「死人テスト」で思春期親子コミュニケーションをバージョンアップしよう!

 

「死人テスト」をご存知ですか?

何かと「難しい」と言われる思春期コミュニケーションの改善に役立つ一つの方法です!

解説と、実際に日常で使う方法のご紹介です。

 

お母さん
最近、中学生のうちの子と会話が成り立たないんです。

特に私が伝えたいことがある場合に、なかなかうまく伝わりません 😐 

もっと小さい頃には素直だったのに。。

どうしてこうなっているのかと悩みます

 

思春期になってから、親子コミュニケーションが難しくなったというご相談は多いです。

普段は特に仲が悪いわけでもないけれど
こちらの伝えたいことがなかなかうまく伝わらな苦なっている。

そんなお悩みが多いです。

 

お母さん
反抗期だと思うのですが
これから進路選択もありますし
もっとちゃんと話をしたいです。

何か工夫できることはありませんか?

 

はい、思春期の親子コミュニケーションをバージョンアップするコツはたくさんあります!

今日はその中の一つ
「死人テスト」についてお伝えいたしましょう。

 

お母さん
死人テスト?

変な名前だけど知りたいです!

 

思春期親子コミュニケーションで「伝わらない」が増えるのは?

日本ではまだ、思春期を
ただの小さいこども時代の
延長として捉えていることも多いです。

でも、実は思春期は、
子どもの身体・心・頭がそれぞれ大きく成長する
とても大事な時期なんです 😉 

 

特に脳の前頭葉という「人間脳」が思春期に大きく成長します。

完成が25歳〜30歳なので、
思春期の間は「脳はまだ工事中」と言えます。

 

この工事中の間、特に思春期の始まりの
小学校低学年〜中学時代には
「理性」「客観性」を司る前頭葉よりも
「感情」を司る部分の方が強く働きます。

つまり、思春期の子どもは
本人が自覚できてなくても
とても「感情的」なんです。

 

また、この時期は
家族よりも広い世界と繋がろうとする本能が強くなります。

そうなると親に管理・束縛されることを
とても嫌う時期も出てきます。

これもある意味、自立のために必要な時期でもあります。

 

そして特に思春期の始めの頃には
「自分で考えて決めて行動したい」
という欲求が強く出てきます。

そうなると
親からの指示や正論に反発したくなるのです。

自分なりの気持ちや考え、やり方を無視されて
一方的に「正しい」ことを言われたら
内容が「正しくても」反発が先立ちます。

 

お母さん
なるほど。。

そういえば私も、中学生頃は無駄に親にイライラしてました 😳 

 

ある意味自然な成長の1ステップです。

そしてさらに中学生以降になると

子どもも勉強や受験、部活、恋愛、容姿のことなどで
学校ではストレスを感じることも増えてきます。

 

そうなると家ではリラックスしたい・・
という欲求が強くなります。

「外で頑張ってるのに」という思いもあって
親にイライラすることもあります。

 

そのような子どもの状況に気づかずに
小さい頃と同じような
親子コミュニケーションだと

その言われている内容よりも
言い方などで先に反発されることが増えます。

 

小さい頃は
親の言いたいことだけを話しても
素直に受け取ってくれていた子どもでも

思春期になると
「それでは受け取らない」ことが増えてくるのです。

 

お母さん
子どもが思春期になったら
子どもの状況や気持ち、考えなどにも
注意を払う必要が出てくるんですね。

でもどうコミュニケーションを
変えていけばいいのかわかりません。

私は親にずっと同じ感じで言われていたので。。

 

そうですよね。

以前は思春期の反発があっても
『親の言うことだから」と
子どもが受け取っていました。

 

でも最近は
小さい頃からネットで
良くも悪くもさまざまな意見や行動があることを
子どもは知っています。

以前のように
「目上だから、親だから、先生だから」で
従う傾向はぐんと減っています。

 

そして小さい頃のように
親は子どもの神様(機嫌を損ねたら大変)ではないことも
思春期なるとわかってきます。

親が怒って子どもの行動を変えさせようは
通じなくはなっています。

 

お母さん
そうですね!

