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不登校の子の新学期:子どもの幸せのために親ができること 4月編
もうすぐ新学期が始まりますね。
不登校のお子さん達やお母さん・お父さんたちは再登校が気になってくる時期です。
もうすぐ新学期なので、いい機会だから、4月から登校し始めてくれることを期待しているようです。
でも、あまり刺激してもいけないかな~という気持ちもあるようです。
新学期で環境が変わるので、ここから登校しやすくなることもありますものね 🙂
今まで不登校だった子が、4月からうまく登校できるように、親として何かできることや注意することなどありますか?
では、不登校のお子さんが新学期に向けていいスタートを切れるような、親御さんの接し方のコツを見ていきましょう。
目次
不登校から再登校するのに必要なことは?
不登校というのは身体・心・頭のエネルギーが、何かの事情で登校するのに足りないほどになっている状態です。
なので再登校をするには、第一にお子さんに、その学校に再び行きたいという気持ちと、お子さんにある程度のエネルギーが溜まっていることが必要です。
本人が心身ともに以前より明るくなっていたり、学校のことを話題にしたり、『行ってみようかな』などとつぶやいたりするようならば、再登校の思いもあるし、エネルギーもそれなりに溜まっている状態だと言えるでしょう。
もちろん不安もあるんでしょうけど。
ただ、その思いがあるかどうかだけじゃなくて、実際に再登校するには、心身のエネルギーが溜まっていることも大事なんですね。
はい、その見極めはとても大事です。
休んで止まっていたものがまた動くようになるには、動き出しの時が一番エネルギーを使います。
大きな石を転がす時も、最初の動き出しが一番力が必要で、そこがうまくいくと、だんだん安定して転がるようになります。
そしてどんどん自分で転がるので、押す方は小さなエネルギーですむようになります
(^^)
不登校の子が再び登校する、というのは、子ども本人や大人が想像する以上にエネルギーが要るものです。
「以前は毎日行っていたんだから」、「若いんだから」?と決めつけずに、今のその子の心身の状態をよく見ましょう。
今の状態でも動き出せる行動から始めて、やがて継続的に長時間行き続けるようになることをめざして、具体的な登校計画を作っていきましょう 😉
思春期の子どもは自分の心身の状態がよくわからずに、「完璧な登校」をすぐに始めたがる傾向もあります。
自分の状態に見合う再登校の仕方(回数や居る場所や時間など)で始めればうまくいくはずのケースでも、無理に朝一番から最終まで完璧に連日登校しよう!・・・なんて一気にやろうとしたことで、なんとか1,2日はできても、パタッとエネルギー切れになってしまったという話もよく聞きます。
一度やろうとしたことがうまく行かないと『やっぱり駄目だ』とすぐに思い込む子もいますので、再登校のイメージは始めから「緩やかな安定」を目指すくらいがおすすめです。
まずは1回、どんな形でも登校することは大事ですが、安定的に登校できるようになるためには、その後の進め方のほうが大切です。
それは大病や大怪我で学校を休んでいたら、通常登校ができるようになるまでは、丁寧な進め方とサポートが必要なのと同じです。
学校や専門家とも連携して、その子の今の状態にあった、再登校計画を建てましょう。
1.ある程度のエネルギーがあること
2.ゆっくり始めるイメージを親子で持つこと
3. その子の状態にあう実際の計画をする
この3つがポイントなんですね 🙂
とても大事なところなので、わからない時には専門家に相談してくださいね。
大病や大怪我をした時に、お医者さんの意見を聞くのと同じです 😉
新学期は不登校を脱するのに良いチャンス⁉
もしお子さんが、ここまで落ち着いて家で休めていて、心身のエネルギーが溜まってきている状態なら、新学期というのは再登校を始める一つのいいチャンスになります。
不登校の子どもが再登校する時に、気になる課題ベスト3です。
①友達の目
②勉強の遅れ
③先生や顧問、先輩との関係
これらの気になる課題が、リセットされる確率が一番高いのが4月です。
新しい学年になれば、クラスのメンバーも変わることも多いです。
そうなると、皆が「新しい環境」になっているので、不登校の子が一番気になる「すごく親しいと言うよりは、その他大勢の子たちの目」が自分に集中しなくなるというタイミングにもなります。
また、勉強も前の学年の内容を下地にしているとはいえ、基本新しいところからのスタートなので、区切りとして取り組みやすくなりますし、担任や教科の先生も変わることも多いです。
先輩たちが卒業したことで、気楽に部活に行けるようになるということもよくあります。
そんなもろもろリセットされるタイミングだと、『4月から登校してみようかな』『行けそうだな』とお子さんや親御さんが思うのも自然ですね。
この時期の子どものエネルギーを大事にしよう!
