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「 思春期うつ」を知っておこう!「反抗期だから」と見落とさないために
「思春期うつ」をご存知ですか?
「思春期うつ」というと「特別で大変な状態」のように聞こえますが、実は中高生のクラスに1〜4名は居るくらいの「それほど珍しくない状態」です。
落ち込んで悲観的な気分や無気力な感じが回復せずに続くようならば、何らかのサポートが必要な思春期うつという状態です。
しかし、必要な手当てを早めにすれば、子どもだからこそぐんぐんと回復もします。
でも子どもは自分でもうつだと気づきにくかったり、時に大人からも反抗期の特徴と見落とされてしまうことも多いんです。
早期発見のためにも、思春期うつについて知っておきましょう 🙁
ちょっとびっくりしたんですが、聞いてみると思春期には多いそうですね。
もちろん、もしなっても必要なケアでぐんぐん回復しますから、「大変!」と思い過ぎなくていいんです 😀
でも思春期うつは見落とされることもあり、そのまま長期化したりこじれてしまうことも、残念ながら多いんです。
それに私も「思春期うつの見つけ方」なんて知らないです!
大人のうつとは違うんですか?
ではご一緒に、思春期うつの特徴と見分け方などを見てみましょう!
目次
思春期にはうつになりやすい?
思春期うつは、実はそれほど珍しくないものです。
思春期にうつになりやすいのには理由があります。
思春期にうつになりやすい理由
①思春期は身体・心・頭がバラバラに育つ不安定な時期であること
男性・女性としての身体になる時期なので、変化の途中では不安定にもなりますし、その変化を受け止める心や頭の準備が充分でないこともあります。
「自分とはどんな人間だろう」と不安や悩みを抱えやすく、相談もしにくいことなので、一人でぐるぐる考えているうちにうつ状態になるというのは、昔から思春期にはよくあります。
②親離れをする時期であること
自立のために親・大人との距離を置こうとする時期ですが、それで自分の悩みについて親やまわりの大人に話さないことも増えます。
一人で悩んだり、同じ年頃の友達同士で語っているうちに、どんどん落ち込んでしまうこともあります。
③友達関係で悩みやすい
思春期は親よりも友達との距離を近くしたい時期です。
ところがお互いに不安定な気分だったり、不十分なコミュニケーションの仕方だったりするので、友達関係で悩みを持つことも多いんです。
特にイマドキではSNSで24時間つながってしまうので、一度友達関係がこじれると「自分の世界全て」がうまく行っていないと思い込んでしまうこともあります。
④評価される、進路選択などで悩みやすい
思春期になると勉強や部活の成績で順番を付けられることも増えます。
また、イマドキでは進路選択も複雑なので、子どもだけでは情報の整理や選択ができずに悩み続けてしまうこともあります。
⑤異性のことで悩みやすい
この時期から異性に強く関心を持つようになります。
モテたいという自然の欲求から、自分の容姿や性格について悩むこともよくあります。
友達関係についてと同じように、自分らしさを表現したい欲求と相手に受け入れられるようにふるまいたいという欲求で葛藤することも多いです。
⑥ストレスホルモンの働き
ストレスを感じた時にでてくるホルモンが、大人ではストレスに対抗力をつけるように働くのに、なぜか思春期にはストレスをより強く感じさせるように働いてしまうという研究結果もあります。
それで思春期の子どもは、ある一定以上までのストレスには強いのですが、一定量を超えたストレスになると、そこからがくっと落ち込んでしまうと言われています。
ストレス耐性を上げるには、身体・心・頭の3方向からのアプローチがあると早いです。
思春期は大きく変化する時期なので、実は身体も心も頭も結構不安定ななかで頑張っています。
もちろん若いので柔軟性も十分にあって、自分の課題を乗り越えることで成長していきます。
でもある一定以上のストレスには極端に弱くなるという特徴があるんです。
これは、特定の出来事が原因として思いあたらない場合でも起こります。
その子の身体・心・頭のストレスの総和が大きくなりすぎることで、思春期うつになりやすくなるんです。
特に大きな事件がなくても思春期うつになることもあるんですね。
お子さんの落ち込み状態や不調が1週間以上たっても改善しないようならば、うつも疑ってみてください。
思春期うつは見つけにくい
思春期うつは極端に珍しいことではないのですが、発見されにくいとも言われています。
それは思春期うつ特有の「わかりにくさ」があるからです。
逆に言えば、そんな特徴を知っておくと早期発見に役立ちますね。
まずは一般的な大人のうつの症状をご紹介します。
(1)大人のうつ症状
大人のうつ症状
・気分の落ち込み、悲観的
・食欲不振または過食
・睡眠不足(眠れない、眠りが浅いなど)または過眠