うちの子も
どこから仕入れたのかわからない
屁理屈をたくさん言ってきます。

私もグッと詰まってしまうことがあります。

 

子どもの屁理屈への対応も
親子コミュニケーションで必要になってきていることは
私もこの仕事をずっとしていて感じています。

そこで子どもに言い負かされて
家庭が変になっているご家庭も少なからずです。。

 

ちょっと話がずれましたが

そんな親子コミュニケーションのすれ違いで
親の”正しさ”が子どもにとって
責めや圧だと捉えられます。

 

「親はいつも一方的に
あれするな、これするな、と
自分の言いたいことを言ってくる。

自分のためを思って言ってるのはわかるけど
どうせ自分が何か言っても聞いてもらえない

という不適切な信念を子どもが持つようになりなります。

 

そうなると

黙って従えば波風が立たないと
自分の思いや意見を言うのを諦めて
表面上はうまくいっている様な親子関係になるパターン

または

自分のやりたいように
親に黙って行動するパターン

になりがちです。

 

そしてどちらにしても
子どもには
双方の意見を出し合って
建設的な落とし所を見つける練習が不足します 😐 

のちに人間関係で
苦労することも出てきます。

 

また
「自分をわかってくれる人はいるのか?」
という不安も持つことになります。

 

お母さん
それも嫌ですね。

やっぱり改善したいです 😐

 

はい、伝わりやすい親子コミュにケーションのコツはたくさんありますが
今回は「死人テスト」をご紹介しますね。

 

親子コミュニケーションをバージョンアップする「死人テスト」とは?

「死人テスト」はアメリカの行動分析学者
オージャン・リンズレーが1965年に提唱したものです。

 

伝え方として
「死人でもできることを相手に求めていないか」

つまり

「伝えたいことを明確に伝わるように伝えているかどうか」

「死人でもできることは、行動目標にならないのにハマってないか」

をチェックするテストです。

 

例えば

「ゲームばかりしないの!」」

→ ❌ 死人でも、「ゲームがばかりはしない」ことはできる。

 

部屋を散らかさないで!

→ ❌ 部屋を散らかさないのは死人でもできる

 

遅刻しないで!、忘れ物しないで!

→ ❌ 遅刻しないことも、忘れ物しないことも死人でもできる

 

どうでしょうか

 

お母さん
死人テストに引っかかる言葉は
結構圧を感じます。

普段、何気なく言ってますけど

 

否定されている感じが強いですね。

 

死人テストに引っかかる言葉は
言われた子どもにこんな影響を与えます

 

1)否定型の脳の処理

脳は「否定型」を理解するためには、一度それをやっているイメージを浮かべなくてはなりません。

例えば
「ピンクの虎をイメージしちゃダメ!」
と言われたら

どうしても言われたことを理解するには
一度ピンクの虎をイメージしちゃいますね。

そしてピンクの虎がずっと無駄に意識されてしまいます。

 

同じように
「今日はゲームしないで」と言われたら
ずっとゲームが頭に浮かんでしまうのです。

そうなるとゲームに引き寄せられてしまうのです。

 

お母さん
逆効果ですね

 

2)心理的反発
強制されると感じたら人は本能的に反発します。

特に思春期はそれが強いです。

「やめなさい」「しないで」は
「あなたには選択権はない」というメッセージになって
より強い反発を招きます。

 

3)否定型命令の不明瞭さ

ある行動を禁止されても
結局どうすればいいのかが不明瞭です。

そうなると自分でどうしたらいいのかを
見つけて行動しなくてはなりません。

それがまた親の意向に反するとまた怒られるというリスクもあります。

 

また、不登校や発達課題のある子、悩み事があったり疲れている子は
その手間を経るエネルギーが不足していることがあります。

そうなると結局良い行動が見つけられずに
ダラダラと同じ行動をとってしまうことも多いです。

 

4)内的動機の不足

一方的に言われても
それは「言われたから」になるので
自分の意思じゃない、責任はない、という態度になります。

内的な動機がないと
結局続かなくなります。

 

お母さん
気づいてなかったけど
言い方の影響ってあるんですね

 

「死人テスト」を使ってみよう!準備ステップと使い方

死人テスト準備ステップ

ステップ1:言葉チェック

まず、日頃使っている言葉を思いつくもの全てを書き出してみます。

その時に思い出せなくても
後から「あ、これもあった」と思ったものがあれば追加します。

 

ステップ2:言い換え

次にこの言葉を使いそうな状況が来たら
どう言い換えるかを書いておきます。

何かをやめよう・・と思った時には
必ず、代わりにすることを決めておくのがポイントです!

 

「ゲームばかりしないの!」」

→今日はこれからどんな予定なの?

 

部屋を散らかさないで!

→部屋の掃除はいつしようと考えてるの?

