の言葉で伝える力を育てる
(3)環境要因
安全基地の確保や勇気づけでエネルギーを充填できる
文字で読むと難しそうですが、実はどれも家庭でできることばかりです
(^^)
詳しくは 回復力を高める:3つの要因を整えて落ち込みから復活する をご参照ください
全日制で不登校になった場合には、より早くにその子に効果的なサポートをするのがとても大事です!
その子のストレスの総和を具体的に下げるのがポイントですね!
また、全日制と通信制でも環境が違うということなので、そこをもう少し詳しく知りたいです!
はい、それでは次は、全日制高校で不登校になった場合と通信制での不登校状態の場合での、それぞれからの回復に向けて親の必要な対応と、気をつけたいNG対応を、より詳しく見てきましょう!
全日制高校で不登校になった場合に必要な対応・NGな対応
ここまでで見てきたように、全日制で不登校になった場合には、より早くにその子に効果的なサポートをすることがとても大事です。
どうしても進級や在籍のために、学年ごとに決められた単位を取得することが必要になるからです。
そして更に、特に高校生では早めの具体的なサポートが必要な理由としては、子どもも高校生になれば「このままだと進級できない」とか「周りから置いていかれてしまう」「長く休めば受験に見合う学力がつけられない」と考える力がかなり強くなることも挙げられます。
それらに意識を向けることが、回復への行動につながるのならばいいのですが、思いがあっても身体がついてこない時には、余計に焦りと不安を増大させて、ぐるぐる思考にハマってしまう可能性も高くなります。
そこから子どもがイライラして親や兄弟姉妹に暴言を吐いたり、ひどい時には暴力を振るうこともあります。
高校生にもなれば身体も大きいので、女子でもそれを抑えるのは大変ですし、ましては男子だと、お母さんや他の兄弟はとても怖い思いをします。
その怖さから、誰も不登校の子に何も言えなくなってしまっている・・という状態からのご相談もあります 😐
高校生の不登校は特に早くに専門家とつながって、具体的に解決するのがおすすめです。
専門家は複数の人に詳しく話を聞いてみて、ご自分が一番信頼できると思う人を選ぶといいでしょう。
できるだけ早くに、前掲の「不登校の回復へのステップ」を進めていきます。
身体と心の両方の回復度合いのバランスを整えていきます。
片方だけの回復で無理に引っ張ると、あとでまた不登校に戻ってしまうこともあるのでご注意です!
専門家と相談しながら進めていけば、回復のステップごとに必要な対応を細かくすることができます。
学校としっかり情報交換をすることも大事です。
進級や在籍継続のために、いつまでに何が必要なのかを、具体的な数字レベルで確認していきます。
「~~だろう」という予測だけでいると、急に「もう時間切れです」と学校から言われてしまうこともあります。
以前、中3の12月の半ばになってから突然「付属高校への内部進学は不可です」と言われてしまったお子さんもいらっしゃいました 😯
また、担任の先生が個人的に「厳しく言えば頑張るだろう」という考えだと、学校としての基準よりも厳しすぎることを言うケースもあります。
学校によって、不登校の回復までに時間が必要な状態の子に対して、できる限りのサポートをしてくれるところもありますし、「回復が難しそうなら無理をしないで、もっと楽なところに行かれてはどうでしょうか」とおすすめされるところもあります。
どちらの場合でも、もしお子さんが今の学校での継続を望むのであれば、簡単に諦めずにがっつり相談してみるのもおすすめです。
その時には、「今このような計画で回復に向けて具体的に努力している」とこちらの姿勢と計画を伝えることも大事です。
行きたい気持ちがあっても身体がついてこれない状態からの回復にはある程度の時間を必要とします。
身体は必要なサポートで回復しますが、その変化には日数が必要なこともあるからです。
だからこそ、早めにサポートを始めることが有効なのですが、もし進級や在籍の期限までに、出席やレポート提出などの要件を満たすことができない場合には、今の学校以外の場所を活用する案についても考えてみるのがおすすめです。
最近は高校でも、サポート校のような場所がある都道府県があります。
