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「苦手なことはやらない」は「ただの逃げ」とはどう違う?
「苦手なことはやらない方がいい」と聞いたことはありますか?
苦手なことを克服しようと頑張るよりも、得意なことに専念する方が、自分にも周りにもずっと役に立つ・・・という考え方です。
これは一つのとても重要な考え方なんですが、「それがただの逃げとどう違うのか?」を踏まえておくのも大事です 🙂
何かの動画から感銘を受けたみたいです。
私も、それも一理あるとは思うのですが、半面、苦手だからやらないっていうのはただ逃げることにならないのかと気になります。
そうですね。
誰でも苦手には関わりたくないと思いますから、やらずにすめばありがたいです 🙂
ただ苦手をただ避けるだけでは、それはず~っと苦手なままになりますから、苦手が増えるばかりになっちゃいます 🙄
でも、苦手をすべて克服しようと頑張るのも辛いです。
そこが迷いますね
そんな時に役立つ、2つのポイントがあります。
そのポイントを踏まえてみれば、苦手ともうまく付き合えます。
ではこれから、「苦手なことはやらなくていい」という言葉の意味と、2つのポイントをご一緒に見てみましょう!
目次
「何でもフツウにできる人」と「得意がある人」
まずは、「苦手なことはやらない」について詳しく見てみましょう!
「苦手なことはやらない方が良い」という言葉は、そもそも「苦手があってはならない」という言葉に対して生まれたものです。
日本ではずっと「決められた項目については、苦手があってはならない。決められた項目は、皆と同じペースですべて合格点をとるように」という教育が一般的でしたし、今もその名残は色濃く残ってます。
他の国では10代の前半から「自分の目指す職業に必要なコース」を選択したり、能力に応じて飛び級するシステムが多く見られるのですが、日本では特に義務教育中は「決められた科目を、全員で同じペースでまんべんなく習得すること」が求められるシステムになっています。
「決められた合格点」に達しない時には指摘されたり指導されたりしますが、どんなに優秀でも大学でさえ飛び級は一般的でないので、優れていても「皆と同じ」に進むしかありません。
「優れていることを伸ばす」よりも「全員が同じペースで苦手をなくすこと」を重視しているシステムなんです。
まんべんなく平均であることが求められるので、得意なことも苦手なこともあって均せばその平均が同じでも、「とにかく苦手なことをなくすように」と注意されます 😯
みんなよりできてもその先に進むチャンスもないし、できないことは注意される!
そうなんです 🙄
そんな環境で子供時代をずっと過ごすので、「苦手」や「失敗」に対して、大人も子どももとても過敏です。
何か優れたことがあっても、「苦手」があるとそればかりに注意が行きます。
「みんなよりできないこと」があると「人並みでない」「おかしい」「やれるはず」とダメなように扱われてしまうんです。
私も毎日やってますけど、こうやって改めて見ると、ダメ出しばかりだと子どものやる気なんてわかないですね
そうなんです、楽しくないですね 😐
特に学校では「苦手があれば頑張って克服するべき」が「得意・好きを見つけて伸ばす」よりも優先されることがほとんどです。
しかもその項目も決められた一定のものだけで、社会に出たらそれ以外のもので活躍できるのに不思議ですね。
「苦手でも頑張っていること」や「努力していること」が、「得意や好きなことに打ち込んでいること」よりも大きく評価されるという不思議な環境です。
子どものやる気や意欲は「苦手がない」という前提の上で評価されます。
『△は苦手でも、○は得意だよね!』ではなく、いつも『○はいいけど△がね』と声をかけられてばかりだと、やがて子どもは自分でも自分にダメ出しばかりするようになってしまいます。
日本の子どもの自己肯定感は世界の中でも、びっくりするほど低いんです
(T_T)
また、かつては社会での働き方も「組織が命じた仕事をする」ために、担当する仕事の内容や場所が突然大きく変わるのもよくあることでした。
突然の仕事内容の変更にも応えられるように、「一通りできること。苦手があっても頑張って克服すること」が求められていました。
ところが、社会はどんどん変化して複雑になったので、どの仕事でも専門性が高くなってきました。
もちろん、組織の中で担当が大きく変わることは今でもありますが、一方では専門職が求められたり増えているのも事実です。
そして仕事においても趣味においても、今ではニッチな専門や好みでも、ネットを介してそれを必要とする人に出会えるチャンスがとても大きくなりました。
むしろ何についても高い専門性を持っている方が、それを必要とする人には強く求められる時代になっています。
そうなんです。
それに社会全体ではなく個人としての話でも、誰でも「苦手なことをただ頑張って克服しようとする」のには、とても大きなエネルギーを使います。
「嫌だ」というのは「それから遠ざかりたい」という感情エネルギーですから、それを持ったままでその苦手なことに取り組むのは、ブレーキを踏みながら前に根性で進もうとするのと同じです。
気持ちも乗らないし、時間もかかるし、上達も遅くなっちゃいます 🙄
反対に得意や好きなことをする時には「それをもっとやりたい」というエネルギーのままに動けますから、とてもラクに楽しく取り組めます。
上達も早く進むんです。
そうなんです!