そんなお子さんが再登校を始めやすい新学期には、親子とも「行けるかも!」と期待が高まるところですが・・・気をつけたいポイントがあります。
せっかくここまでで溜めたエネルギーを、このタイミングで失ってしまうこともあるんです。
その2大要因が「親の過剰な期待」と「子どものぐるぐる思考」です。
(1)親の新学期への大きすぎる期待は手放しても大丈夫
親御さんが『この新学期というチャンスになんとか登校を始めて欲しい!』と強い期待を抱くのは自然なんですが、ここではお母さん・お父さんがあせらないことが最も重要です。
『今がチャンスだから!』
『今を逃すとまた不登校になっちゃうんじゃないかしら』
そんな思いが強すぎると、それがお子さんへのプレッシャーになってしまいます。
不登校のお子さんは感覚が鋭い子がほとんどなので、お母さん・お父さんの心の声に敏感です。
不登校で親御さんに対して「今まで心配かけちゃってる」と思わないお子さんは一人もいないので、お子さんはできるなら親御さんを安心させたいと思っています。
親御さんの多少の期待は応援になることもありますが、親御さんの「登校して欲しい」という思いは何も言わなくても、既にお子さんには伝わっているものです。
この際登校を始めようかという時期には、親御さんの期待が大きすぎると、子どもはその期待に答えようとムリムリ登校をしようと頑張ることになってしまいます。
お子さんが登校する理由が「親が望んでいるから」が強くなってしまうんです。
本当は自分の「登校したい」という気持ちがメインだったはずなのに、他人の期待に応えることがメインになると、登校が「やらなくちゃいけないこと」になってしまいます。
自分が登校できるようになるという楽しさも感じられなくなってしまうし、自分のペースも狂います 🙁
不登校の子が継続的に再登校するには大きなエネルギーが必要ですから、それには自分の内側から湧く「登校することの楽しさ」「少しずつでも行けるようになる喜び」というポジティブな感情エネルギーが欠かせません。
「やらなくちゃいけない」ではそんなエネルギーにはならないので、それがメインだといつかエネルギーが不足してしまいます。
そして一番もったいないのは、そんなエネルギー切れでまた不登校になった時に『やっぱり自分はだめなんだ』と思いこむことです。
そこからまた再登校する状態まで戻すには、それなりに大変です 🙁
また、親御さんの大きな期待を感じていた子は、もし新学期から行けなかった場合には、強い罪悪感を持ってしまいます。
自分も行きたかったのに行けなかったというショックだけでなく、「親の期待に答えられなかった」という罪悪感まで持ってしまっては、せっかくここまで溜めたエネルギーをも失ってしまいます。
あまりにもったいないですね (T_T)
そして一番避けたいのは、お子さんの心身に登校する準備ができていないのに、新学期がチャンスだからと「登校刺激」をどんどん与えることです。
この時期はお子さんは「登校したい」という思いがあっても、まだ「できるかな」「やっぱり嫌かな」などの思いも同時に持っているのがフツウです。
もちろん、お母さん・お父さんもどこかでそれに気づいているので、「そちらに流れてまた不登校になったら大変!」と焦ってしまうのかも知れません。
少しお子さんが前向きなことを言った途端に、それを増やそうと、登校刺激を与えようとしたくなるんです。
そのお気持ちは、不登校の子どもを持ったことのある親として、とても身にしみて分かります。
でも残念ながら、それでは逆効果になることがほとんどなんです
(T_T)
お子さんの視点を「登校」に向けようとする気持ちはわかるのですが、この時期はほっておいても、不登校のお子さんなら「登校」を必ず意識しています。
それを踏まえた上で次に大事なのは、登校したい気持ちも不安も持っているお子さんが、「自分も登校できそう」と思えるようになることなんです。
このタイミングでは登校のハードルを下げるような具体的な環境整備やお子さんが安心できるような情報をコンパクトに届けるのがオススメです。
先生に会えば出席とか、宿題免除などを学校にも確認しておくといいですね。
お子さんが「登校しようかな」などど言い始めたとしても、その言葉を絶対的なものとして扱わずに、もし制服を新調することなどが必要ならば、ひっそりとしておきましょう。
その場合も「もしかしたら4月からは行かないこともあるかも」と、思いながらするのがおすすめです。
このタイミングでお母さん・お父さんが焦ってしまうと、かえって不登校を長引かせることになってしまいます。
子どもの心身を置いてけぼりにすると、一番大事な親子の信頼関係を損なってしまうからです。
子どもは安心して帰れる家がないと、頑張って登校することも難しくなってしまいます。
この時期こそ、お母さん・お父さんがそのつもりがなくても、あまりに新学期からの登校を期待しすぎて、お子さんを登校に追い詰めないように気をつけたいですね。
大事なのは「その後も安定的に継続して、お子さんが望む楽しい登校ができること」です。
期待を胸に秘めつつ、必要なサポートをしながらも、『4月からじゃないとダメ』とは思い込まないのが大事です。
みんな今ではイキイキと登校しています❤
そして、新学期を前に登校を意識できるようにまでなっているということは、だいぶエネルギーが溜まっているということですから、あとはその子のタイミングと適切な登校計画があればいいだけです!