今通っている学校に行けなくても、そちらの方なら通える場合には、まずは今の学校に籍を残したままで、サポート校で出席日数や単位を稼げる制度があるかどうかを、今の学校に相談してみるのがおすすめです。
そのような条件が合わない場合には、他校に転入・編入するのも一つの案です。
回復が学校側の進級・在籍要件に満たない場合には、先程のサポート校の検討以外にも、他校に転入・編入することで高校生を継続することができます。
全日制から全日制の他校に転入・編入することも可能ですが、募集時期と募集人数がかなり限られます。
学校によって単位制と学年制の組み合わせ方が異なりますので、移る時期と取得単位についての計算はしっかり確認するのがおすすめです。
また、実際に通うための具体的な条件を考慮した上で、全日制から高校は通信制にするのも一つの選択肢です。
その際にはぜひ、具体的な回復プランを立てておくのもお忘れなく。
ただ「通信制に行けば楽だから通えるはず」と捉えないことも大事です。
通信制にするメリットは色々あります。
・卒業資格は全日制と同じ
・登校日数や授業日数が少なめなので、自分のペースで回復しやすい
・不登校であることに気を使わなくていい
・自分の状態が整えば、学び直しから始められる
・途中で登校日数を増やせる制度があると、その先に向けての意欲が持てる
通信制高校と言っても、システムは実に様々です。
部活が充実しているところもあれば、留学制度や語学習得、その他の技能習得システムが充実しているところ、大学や専門学校への強い推薦枠を持っているところもあります。
「通信制なんてみんな同じ」と決めつけないで、しっかり細かいところまで確認して選ぶことが大事です。
今は「高校で不登校だったこと」「通信制高校に行ったこと」が就活で、クローズアップされたりデメリットになることはありません。
まだ世の中には偏見を持つ人がいるのは事実なんですが、しっかりした就職先ほど、むしろその体験から何を学んでどう活かしているのかを言葉にできれば、それは「乗り越え体験」として評価されます。
次はNG対応について見てみましょう!
(4)不登校にショックを受けたまま、焦って子どもの回復を妨げてしまう
不登校がなにか恐ろしい、解決不可能で異常なできごとだと捉え続けてしまうと、我が子が不登校という状態だということを受け止めるのが難しくなります。
誰でも我が子が不登校になればびっくりしてショックです。
でも、それは望まない病気や怪我をしたのと同じなので、「なったこと」にこだわり続けるよりも、回復のための行動をするのがおすすめです。
不登校似なると家にいる時間が長くなります。
家で安心して、心身のエネルギーをため直せることが大事です。
親が「大丈夫。回復するし、前より強くなれるチャンスにもできる」とどっしりしていることが回復にはとても効果的です。
お母さんも癒やしや休息の時間を持ってくださいね
(5)不登校は子どもを自由にさせれば回復するという考えにいつまでも固執する
子どものエネルギー切れ状態が深刻でなければ、家で自由に休めれば心身のエネルギーがため直せて回復することもあります。
慌てずに子どもの様子を観察することは大事です。
ただ、数週間しても子どもの落ち込みや行動が変わらない場合には、それだけでは回復にかなりの時間を費やす(いつ回復するのかわからない)こともあります。
そのような時には、まずはサクッと専門家に相談してみるのがおすすめです。
解決事例をたくさん持っている専門家ならば、ストレスの総和の見立てやストレス耐性を上げる必要性についての情報をくれるでしょう。
全日制の高校は特に時間との勝負というところがあります。
現実を見据えて行動することが、その先の未来に大きく影響します。
不登校や学校にいきずらくなってすぐには、進級や在籍のための要件が満たせなくなると判断されることはないものです。
できるだけ早くに回復へのステップを始めれば、間に合うことも多いです。
ところが学校から「このままだと・・」と言われた途端に、すぐに通信制に子どもを移動させてしまうというパターンも実は少なくはありません。
気の早い、行動力のある親御さんや心配性の親御さんに時々見られます。
もちろん、今の学校の環境が好ましくなく、早く別の環境に移すことが子どもも望んでいるし、効果的ならばそういう選択もありです!