なので、そんな「苦手をなくすために頑張る」よりも「得意・好きを伸ばそう!」という考えから、『苦手なことはやらない方が良い』があちこちで言われるようになってきたんです。
苦手にばかりフォーカスして、その克服ばかりに時間を費やすのはもったいない。
それよりも、その人の得意・好きなことにエネルギーを注げば、その人も楽しいし、それが専門性になって人の役にも立つ。
人には苦手なことや得意なことがあるのがアタリマエ
・・という考えからの言葉です。
得意で好きなことは頼まれなくても自分から努力も工夫もしますから、どんどん得意になりますもんね。
それに楽しい気持ちで何かをしている人のそばにいると、それだけで気持ちも良くなります 🙂
そうですね♡
自分の得意・好きがわかっている人は、「役割を決められるのを待つ量産型の生き方」から「自分で決める人生」を歩めるようになります。
イマドキではその人をずっと長期間養ってくれる、守ってくれる組織は無いと思ったほうが良いですから、自分の人生の舵は自分で握るしかないんです。
・・・ただ、それはとても良くわかるんですが、じゃあ「苦手なことはやらない」ので本当にいいんでしょうか?
実際に学校でも仕事でも、「苦手なことをやらなくてはならない時」ってありますし、やらないばかりだと苦手だらけになりそうで心配です。
はい、それは気になりますね。
次はそれについて見てみましょう!
「苦手なことはやらない」を活かすには
取り組む苦手とスルーする苦手
「苦手なことはやらない」をただ「苦手なことからは逃げる」「苦手は放置する」として使ってしまうと、「苦手」と感じたが最後?、どんどん苦手でやらないことが増えてしまいます。
また、どんなに「得意で好きなこと」のなかにも「苦手なこと」はあるものです。
「苦手だから」と「やらないで放置」ばかりだと、せっかくの得意・好きなことも十分にやりきれなくなってしまうことも出てきてしまいます 😯
それではもったいないですね
(><)
「苦手なことはやらない」という言葉には「苦手はすべて頑張って克服しようとしなくて良い」「得意・好きを伸ばすことにもっと目を向けよう」という意味が含まれてるのはこれまで見てきたとおりなんですが、それは「苦手から目を背ける」というのとは異なります。
まあ人情としては、手や嫌なものからは目を背けたり「なかったコトに」したくもなりますね
(^^;)
ただ、時間とともに関係が全くなくなるものなら良いんですが、どこかでまた、あるいは似たような「苦手」に出会うこともよくあります。
いつも逃げたばかりで、だんだん自分のできることが少なくなってしまうのは避けたいところです。
なにかしらの決着?をつけたいです
そうですよね。
ただ、先程見てきたように、「すべての苦手」を頑張って克服しようとするのは苦行なので、まずは「取り組む苦手とスルーする苦手」を見分けるところから始めましょう!
それが「苦手とうまく付き合うために役立つ第1のポイント」の『自分に必要なことなのかと考えてみる』です。
一つ一つの作業として「苦手」なことでも、それが「自分の望む未来に必要なのか?」と視野を広げてみると、見え方も変わります。
苦手としてマイナスな感情しか持てずに、イヤイヤ取り組むしかなかったことでも、それが「望む未来」につながることならば、プラスの感情エネルギーで取り組めるようになります。
「苦手だから克服しよう」よりも、遥かにラクに進みます 😉
またその時には、具体的にどこまでできればいいかと考えることもお忘れなく!