(参照:不登校からの回復過程:長引かせないための親の接し方のコツ)
新学期がそのタイミングでなくても、登校できるタイミングが近づいているのですから、親御さんは焦らずにいてくださいね。
いちばん身近な親御さんの心の声に、お子さんはとても敏感に反応します。
この時期こそ、焦らずに『大丈夫、なんとかなるから』と御自分を落ち着かせましょう!
お子さんも落ち着いて登校にエネルギーを向けられるようになります。
お母さん・お父さんが信頼できるプランを持った専門家につながるのも、心を落ち着かせることに役立つでしょう。
(2)子どものぐるぐる思考には気をつけよう
もう一つ、子どものエネルギー漏れを防ぐのに、気をつけたいのは子どものぐるぐる思考です。
不登校になるお子さんは、基本的に真面目です。
ちゃんとやろう、一人で頑張ろうと思うことが多いので、
『行けなかったらどうしよう』
『他の子はフツウにやれているのに、自分だけなんでこんな心配をしているんだろう』
などと、一人でぐるぐる考えてしまいやすいんです。
不安は一人でぐるぐる考えていると増大するばかりです。
思いつくリスクに対策をとっておくのは大事ですが、新学期にどんな人がいて、何が起きるのかは、残念ながら実際に行ってみないとわからないものです。
色々予測して準備はしても、どうしても「今は感じるしかない不安」というものは残ります。
(参考:思春期の不安とうまく付き合うコツ:増大する不安にはご用心!)
このような『感じるしかない不安」に、子どもの意識が固着してしまうと、だんだん「~~かも知れない」が「~~になる」になり、ついには「~~になるからどうしよう」へと、勝手にすり替わっていくことがあります。
不安になって浮かんだ「かも知れない」というイメージが、勝手に必ず起こる事実みたいになっていき、さらに不安が増大するループにはまることがあるんです 😯
それではせっかく溜まったエネルギーも、漏れて流れ出してしまいますね。
とても、もったいないです(T_T)
このような現象は、実際に登校が近づくに連れて起こりやすくなります。
3月中は明るい顔で『新学期から登校する』と言ってた子でも、4月になるとだんだん暗い顔になってしまうことも珍しくはありません。
もしそのような傾向が見られたら、お母さん・お父さんが明るく落ち着いて子どもの話を聞いてみて下さい。
そして不安があってアタリマエ、少しずつできることから始めればいいよ、と、その子が実現しやすい、ハードルをうんと下げた登校計画についても話してみるのがオススメです。
「真剣」に話は聞いても「深刻」にしない接し方がポイントです。
「4月から行くことを応援しているけど、ゆっくり始めるのでOK」
「いい状態に向かっているから焦らずに一歩一歩進めれば大丈夫」
とお母さん・お父さんが本心から思えていることが大事です。
お母さん・お父さんが日頃からそんな落ち着いた状態でいれば、かえってお子さんも『自分は不安だ』と言いやすくなるでしょう。
自分の不安を話しても、お母さん・お父さんがそれに巻き込まれないとわかるからです。
子どもが信頼できる人に自分の不安について話せるようになることは、その不安に巻き込まれないことにとても役立ちます。
『気になることがある時は、準備できることは準備をしよう。
あとは実際に行ってから考えるので大丈夫!』
と言ってあげると、お子さんも落ち着けます。
(参考:思春期の不安とうまく付き合うコツ:増大する不安にはご用心!)