ただ、その場合も急いでその後のプランを建てるのがおすすめです。
ノープランのままで、なんとなく通信制に行けば気持ちが変わって登校して勉強し始めるのではないか・・・と
子どもとも十分に話しあったり、客観的な他者の意見も取り入れずに転入・編入をさせてしまうと、
せっかく時間とお金を投資して環境を変えても、
結局子どもは不登校状態(心身のエネルギー不足状態)で家にいるだけ・・ということも起こりえます。
今は通信制高校も学校によって特色が様々ですので、転入・編入は少し丁寧に進めるのがおすすめです。
(7)通信制などに移ることを「道を踏み外したかのように」捉える
病気や怪我での回復が、通常の通院よりも入院によって効果的に早まるならば、入院して環境を整えることが最善の選択なように、通信制高校が今は最善の選択ということもあります。
「普通じゃない」とか「自分の周りには居なかった」という理由で、親のほうがこだわり続けてしまうと、それは子どもにとってもストレスです。
大事になのはその後のプランです。
回復とその後の進路までのプランを大筋でも立てられれば、希望を持って未来を見つめられます
(^^)
そして回復への具体的なプランを建てる。
それが今の学校の要件に間に合うかどうかによって、その後の進み方を模索していく。
やるべきことがわかったので、モヤモヤが晴れて気持ちが落ち着きました!
通信制高校での不登校状態に必要な対応・NGな対応
通信制高校で不登校状態の場合
必要な対応
NGな対応
すでに通信制高校に通っているということは、特別な理由がない限り、全日制に通いつらい状態があったと推測されます。
通信制の高校で、環境を通いやすいものに整えたはずなのに、まだエネルギーがわかずに、家でじっとしていたり、数少ないスクーリングの日さえ登校拒否をしたり、レポートを出さないような状態であれば、今までの対応を変える必要があるのかも知れません。
ストレスの総和がまだ多いのか、ストレス耐性が上がらないのかの両方かどちらかです。
うまく行っている時には同じことを繰り返し、うまく行かない時には、何かを変えてみる
そんなシンプルな原則を役立ててみるのがおすすめです
通信制でもエネルギー不足状態だということは、不登校状態がある程度以上続いているということでしょう。
高校生にもなれば、子どもも「なぜ自分は不登校なんだろう」とか「なぜ今までの同級生と同じじゃないんだろう」「何が悪かったんだろう」などと色々思考を巡らせます。
考えること自体は悪くもなんともないのですが、ただ、落ち込んだ状態でぐるぐる考え続けるのでは、良い結果にたどり着くことはないものです。
「あれさえなければ」とか「自分が駄目だから」「自分は被害者だ」とかの、自分にとって前向きな未来につながらない考えでぐるぐるすることがほとんどです。
自分の未来も「だからもう先がない」などの短絡的な決定論になりがちです。
そうなると、その思考が自分にとってストレスになります。
境が整ったはずなのに、いつまでも回復しない場合には、そうやって本人の思考がストレスを造り続けていることもよくあります 😯
でも、子どもが何をどう考えているのかは、子どもの思いや気持ちを引き出してみないとわかりません。
無口な子や言葉にするのが苦手な子、「どうせ聞いてもらえないと思っている子」は、親が声をかけてもなかなか喋らないことも多いです。
そんな時には第三者のコミュニケーションのプロから関わってもらうのが一番です
以前、中学時代からの5年越しの不登校状態の、通信制高校に通っていた子とセッションを続けたことがあります。
その子は小さい頃から自分の思いを言葉にする体験が少なかったので、かなり丁寧に話を勧めていきました。
徐々に自分の思いを話してくれるようになり、時には何度も涙を流しながら、いろんな思いを教えてくれました。