・楽しさ・喜びなどの感情がわきにくい
・色々なことへの興味・関心がなくなる
・集中力の低下
・意欲がなくなり、ぼんやりしていることが増える
・体調不調(耳鳴り、頭痛、めまい、腹痛、肩こり、生理不順、下痢・便秘)
・疲れやすい
これらの症状が1週間以上つづくようならば、思春期うつもチェックしてみてください。
(2)思春期うつの特徴:見つけにくいワケ
思春期の子どもに、大人のうつと同じ症状がみられたら、うつだとわかりやすいですね。
ただ思春期では、大人のうつと同じ症状になることもありますが、時には大人のうつ症状がそろわないことがあるんです。
そうだとうつだとは気づかれにくくなりますね。
また、そもそも思春期には体調や気分が不安定なことも珍しくないので、それと見間違えられて、いくつかの症状があってもうつだと見落とされることもあります。
それで思春期うつが発見されないままになり、知らずに長期化していることもあるんです 🙁
ここではより具体的に『思春期うつが気づかれにくいわけ』を見てみましょう
思春期うつが気づかれにくいワケ
①大人のうつ症状が揃わないことがある
②イライラとして現れやすい
③口数が少なくなる、意欲がなくなるも誤解されやすい
④自分の状態に気づいたり伝えにくい
⑤身体症状として表現されることが多い
⑥躁状態のあるうつは分かりづらい
①大人のうつの症状が揃わないことがある
大人のうつと違って、思春期のうつでは深刻な悩みがあっても食欲があったり、昼夜逆転していても睡眠不足でないことなどがあります。
そうなると、なかなか「うつ」だと本人も家族も思わないので発見が遅れがちになってしまいます。
②イライラとして現れやすい
うつというと元気がなくて、塞いでいる状態だと思われがちですが、思春期うつの場合にはイライラして怒りっぽくなることもよくあります。
しかしもともと思春期にはホルモンの関係で、感情の波があったりイライラすることは珍しくないという特徴もあります。
(参考:脳科学で納得!)
それで「思春期は気分が不安定だからね」「反抗期だからイライラしているんだろう」などとまわりの大人からも思われてしまい、うつの発見が遅れてしまうこともあるんです。
③口数が少なくなる、意欲がなくなるも誤解されやすい
思春期になると子どもは親から距離をとりたくなります。
それで小さい頃のように何でも話してくれることがなくなったり、友達とは話すのに家ではあまりしゃべらない・・ということもよくあります。
また学校で頑張っている分、家ではダラダラしたりすることもあるでしょう。
そんな思春期の状態と、うつで口数が少なくなったり、意欲がなくなっている状態とを混同されることもよくあります。
④自分の状態に気づいたり、言葉にして伝えにくい
思春期には身体・心・頭がバラバラのスピードで成長するので、「不安定な状態」が当たり前になる時期でもあります。
子供も自分の身体や心や頭のアンバランスさを『思春期のフツウの不安定さ』なのか、何かのサポートが必要な状態なのかのを見分けるのは難しいんです。
また思春期になると、小さい頃のように単純に「痛い」「嫌だ」「〜〜がわからない」などよりも、ずっと複雑な感覚や思いを持つようになります。
その複雑になった身体の状態や心の状態や頭で考えていることを、上手に言葉にして誰かに説明できるまでには、思春期の子どもの「言葉の力」は育っていないことが多いです。
この「言葉に力」はとても個人差のあるところですが、一般的には15歳位まで、特に男子は説明が苦手です。
だからこそコーチングのような『引き出すコミュニケーション』で関わってもらうと思春期の子どもはずいぶんと楽になります 😉
そうしてるうちに、うつが気づかれずに進んでしまうこともあるんです。
できたら大人が早めに気づいてあげたいですね。
⑤身体症状として表現されることが多い
思春期うつの場合には、どちらかというと子どもからは身体症状として表現されることが多いようです。
でも頭痛やお腹が痛い、肩こり・便秘などの身体の不調の訴えだと、大人はなかなかうつだとは気づきにくいですね。
子どもの体調不良が長く続くような時には、うつもチェックしてみてください。
思春期うつは、身体・心・頭の3方向からのアプローチがあると早く回復します。
⑥躁状態のあるうつは分かりづらい
うつの中には、ずっと落ち込んでいるタイプと、躁状態と落ち込みの状態が繰り返しやってくるタイプもあります。
躁状態というのは、通常よりも気が大きくなったり行動的になる状態なので、一般的なうつのイメージとは反対ですね。
このタイプだと思春期うつだとは気づきかれにくくなります。
なるべく早期に発見したいんですが、思春期には気分や体調の波があるのがフツウなので、それと混同されやすいんです。
お子さんの状態が1週間以上たっても改善しない場合には、うつもチェックしてみてくださいね。
では次に、お子さんを「もしかして思春期うつかな?」と思った時の親としての行動ステップを具体的に見てみましょう!