そうなんです。
いちばん身近で、自分の味方であって欲しいお母さん・お父さんに、自分を不安ごと受け止めてもらえると、子どもがとても安心できます。
チャレンジする勇気も湧いてきます 🙂
お母さん・お父さんが不安な時には、信頼できる専門家にサポートしてもらって下さい。
新学期からの再登校に向けて準備しておくといいこと
ではここで、新学期からの再登校に向けて、お母さん・お父さんが準備しておくといいことを挙げておきますね。
ここまで述べてきたように、まず一番は『今はいい流れになっている』とお母さん・お父さんがどっしりしていることです。
そして次は、子どもの登校へのハードルを極力下げた、ゆるやかな再登校計画です。
学校と連絡を取りながら、「登校」と認められる条件を確認したり、子どもが学校で休める場所をいくつか確保しておきましょう。
一般的には人が「達成感」と「次もチャレンジしよう!」と思えるのは、自分ができるかできないか、半分くらいの可能性のあることに挑戦してできた時です。
それはスポーツでも勉強でも同じです。
でも、不登校から再登校にチャレンジするときは、そのできる可能性を7割位のところに決めるといいでしょう。
学校の下駄箱まで行く、上履きを履くでもOKです。
子どもの今の状態を見極めて、できるだけ小さくても成功体験をたくさん作っていくのがおすすめです。
やがて子どもに元気が戻ってくると、自分からどんどん先に進みます。
始めこそ、丁寧に進めていきましょう。
また、頑張り屋さんの思春期の子どもは、朝から晩まで連日登校するか、さもなければ不登校かの二択しか頭にないこともあります。
そんな時には現実的な登校計画を、ゆっくり話してあげるのがオススメです。
始めは素直に賛成しなくても、お母さん・お父さんが落ち着いて自信を持って、穏やかに話しかけることを繰り返していくと、だんだん子どもも耳を傾けるようになってきます。
この時点では子どもにも、「学校に行きたい」という気持ちがあるからです。
そして再登校計画では、学校にいる時間よりも登校した回数を重ねていくのがおすすめです。
まずは「登校する」ことに身体や心を慣れさせて、だんだん長く居るようにしていくのが早道です。
また、友達関係など、具体的に気なることがある場合には、学校側に具体的な配慮をしてもらうのも効果的です。
一緒にいやすい子と班を一緒にしてもらうなど、具体的な希望を学校に出して相談して下さい。
それから、これもとても大事なことですが、途中でまた「休みたい」と子どもが言うこともあると心に留めておきましょう。
それはよくあることなので、こちらのブログも参照しながら、落ち着いて対応してくださいね。
(参考:不登校から再登校する時に気をつけたい5つのポイント)
実際に登校を始めるまでの道のりも、一度登校してからの道のりも、本当にお一人お一人違います。
色々なパターンが有ることも知っておくと、お母さん・お父さんが落ち着いていられることにも役立ちます。
安心できて、お子さんにもゆったりと接せられるようになります 🙂
不登校の子の新学期:子どもの幸せのために親ができること、まとめ
ではここでまとめてみましょう
新学期から再登校する時のポイント
①ある程度のエネルギーが子どもの心身にあること
②ゆっくり始めるイメージを親子で持つこと
③その子の状態にあう実際の計画をする
4月からの新学期は、不登校から再登校を始めるのには、以上のポイントをふまえれば、とても良いチャンスになります。
お母さん・お父さんがどっしりしていてくれることで、子どもも安心して再登校というチャレンジに向かえるようになります。
必要な時には専門家にもしっかりつながってくださいね
早速ママ友にもポイントを教えて、大丈夫だよって伝えます (^^)
❤❤あとがき❤❤
新学期は再登校のチャンスにもなりますが、大事なのはその子の今の状態をよく見て、今必要なサポートをしていくことです。
どの子にも「自由に自分らしく生きたい」という「生きる力」が必ずありますから、それを上手に育てていきましょう。
具体的な接し方のコツは講座でも詳しくお伝えしています。
実際にできるまでのサポートも付いています。
ピンときた方はぜひ会いに来て下さい 🙂
また、日本では4月の新学期のあとに、連休があります。
4月に頑張りすぎると、連休で気が抜けてしまうこともよくあります。
5月の末頃には安定して行けているくらいの、ゆる~いイメージが効果的です☆☆☆
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不登校から再登校する時に気をつけたい5つのポイント
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