そういう体験からそう思うこともあるよね
その子の秘めていた思い込みを一つずつほぐしていくことで、その子がやがて別人のような笑顔になって動き出してくれたのは本当に嬉しかったです。。。
また、第三者と話すことを子どもが拒否する時には、専門家から、子どもの言葉を引き出すコミュニケーションのコツをお母さん・お父さんが手に入れるのもおすすめです。
専門家ほど数多くの思い込みを聞き出せなくても、大事な思い込みを親に話してくれて、そこからぐんと元気になった子どももたくさん居ます
(^^)
次は気をつけたい、NGな対応についてです。
通信制高校は不登校状態でも通いやすく、勉強もしやすいように、様々な工夫がされています
相談窓口も用意されているところがほとんどです。
ただ、それでもその子にはハードルが高いことがあります。
まだそこまでの心身のエネルギーが溜められていない状態です。
通信制高校は自由度が高いだけに、本人が意欲的に通学や勉強や相談をすればちゃんとサポートが得られます。
しかし本人にそこまでの動きがないと、先生や友達との関わりも少なく、勉強の進みもプッシュされたり一緒にやる楽しさも味わいにくいので、日常に刺激や変化も起きにくくなります。
待っているだけでは回復への兆しがこれ以上育たない。
そんな時にはやはり家でエネルギーをため直すことが必要になります。
いつまでもエネルギーが低いままで自然回復を待ち続けてしまうと、子どもの自己肯定感の低下と思い込みの増加が増えていくのが大きなリスクです。
お母さん・お父さんだって、やったことのない難しく思えるチャレンジですが、専門家からのサポートを得ながら、丁寧に進めていけば大丈夫です。
ただ、不登校状態がすでに長くなっていたり、親子の関係性がこじれていたりすると、回復にも時間と手間がかかります。
そこで「もうそろそろ回復してもいいんじゃない?」と親も焦りたくなりますが、「育てる」にはどうしても時間が必要なことがあるのを思い出して、もう少し踏ん張ってみて下さい。
その子の生きる力の芽が、やがて誰にでも見つけられるくらいに大きくなってきます。
通信制に入れても子どもの状態が芳しくないと、子どもの可能性を諦めて静かに暮らす今の日常を過ごすことに親子で専念する・・になるパターンも一定数あります。
もちろん、無理に子どもにプレッシャーを掛けても、逆効果になるだけことも多いです。
必要なのはその子の今の状態をしっかり見て、その子の「本当はこうなりたいけど無理」と思っている気持ちを少しずつ希望と自信で育てていくためのサポートです。
学校に行けない、他者に会えない状態でも、家でお母さんやおお父さんができる範囲でやれることもまだあります。
まずはお母さん・お父さんが希望と自信を持ってくださるところから、始めてみるのはどうでしょうか
高校生の不登校:おわりに
でも、学齢や環境を踏まえて、その子を具体的に見ていけばいいんだとわかったので希望が持てました!
ママ友にも教えて一緒にやってみます
不登校がどんな状態で、具体的に何をすればいいのかがわかれば、ぐっと希望も湧いてきます。
お母さんが希望を持ってお子さんに関われば、それは必ず影響します。
深刻じゃなく、真剣にやってみてくださいね♡
♡♡あとがき♡♡
不登校の基本的な回復へのポイントを知り、その上で個別の学齢やその子の特徴を踏まえて関わることで、その子の本来の生きる力を蘇らせます。
また、生きる力を回復させる時には、ダメージが大きい状態ほど、回復にも時間が必要なことがあります。
それでもダメージ状態になるまでにかかった時間よりも、遥かに短時間で回復するための接し方のコツはいっぱいあります。
焦らずに、信頼できる人と交流しながら、笑顔を増やしていきましょう
(^^)/
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