 

遅刻しないで!、忘れ物しないで!

→ 間に合うようにね。

 ガッツリ準備できた?

 

 

そして次に実践方法です。

(1)まず、こちらの意見を言う前に子どもの意見や言い分を聞く。

言いたいことあるとつい
先に言いたくなりますが
子どもにも理由や考えがある場合もあります。

いきなり「何も考えていないに違いない!」と決めつけずに
まずは言い分を聞きます。

 

それによって子どもも
意識できてなかった自分の理由に
気付けるチャンスにもなります。

 

(2)受け取ってから伝える。

子どもの行ったことをまず
「そう思っているんだね」と受け取ります。

実はこれがとても大事です。

受け取ってもらってないのに
受け取るのは難しいからです。

 

受け取ってから
「私は・・」と提案をします。

 

(3)そしてまた聞く

そしてそれについてどう思うのかを聞きます。

この繰り返しがコミュニケーションです。

一方だけが大量にボールを投げるのは
キャッチボールではないのと同じです 🙂 

 

お母さん
いつも自分の言いたいことばかり言ってました!

正しいこと、子どものためになることだから
という思いが強かったです。

 

小さい頃は子どももそれで
言うことを聞きますし

私たちもそうやって育ってきましたからね 😉 

 

少し手間がかかるようですが
これを繰り返すことで
親子関係はグッと良くなります。

親子コミュニケーションもスムーズになるので
本当に大事な
進路選択の時にも
腹を割って話せます。

 

そして最後には勇気づけがあれば、バッチリです!

「練習したらできるようになるよ」

「やってくれると助かる」

「何か手伝えることがあればやるよ!」

などなど、状況に合わせて声をかけます。

 

お母さん
言い方はどうでも
こっちは正しいことを言ってるし
子どもがやるのは当たり前!という思ってました。

上から目線が強すぎてたかも。。

別にニュートラルに接すればいいですね

 

思春期の子どもには
小さい頃よりも成長してるし、
これからも成長する余裕もある、と思って

少し自立した人

自立に向けて発達途中として扱うのがおすすめです。

そう扱うと子どもの自覚も出てきやすいです。

 

幸子さん
どういうイメージでその子に向き合っているかは
かなり関係性に影響します

 

気をつけたいNGワードも一応挙げておきますね。

「どうしてやらないの」

「わかららないの?」

「ちゃんとして」

「普通やるでしょ」

 

お母さん
わ〜、私も言う時ありますますけど

どうやって聞いてみるとどれも
「できない子」として圧をかけてる感じです。

これからは気をつけます!

 

「伝わらない」を「伝わる」「受け取れる」に変えるためにできること

コミュニケーションはキャッチボールによく例えられます。

相手にしっかり受け取ってもらうには
相手の状況に合わせて
強さやスピードなど気を配ると
楽しいコミュニケーションができますね。

この人との話が楽しい
お互いに分かり合えると思えたら
もっと話したくなるものです 🙂 

 

どっちがボールスピードが速いかとか
どちらが「正しいか」という競争は必要ありません。

 

今回の「死人テスト」のような
コミュニケーションをスムーズにする
調整のコツはたくさんあります。

「うちの場合は?」と思ったら
講座個別セッションでご相談ください。

 

そして、このような調整力に加えて
コミュニケーションをスムーズにするには
お互いの心身の状態がある程度整っていることも大事なポイントです。

 

例えばお母さんが
イライラ・疲れている時には
子どもに合うようにコミュニケーションを
調整することが難しくなります。

そう言う場合は
一息ついてからとか
「望む未来をイメージしてから」などで
ご自分の心身を落ち着かせることができると
余裕も生まれます。

別のタイミングで話すのも良い選択です 😉 

 

また、親だけでなく
子どもの方も
外からの情報を受け取れる状態
であることも大事です。

キャッチボールができる状態でないのに
ボールを投げられても
そもそも受け取るのが難しいです。

 

子どもが外からの情報を受け取れる状態になるには
身体・心・頭がある程度整っていることが必要です。

身体を整える
睡眠不足、栄養不足、生活リズムの乱れ、
運動不足(ゲームばかりなど)では
ホルモンや血糖値も乱れて
心や頭にも乱れが影響します。

代謝エネルギーも不足するので
疲れやすく、人の話どころではありません。

またそんな状態だと、
簡単にできるデジタル依存にもなりやすいです。

デジタルが悪いものではないですが
デジタル依存になれば
前頭葉の発達が阻害されるのでご注意です。

 