例えば今までのセッション事例でも、部活のA君と仲良くなれない、苦手・・・というご相談がありました。
そこで「A君とどれくらい親しくなれることを望むのか」と考えてみたら、「部活の活動に支障が出ないくらいでOK」だと気づいたので、迷いがなくなった・・・というのもありました。
別のご相談では、苦手なクラスメートと、別に今以上に仲良くならなくても良いという結論になった子もいました 🙂
また、苦手な科目の勉強でも、このくらいまで成績が取れれば良いとはっきりすれば、やれることも具体的に見つかります。
苦手科目は今の成績のままで、他を伸ばせば大丈夫だと分かれば、そちらに注力するという選択もできます
(^_-)
一度「自分が望む未来にどれくらい必要?」と捉え直してみると、その苦手にどれくらい取り組むのか、スルーしてもいいのかを自分で選べるようになります
ポイントは、作業や行動ごとの「苦手」に振り回されるのではなく、それが自分の望む未来に具体的にどれくらい必要なのかと見つけることです。
そして大事なのは、本人が「苦手だけど自分の未来に必要」だと思うことです。
例えば親から見れば必要だと思えることでも、子どもが必要だと思わなければ、わざわざ自分の苦手には取り組もうとしないものです。
親が必要だけど子どもは必要でないと捉えている時には、まずそこからすり合わせをするのがオススメです。
子どもには子どもの考えもありますし、また脳の発達途中には長期的に考えるよりも今の苦手意識に引きづられてしまうこともあります。
子どもの気質に合わせたコミュニケーション方法も色々ありますので、ピンときた方は講座などもご活用ください
そして、その「苦手」に取り組む必要があるとなった場合には、その「苦手のワケ」を見るのが第2のポイントです 😉
どんな気持ちにも必ずワケがあります。
「苦手」と感じるワケがわかれば「できること」も具体的に見つかります
(^^)
苦手を感じる時のワケとできること
これらは単独の場合もありますし、いくつかが絡み合っていることもあります。
ピンときたところからお読みください。
コミュニケーションや苦手科目の勉強、スポーツなど、自分なりにやろうとしてもなかなか良い結果が出なかったり、時間がかかることは苦手だと感じちゃいますね。
そんな時でも「自分に必要」「もっとうまくやれるようになりたい」という思いがあるならば、その人がよりうまくやれる方法を見つけるのがオススメです。
ただ一通りの方法で「頑張る」のでは結果が出ないことでも、今は様々な方法がありますので、他の方法を試してみることで、びっくりするほど結果がでることはよくあります。
自分の特徴を踏まえた上で、コミュニケーションやスポーツなどは得意でスラスラやれている人を真似たり、アドバイスを貰うのが一番の早道です。
少しの事例だけを「正解」とするのではなく、「やれている人」から幅広い選択肢を手に入れましょう。
当カレッジでは、まずその人が何が苦手なのかを具体的に詳しく見つけます。
そしてその上で、その人ができることをたくさんの選択肢の中から選んで試すことで、実際に苦手感がなくなるのをサポートしています 🙂
大事なのは「正解にその人を合わせる」のではなく、「その人ができる方法を見つけること」です。
また苦手をその人の得意なことでカバーするという方法もアリです
(^_-)
さらに、勉強やスポーツの苦手には、発達の抜けが絡んでいることもあります。
気づかれない発達の抜けがあることで、学習や身体の動きが制限されていることも実は珍しくはないものです。
でも、ご安心くださいね。
発達の抜けはいつからでも埋められるものなので、そこから勉強や運動が急にラクになって驚かれることもよくあります。
どんなことでも「生まれつき」と諦めてしまう前に、試してみる価値のあることは色々あるので、希望を持ってくださいませ!
当カレッジでも、小さい頃からずっと人と会話するのが苦手だと思いこんでいた子が、今では会話が楽しくて楽しくてと大得意になっている事例もあります
ヽ(^o^)丿
また、勉強や運動やコミュニケーションは自分がすることなんですが、部活の仕事とか「他の人がやってもいいこと」の場合には、その部分を得意な人に頼むという選択もアリです。
例えば「最高のチームワークで優勝したい」という望みのために、その苦手な仕事を自分でやるよりも、得意な人に頼むことで、より良い結果につながることもあるものです。
苦手だと思うことも、一度しっかり自分でやってみて、どこが苦手なのかを把握した上ならば、人に頼むのは一つの効果的な方法です。
「苦手は克服しなければ」「全部一人でやり遂げなくては」と思いこんでいると、「他人に教わる」「他人に頼む」をしにくいこともありますが、それらは「その人が自分の得意を役立てるチャンス」にもなります。
これからは「お互いの得意をシェアし合う」ことがますます必要になることも思い出しくださいね~
これまでの「嫌な体験」と結びついているために、「苦手だ」と思いこんでいることもよくあります。
「人前で話す」「目上の人が苦手」などは、生まれた時から苦手だったことはないはずなので、どこかで「苦手」「嫌だ」と思った体験があるはずです。