もしかして思春期うつ?と思った時に
子どもが自分から『調子が悪い』と相談してくれればいいのですが、なかなか自分からは言ってくれないことが多いです。
そこでお子さんの様子から『もしかして思春期うつ?』と思ったら次のステップで進めてみましょう。
思春期うつかも?と思った時のステップ
(1)子どもに声を掛ける
大人のうつの症状でご紹介したような症状が見られて気になる場合には、「今自分の身体や心がどのような状態だと感じているのか」を、まず子どもに尋ねてみましょう。
それで子どもが話してくれる場合には、マイナスな言葉でもそのまま聞いていきましょう。
聞きながら途中で、「そんな悲観的なことを言わないで」と言いたくなることもあるかもしれませんが、まずは子どもの話を聞ききることをめざしましょう。
なるべく子供の言葉をそのままメモか録音をしておくと、もし専門家に見せることになった場合にとても役立ちます。
もし子どもが自分から前向きな話をするようでしたら、その流れに乗っていくのでOKです。
(2)子どもの身体症状を見極める
子どもの話を聞こうとしても、子どもが自分の状態を話したがらないことや、うまく話せないこともあるでしょう。
そんな時には無理に話を聞き出そうとしなくてもOKです。
思春期うつの場合には、身体症状や動きなどを見ていくとわかりやすいことも多いです。
食事の様子や睡眠の様子、表情、行動などの変化を見極めていきましょう。
寝付きが悪くなった、朝起きられなくなった、急に食べなくなった、または食べ過ぎるようになった、笑顔がなくなった、外出やスマホのチェックが極端に減ってきた・・などが見られたら、気をつけて他の様子も観察してみてくださいね。
特に睡眠は、長く寝ているようでも深く眠れていないこともあるので、「時間」だけでなく「質」も大事なチェックポイントです。
何か気になることを見つけたら記録しておきましょう。
日々の変化も記録しておくと役立ちます。
(3)情報を集める
家での様子だけでなく、クラスや部活、塾などの様子を周りの人に聞いてみましょう。
この時に相手の人からアドバイスをあれこれもらうことがありますが、情報とアドバイスを分けて整理しましょう。
「思春期うつだったらどうしよう〜」と慌てながら聞いていると、色々なアドバイスに心が揺れるかもしれませんが、ここは専門家の話を軸に進めることにしましょう。
(4)専門家に相談する
(1)〜(3)と並行しながら、専門家に相談しましょう。
思春期うつの現れには色々なタイプもありますし、他の病気と併発していることも珍しくありません。
「よくわからないけど、うつだったら嫌だから」と、専門家に相談せずにいると、必要なサポートを子どもに与えることができなくなってしまいます。
うつは「一つの状態」なだけで、必要な手当で回復します。
もしかしたら?と思ったら、早めに相談することが大事です。
また、思春期うつの場合には、子ども本人だけで回復へのステップを登っていくのは難しいものです。
親御さんや先生などとチームを組んで、子どもが回復しやすい環境を作ることが大事です。
そのための進め方を専門家と作って行きましょう。
身体・心・頭の3方向からのアプローチで早く回復します。
(5)子どもを安心させる
もし思春期うつの場合には、まずは子どもを安全な環境で休ませるところから、サポートが始まります。
うつからの回復のステップ
1)安全な場で休ませる
今は休息が必要な状態だと伝えて、しっかり休むことが大事だと安心させましょう
真面目な子ほど「自分の力が足りないだけ」「他の子は大丈夫なのに」と思いがちですが、病気だということ=特別なサポートが必要な状態なのだと伝えましょう。
2)本人にも、うつについての知識を与える
専門家に相談して、伝え方のコツなどを手に入れてから伝えましょう。
必ず良くなることなどを伝えて、子どもを安心させることが第一です。
回復に向かって子どもが進めるようにサポートしていきましょう。
その後
子どもが落ち着いてきたら、子どもの希望と自信を取り戻していきましょう。
それを実現させるステップを具体的に少しずつ進めていきます。
どのタイミングで、どう進めるのかは専門家に相談しながら、その子の状態と気質などを見極めて進めます。
今後に向けて
今後にまた同じことでうつにならないように、自分なりの改善ポイントを子どもが見つけることも大事です。
身体の面では、体質や生活習慣の改善や発達の抜けを埋めていくなど
心の面では、感情との付き合い方を身に着けたり、好きなことや目標を見つけること
頭の面では、自分についてや友達や学校についての考え方を整えることや、コミュニケーション技術を使えるようになること
などがおすすめです。
専門家に相談して進めていきましょう!
「 思春期うつ」を知っておこう!の終わりに
いかがでしたでしょうか
「思春期うつ」の特徴と気をつけるポイントをお伝えしました。
でも見分け方もわかったし、親は気になったら早目に専門家に繋げばいいんだとわかったので、気持ちも楽になりました。
見逃してしまったり、見つけても家族だけでなんとかしようとしなければいいんです。
思春期うつは珍しくも恥ずかしくもないものです。
早めの発見、必要なサポートでぐんぐんと良くなりますから、そこだけ気をつけていきましょう!
♡♡追伸♡♡
『もしかして思春期うつかな?』と思ったら、まずは複数の専門家から話を聞いて、信頼できそうと思える人を選びましょう。
今は何についても様々な考え方がありますから、複数の情報から選ぶことは、何についても大事です。
そして選んだ方法をしばらくは続けてみましょう。
あまり途中でコロコロ方針を変えると、子どもも大人も混乱することになってしまいます。
子どもの小さな変化を見逃さず、複数の大人がチームになって笑顔でサポートしていきましょう❢
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