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いじめといじりの違いに悩まなくていい!思春期の友だちとのつきあい方
なんと!
2017年度の日本の小中高校のいじめ認知件数は、過去最高の41万4378件です 😯
これだけでもかなりの数ですが、その陰で「いじり」だと見逃されているものもたくさんあります。
でも本当に「いじり」ならOKなんでしょうか?
でも『止めて』とはっきり言えないらしくて、そのママ友はモヤモヤしています 🙁
お子さんは、相手からすると悪気のない「いじり」だからと言うんですって。
でも、相手の意図にかかわらず、自分がされて嫌なことには「NO」を言うことはとても大事です。
いじめかいじりかという違いに悩まなくていいんです。
でも、お子さんに言ってもなかなかできないようです。
もともと日本人は「NO」を言うのが苦手ですものね。
さらに思春期になると、友達関係がとても大事になってきます。
そこでそれを守ろうとして、友だちに「NO」が言いずらい子はとても多いです。
そして今「いじりならばOK」という変な言い訳を通そうとする流れもあります。
それに巻き込まれちゃうと、「NO」がさらに言いにくくなってしまいます。
でも「NO」を言うことがお互いのためになるということと、上手な「NO」の言い方がわかると、子どもたちも新しいやりかたに挑戦するようになります。
目次
いじめといじりの違いとは?
そもそも「いじめ」と「いじり」の違いってなんでしょう?
いじめ
『大辞泉』によると、「肉体的・精神的に自分より弱いものを、暴力や嫌がらせなどによって苦しめること」とあります。
あきらかに、関係性が上と下という「縦」になってますね。
友達なら横の関係で対等のはずなのに、上下があるのはおかしいです。
いじり
同じく調べてみると「他人を弄んだり、困らせたりすること」と書いてありますが、その先に「客いじり」を参照するように示されています。
その「客いじり」の項目では「漫才などの芸で、特定の観客と会話したり、舞台に上げて巻き込むこと」となっています。
子どもたちが言っている「いじり」はこちらの意味のようですね。
でも、もともとの「いじめ」と「いじり」の違いはほとんどないというのがわかります 😯
いじりは高等技術
どうやら今使われている「いじり」は、「芸人さんが顧客を巻き込んむこと」のようですが、その目的はそのいじられた人も含めて「場を楽しくさせること」です。
綾小路きみまろさんなどのイメージですね (^_-)
この場合、もしそのいじられた顧客が不快になったり怒ってしまっては、芸人さんとしてはお仕事にならなくなるので、そのいじりは失敗です。
素人さんをいきなり巻き込んで、御本人も周りも楽しくさせるって、けっこう高等な技術ですね。
そして今テレビでよく見るのは、顧客を巻き込むのではなく、その場にいる他の芸人さんをいじって笑いを取るパターンです。
こちらの方が、少し難易度が低いかもしれません。
相手のこともよくわかっているし、相手も芸人さんですから「話題にしてもらうことで自分が映る機会が増える」し「笑ってもらうことが楽しい」という前提が既にあるからです。
相手の許容範囲が広いので、けっこう辛辣なことを言っても相手が怒る確率が下がります。
それでもどこまで誰をどういじるかは、周りの人やテレビの向こうの人たちの反応をイメージしながら調節できるのがプロの技です。
見ている人が不快になってしまったら、「人を楽しませる」というお仕事にならないですから 😉
受け手にも「自分をいじる人もプロだから、そんな加減ができるだろう」という信頼もあるので、安心していじられるんです。
いじりといじめの違いは、いじられる人が楽しんでいるかどうか
そうなると、実はいじりには「いじられる人も見ている人も楽しめる」という前提があることがわかります。
誰かを話題にして自分が面白がるだけでなく、相手も周りも楽しくなるかどうかが決め手です。
友だちが何か失敗をして場が固まっているような時に、ちょっと面白いことを脇から言って、その子や場の雰囲気を和ませられたら、それはバッチリ❣
上手な「いじり」だと言えるでしょう。
またテレビの上手ないじりを見ていると、いじっている人がその後で相手の人を上手にフォローしていたり、自分のこともいじってることや、自分も誰かにいじられているのもわかります。
一流の芸人さん達は、一方的に誰かを話題にして笑いを取るのではなく、相手のことも最後はいい気分にさせているし、自分にも同じことをしています。