その時感じた思いが強かったので、「いつでも苦手」と思っていることはよくあります。
そしてそれ以降に「苦手だ」と思いながら似たような体験することで、より「苦手感」が強くなっていることもあるんです。
先程の(1) 時間がかかる。うまくできないことをやった時に、「苦手感情」が強くこびりついてしまっていることもあります。
このような場合には、似たようなことでラクにできること・できたことを見つけてみたり、「ラクにやるために必要なこと」を手に入れたり、「苦手だった体験」から強い思いを取り除くことで、苦手という気持ちを取り除くこともできます。
そこから「苦手を感じずにできた」という体験がまた積み重なっていけば、苦手感はすっかりなくなります。
そうなると、気にせず自由に行動できる幅が広がりますし、苦手意識を感じる他のことでも「なんとかなる」と自信が持てます。
一人では難しい場合には、ご相談ください 😉
音や肌触り、味や匂いなどの感覚が敏感な場合には、「感覚的に苦手感」を持つこともあります。
人混みが苦手とか、教室の匂いが苦手ということもあるでしょう。
この場合も、「苦手な体験」が積み重なると、さらに苦手感が増してしまうこともありますし、感覚的に苦手感が強くてイライラしたり落ち込んだりすることで、2次的な悪影響が出てしまうこともあります。
早めに改善したいですね。
「感覚的な辛さ」はなかなか同じように感じる人以外にはわかってもらえないので、時に「大したこと無い」とか「気が弱い」「過敏過ぎる」と言われてしまい、辛さの上に孤独になってしまうこともあります 😐
安易に周りが「気にしない」「頑張れ」と言わないことも大事です。
このような場合で「もう少し楽になりたい」と思う時には、感覚の鋭敏さを緩める方法を身体からのアプローチで試すことが可能です。
感覚の敏感さは幼少の頃からの場合もありますし、思春期の成長期に顕著になることもあります。
どちらにしても「頑張り」や「気にしない」で解決することではないので、身体からのアプローチがおすすめです。
怖がりさんは少ない情報で「危険」だと思いこんでしまうことが起きがちです。
例えば初対面の人に、以前苦手だった人と同じ顔の特徴を一つ見つけただけで「この人も苦手」だと思いこんでしまうこともあったりします。
それは、なるべく「苦手だと思う範囲を広くする」ことで、危険辛味を守ろうとする無意識の働きです。
ところがこの働きが強すぎると、何につけても「苦手」ばかりを見つけてしまうので、どんどん苦手が増えて、しかも避ける方向にばかり行ってしまいます。
それを放っておくと、最終的には「引きこもる」ことで身を守ろうとするようにもなっちゃいます 😯
本当に危険なものだけから身を守れば良いはずなのに、これでは好きなことや興味のあることにも手が出せなくなってしまいますね
(><)
この様な状態では、「本当にその対象は危険なのか?」と考え直してみたり、「頑張って苦手を克服しよう」と決意することで実際に試すような行動ができればOKです。
「実際に苦手と接しても大丈夫だった」という体験が増えていけば、過剰な「苦手」による拒絶や引きこもりはなくなります。
ところが「克服したい」と思っても、身体が行動できないこともあります。
そのような場合には、身体・心・頭それぞれを安心させるアプローチで、徐々に動けるようにしていきます。
これは少しプロの技術がいりますので、必要な場合には個別にご相談ください。
でも、どれも解きほぐせるんだとわかって安心しました
ご安心くださいね
「苦手なことはやらない」は「ただの逃げ」とどう違う?:終わりに
でも、「苦手だから克服する」のではなく「自分の望む未来に必要なのか」という視点で見分ければ、ずっと気楽にやれそうです。
思春期には、その時の単純な「苦手意識」「好き嫌い」「めんどくさい」に振り回されることもありがちですが、それが自分の望む未来につながっていると分かれば取り組み方も変わってきます。
そして子どもにそれを伝える時には、伝わるコミュニケーションを活用してみてくださいね。
つい、一生懸命になると、その場ですぐに「正しいこと」をわからせようとしちゃうので気をつけます 😳
「苦手なことはやらない」はとても大事だと思うので、一度子どもの考えを聞いたり、詳しく話をしてみます
♡♡あとがき♡♡
社会が大きく変わりつつあるので、「これで大丈夫なの?」と思う考えも色々出てきています。
いつでも大人はそれまでのアタリマエと異なることには違和感を持ちますが、子どもはスイスイと取り入れることもよくあります 🙂
ただ、子どもの解釈はまだ中途半端なこともありますので、時にはその言葉だけで判断せずに、子どもがどうそれを理解しているのかを聞いてみるのもオススメです。
それは子どもにとっても自分の考えを言葉にする練習にもなりますし、お母さん・お父さんにも、我が子の考えの一端を垣間見るきっかけにもなります。
思っていたより子どもがしっかり考えていることに驚かれる方も多いです
(^^)
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