心を整える
不安が強い、心配事がある、落ち着けないなどだと
人の話どころではありません。

まずは安心させることからです。

安心は言葉がけ以外にも
身体へのアプローチが有効です。

身体と心はつながっているからです。

 

頭を整える

偏った思考や屁理屈で固まっていることもあります。

そんな思想は一人だけで「考えている」ことから生じて継続します。

偏った思考や屁理屈の元
「なぜそう思うのか」を
引き出していくことで
固まった行き場のない思考が外に出られるようになります。

 

「方法がない」と思っていたことも
プロから多くの方法があることを知ることもできます。

 

ぐるぐる思考が強い場合
絶対に人の意見を聞かない場合には
「恐怖」が裏に隠れていることが多いです。

そこに光を当てることで
恐怖は手放せるのでご安心ください。

 

不登校や発達課題がある子
何かショックな出来事や悩みがある子は
上記の身体・心・頭の乱れが生じやすいです。

そこから整えていくことで
気持ちの良いコミュニケーションができるようになります。

 

コミュニケーションがうまくいかない時には
もっと根本から整える必要があるケースもあるんですね。

不登校のお子さんを持つママ友が
悩んでいたので教えてみます!

 

事例:「伝わらない子」だったけど

事例1:
Aさんのお子さんは小学6年生で中学受験に向かって頑張っていました。

何年もお父さんが熱心に教えていたのですが
ある時子どもがプツッと切れたようになって
全く勉強もしなくなりました。

いくら声をかけても
全く動きません。

 

お父さんが相談にいらして
伺ってみると
「死人テスト」に引っかかる言葉ばかりで
お子さんを叱咤激励していたことがわかりました。

 

お父さんもお子さんの夢を叶えたいから
やっていたことだったので
気づいた後は

死人テストを使いながら
お子さんへの言葉がけを変えて行きました。

 

その結果3週目くらいから
お子さんが復活して
「やっぱり受験する」となり

最終的には志望校に合格しました。

 

「お父さんの愛情が重たすぎた」は
中学生になってから振り返っての言葉です 😉 

 

事例2:

Bさんの中学生のお子さんは
友達も多く楽しく学校に行っていましたが
勉強やルールを守るのが苦手でした。

一方Bさんはとても理論的なかたで
「子どもを理解できない」と
いつもこぼしていました。

 

我が子がなぜ勉強が嫌いなのか
ルールを守れないのかにこだわっていたBさんでしたが

死人テストと勇気づけを心がけるようにして
数ヶ月後に
お子さんとの会話が楽しくなりました。


お子さんには少し発達グレーなところもあったので
身体へのアプローチも取り入れていました。

 

その頃、お子さんにも
お母さんの話を聞く余裕も生まれて
少しずつ行動も変わって行きました。

 

お子さんはその後急速に発達して
大学生になった今は
お友達が多いだけでなく
勉強も自分から積極的に取り組んでいます。

発達グレーからも卒業しました。

 

終わりに

お母さん
今日はお話しできて良かったです。

最初は「反抗期の子どもをなんとかしなくちゃ」
と思っていたんですが
私もできることがたくさんあるのがわかりました!

「死人テスト」わかりやすいです 🙂 

 

幸子さん
ブログを読んでくださるご家庭のお子さんは
愛情から言われていることはわかっていると思います。

ただ、愛情は伝わっていても
「理解されていない」思いはまた別なので
そこもクリアできると
お互いにもっともっと良い関係になります!

 

お母さん
子どもには「理解されてない寂しさ」は
持っててほしくはないです。

ちょっとしたことでお互いの想いが
もっと繋がるとわかったので頑張ります!

次はうちの子の、発達チェックもお願いしたいです。

 

幸子さん
お役に立てて良かったです。

またお待ちしてます。

 

 

♡♡あとがき♡♡

「愛されているのはわかるけど。。」

「良いと思って言ってくれているのはわかるけど」

「良かれと思って言ってくれてることだから
我慢しなくちゃならないの?」

 

そんな悩みを子ども達から聞くことはよくあります。

 

これは明らかに「愛情不足」ではなく
コミュニケーションの問題です。

 

ちょっとしたコツで
コミュニケーション、そして
関係性は大きく変わります。

親の愛情が子どもに伝わっていればいるほど
子どもの変化も早いです。

ご家庭の笑顔が増えるのは
本当に嬉しいです
\(^-^)/

 

 

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