誰かを嫌な気分のままにしてほったらかしたり、自分も同じ立場にたてないのでは、「いじり」とも呼べないことがわかります。
本当は自分・相手・周りの三者が楽しめてこそのいじりです。
された人が不快ならば、それは「楽しめるいじり」ではなくただの「いじめ」です。
その違いを大人がまず言葉にすることで、子どもにも分かりやすく伝えられますね。
自分が嫌だと思ったら、されている人も見ている人も「NO」を言っていいんですね。
はい。そうなんです (^^)
ところが思春期の子どもたちは、その区別がお互いにつかないので、じゃれあっているつもりで相手に不快な思いをさせていることもありますし、自分のストレス発散のいじめなのに「いじり」だと主張して正当化したがることもあるんです。
まずは大人がいじめといじりの違いを、はっきりと言葉にして子どもたちに伝えるところからですね。
思春期の子どもがいじりを不快に思ってもNOと言えない4つのわけと対策
ところが思春期の子どもに『嫌な時には NO と言いなさい』と言っても、なかなか動けないこともあります。
そんな動けない時の子どものわけを見てみましょう。
いじり・いじめで不快なのにNOが言えないわけ
(1)いじりなら乗らないとダメだと思っている
(2)場の雰囲気を壊したくないと思っている
(3)友だちにはNOを言えないと思っている
(4)相手との関係性が既に上下になっている
(1)いじりなら乗らないとダメだと思っている
これは先程の「いじり」は誰かを話題にして笑いを取るだけのことだと、勘違いしているところから起こります。
いじる人・いじられる人・周りの人の誰かが不快に感じたら、誰もがNOと言えるし止めるべきだと、みんなで共有しておきたいですね。
(2)場の雰囲気を壊したくないと思っている
いじってくる人や周りが笑っているような場合には、自分が不快に思っても、「場を壊したくないから」となかなか『NO』と言うのが苦手な人が日本人には多いです。
まだまだ、周りと違う自分の意見を言う練習が不足していますし、「場の空気を読む」のが良いことだという風潮も残っています。
それでついつい「自分が今我慢すれば」という方に流れがちになります。
時には自分も偽の笑顔を浮かべちゃったりする子もいます。
困った時についつい笑顔になってしまう子もいるので、いじった子にも周りもわかりにくくなってることもあります。
しかしこの「我慢」だけでは、不快ないじりがなくなることにはつながりません。
もし、その時1回だけで「いじり」が終わるならば、「我慢」も1つの場を切り抜ける手段になります。
ところが残念なことに「いじり」だと思ってやっている人は、された人や周りが嫌がっているとわからないままだと、また同じことをするようになってしまうんです 😯
なぜなら、自分が何かをして周りが笑ってくれるという体験には、本能的に誰もが快感を感じるからです。
はっきり相手が嫌がっているとわからないと、またその快感を求めて同じことをする確率が上がるんです 🙁
自分が周りを笑わせた快感で、相手の気持ちに無頓着になってしまうということもありますし、友だちだからこれくらいいいじゃん、という甘えが出てくることもあります。
また最近は、相手の気持や「非言語」を読み取るのが苦手な子どもも増えてきています。
快感刺激はどんどん強いものが欲しくなるものなので、いじりが激しくなる方向に進みます (><)
そうやってエスカレートして人目につく「いじめ」になってから大人が介入した時に、子どもが『だって相手も面白がってたし』と言うことがあります。
それは言い訳のこともありますが、その子が本当にそう思っていることも珍しくないんです。(嫌がっているとわかっているのにやるのは確信犯なので、別の対応(4)が必要です)
不快な「いじり」続いてしまうと、自分も我慢ばかりでは辛くなりますし、相手にもエスカレートを許すことになってしまいます。
「いじり」のつもりが「いじめ」になっていることを早めにわからせることは、相手への親切にもなるんです。
そして相手の気持ちに気づくかどうかも能力なので、一人ひとり違います。
今は、はっきりと不快な表情や無表情になってみせたり、言葉で言うことで初めて伝わるケースも増えています。
また、子どもが「止めて」と言ったくらいでは『いいじゃん』と押し切ろうとする子も居ますので、その時は周りの力も必要です。
相手の子にも「いじり」と「いじめ」の違いを分かってもらいましょう
「いじり」で不快な子に伝えること
①嫌だという意思表示をはっきりすることが必要。
・相手は気づいてない可能性もある
・どんどんエスカレートする可能性もあるので、早めにNOを言うことが大事。
・「それはダメだ」と伝えることが相手にもためになる。
②我慢する以外にも、NOを伝える方法が色いろあること
はっきりと「止めて」という以外にも、様々なNOの伝え方のバリエーションがあること。
無表情になる、黙る、いなくなるなどの方法や、あとから言う方法、他の人を介する方法など、その場の雰囲気をぶち壊さない方法もたくさん探せることを伝えて、その子ができるものを見つけて練習する
③自分一人では難しい場合には大人も相談にのるということ
(参)相手の反応に注意を払えない子
本当のコミュニケーションは、お互いが情報をやりとりをするものです。
自分が言ったこと・したことでの相手の反応を踏まえて、次の動作をするのがコミュニケーションです。
ところがイマドキは、その「相手の反応を踏まえて」が苦手な子が増えてきています。
相手の状態にかかわらず、自分の好きな時に好きなようにふるまい続けたり、相手の微妙な表情の変化や婉曲的な言い回しが読み取れない子が増えてます 🙁
それはテレビやネット、ゲーム、SNSにふれる時間が長くなって、リアルな対面でのやりとりが減ってきていることの影響です。
今目の前に生きている人が見えなくて、相手の今の気持ちがわからない時間ばかりだと、自分のやっていることがどう相手に影響するのかに、その場で注意を払えなくなっているんです。
そして相手の気持ちが読めないだけでなく、自分の表情が乏しくなっている子も増えてきています。
そうなんですよ (^_^;)
大人は『ちょっと想像すればわかるでしょ』って思うんですが、その「想像ができない」子どもが増えてるんです。
こういうタイプの子は悪気があるわけではないので、相手の気持ちがわかると不快ないじりはなくなります。
そして自分がしてることの影響を意識する練習をしていくと、共感力も育ちます。
思春期は「共感力」を司る、脳の前頭葉が育つ時期でもありますから (^^)
ここはご注意ポイントです 😉
(3)友だちにはNOを言えないと思っている
思春期には友だちがとても大事なものになります。
家族と一緒にいるよりも、自分と同世代と群れる方が大事だと思うことも珍しくありません。
そうなると相手の行動を不快に思っても、関係性が悪くなるのが怖くて、なかなか「NO」が言いにくい子もいます。
またこの時期には、「友だちとは考え方も一致するのがアタリマエ」と捉えている子もいます。
友だちと違う意見を持つことを「いけないこと」だと思ってしまうんです。
しかし、実はここに成長のチャンスが隠れています。
*本当の友だちは対等な横の関係なので、お互いの気持を大切にするもの
*行動を変えてほしいということは、相手の存在を否定することではない
*意見が完全に合わなくても、すりあわせることもできる
そして
*相手を傷つけずに自分の主張をする方法
この4つを学ぶチャンスにできます。
学校というのはどうしても先生ー生徒、先輩ー後輩の、決められた縦の関係が多い場所です。
そしてゲームやフィクションの世界では、既に決められている敵か味方かという関係性が多いです。
しかし社会に出た時には、自分で横の関係を作っていく力が必要です。
思春期のうちにこそ、「横の関係」の作り方を練習しておきたいですね。
そのためには、この先どんな関係にその友だちとなっていきたいのかを、子ども自身にイメージさせることから始めましょう。
そして相手を傷つけずに主張するコミュニケーションは、技術なので誰でも練習すればうまくなります。
(詳しくはこちらの記事もご参照ください)
友達関係がうまくいくかどうかを、しばらくは見守ってあげてください。
大人のサポートが必要になる場合もあります。
(4)相手との関係性が既に上下になっている
本来は社会的な立場や役割で上下関係があっても、人としては対等ですよね。
しかし、中にはどうしても上下関係で自分が上じゃないと不安を感じるタイプの子も居ます。(残念なことに大人でも居ますね 🙄 )
そういう子は周りをいじめることで、自分が上だと誇示することで心のバランスを取っています。
特に思春期の子どもの世界は狭いことがほぼほぼです。
めだかでも広い場所を泳いでいる時にはいじめがないのに、狭い水槽に入れるとすぐにいじめをするようになるそうです。
いじめっ子は『場の空気を読め』という同調圧力をかけてくるのですが、結局それは声の大きなものの言うことを聞けと言うただの脅しです。
「いじりだから」というのもただの言いわけに過ぎません。
相手が上下関係を作ることに懸命だったり、既にその関係性に巻き込まれている場合には、そこから抜けるには上手に作戦を立てることが必要です。
正面から「そのやりかたは間違っている」と言っても、相手は感情的に反応するだけだからです。
時々、大人に相談したらいじめが悪化したという話がありますが、それは関わり方の作戦がまずかったからかもしれません。
このようなケースでは相手へのサポートも必要なことが多いので、専門家の手をサクッと借りるのがおすすめです。
でも、対応もわかったので安心です✰
いろんな視点からの見方や、コミュニケーション方法がわかるといいですね。
あとは相手の成長度合いにも依りますので、しっかり見守っていきましょう
子どもがいじり・いじめで不快だと、言えるような関係を作っておく
子どものいじめはなかなか減らないのは、大人が気づかないところで行われていることが多いからです。
大人が不快な思いをしている子どもに気づけると、上記のような対応ができるので、その状況から抜けられるようになります。
子どもが早めに大人に不快だと言えるような関係を作っておきたいですね。
そのために日頃から、大人が心得ておきたいことは3つです。
①子どもが言いにくことを言った時に褒める
子どもの失敗や予想外の悪い結果がでた時には、大人はがっかりのあまりに怒った口調になってしまうことがあります。
特にしばらくしてからの報告の場合には『なんで今まで隠してたの?!』と、ついつい言いたくなるものです。
しかしせっかく勇気を出しても、第一声で怒られるのでは、子どもも言い出しにくくなるばかりです 🙁
『わかった。言い出しにくいことを言ってくれてありがとう』とまずは言えるように、このフレーズを覚えておくと役立ちます。
②マイナス感情があることもOKにする
思春期になると「こうなりたい自分」がはっきりしてくる分だけ、「できない自分」をとても恥ずかしく思うようにもなります。
いじられている自分、止めてと言えない自分、仲間はずれを怖がっている自分
そんな自分だと、誰かに言うのはかなり勇気がいるものです。
大人でもそうですよね 😳
そんなマイナスなことも言いやすくするためには、日頃から大人の「勇気がなかった体験」や「しょんぼりした気持ち」などのマイナス感情も言葉にしておくと良いでしょう。
「こんな体験があって、こう感じたんだ」という話をサラッとしておくだけでOkです。
子どもも自分の体験をシェアしやすくなります。
③子どもの気持ちを尊重する
『いじり・いじめは良くないことだからやめさせなくては!』といつも正面突破だと、子どもの人間関係が壊れてしまうこともあります。
思春期の子どもにとって、友達関係はとても大事です。
日頃から子どもの話をよく聞いた上で、まずは子どもの「その子とどうなりたいのか」という気持ちを聞くところから始めるのがオススメです。
子どもも話していくうちに、気持ちの整理もつけられます。
そして相手も未完成な思春期の子どもです。
正論・理屈だけではこじれることもあります。
相手がどんな子なのかを見極めて、我が子がちゃんといい状態になれるような作戦をしっかりたてましょう。
いじりといじめの違いに悩まなくていい❣のまとめ
いかがでしたでしょうか
今週は「いじめ」を「いじり」だから・・と受け入れようとしてしまう子どもの理由と大人の対応についてお話してきました。
また子どもが相手に『止めて』と言えないことに「なんで?」と思っていたんですけど、それもよくわかりました。
子どもなりのわけに寄り添って、進めるように話してみます。
きっとホッとすると思います♡
よろしくお伝えくださいね。
♡♡追伸♡♡
今週は、もういじりに巻き込まれているお子さんへの対応をメインにお伝えしました。
自分の「不快」という気持ちを大事にして、うまく表現することは大事です。
我慢ばかりしていると、やがて「いじられることで自分は場をなごませている」などど、その状態を正当化し始めちゃうこともあるからです。
でも本当は「いじり」と「いじめ」の区別がつかずにやってしまったり、言い訳にするのをなくすことが一番です。
やられた子が対応を考えるのではなく、そもそもいじってくる子の方が、他の人の感情も大切にしつつ、自分なりのパファーマンスができるようになることが重要だからです。
ユーモアセンス・とんちが鍛えられますね。
「いじりならOK」という安易な切り札は、みんなで手放しちゃいましょう (^^)
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